1ヶ月経った

早いもので父が他界して1ヶ月が経った。
母から第一報を受けたのが月曜日の朝だったということもあってだろうか、何となく週明けの出勤は気が重いのだが、これもまた時間の経過が徐々に浄化させていくのだろう。
ようやく母も、今もなお時折訪れる弔問客の前で涙を見せなくなったし、少しずつではあるが前を向いて歩き始めている。

そういえば、父が亡くなってからしばらく、僕の手の平の皮膚は異常とも言えるぐらいボロボロに剥けてしまったのだが、ここ最近は大分収まりつつある。僕自身、精神的に少し落ち着いたのかも知れない。

その一方で、父が亡くなってからの酒量はハンパでなく増えており、しかも飲んでも飲んでも酔わない(酔えない)という状態が続いている。

飲まずにはいられないという心境は、生前の父も同じだったのかも知れない。しかしその酒の味は、逝ってしまった父と遺された我々とでは全く違うということを、我々家族が理解しなければならない。

父の時間は9月7日で止まってしまったが、我々の時間は黙っていても刻々と動いている。
この悲しみは、一生消えるものではないと思っている一方で、我々も一緒に時間を止めていてはダメなのだということを、今は言い聞かせている。

父が忽然と姿を消したことで、我々家族はいろんな意味でどん底に突き落とされた。

でも、そのどん底から這い上がる術を我々は身につけなければならないし、父のためにも生きなければならない。

しかしながら、どれからどうやって手を付けたらいいのか、実はまだ整理が全然ついていない状況で、これから相当長い時間を掛けていろんなものを整理して行かなければならないんだと思っている。

その一方で、「ひょっとしたら誰かが何とかしてくれるんじゃないだろうか」なんていう甘い考えを持っているのも事実で、そんな自分自身に対してちょっと不甲斐なさを感じている。

父が遺した「宿題」は、とてつもなく難解である。

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