【超ネタばれアリ】8.17 サザン「真夏の大感謝祭」30周年記念LIVE

8月17日。前日から東京入りした我々夫婦を待っていたのは、やはり雨だった。朝方小降りの雨が止むことを念じつつ、半蔵門にある某ホテルをチェックアウト。新横浜まで向かうには未だ時間があるので、時間つぶしに妻が「一度も行ったことがない」という上野動物園に行ってみることにした。
動物園で過ごした時間は約2時間。僕は約25年振りに足を運んだのだけれど、その時の記憶は定かではない。唯一覚えていることといえば、パンダとキリンがいたことぐらいだろうか。
入場直後に早速パンダ小屋に向かったが、当然パンダの姿はなく、代わりに「レッサーパンダ」が遊んでいた…。
ただ、考えてみるとこの後ライブでずっと立ちっぱなしになるわけで、2時間ほぼ歩きっぱなしは、後々影響が出るかも知れない。

13時頃に上野駅から京浜東北線に乗り込み、東京駅で東海道線に乗り換え、更に横浜駅から横浜線に乗り換えて新横浜に向かう。

横浜駅で乗り換えの電車を待っていると、明らかにサザンのライブに向かうとわかる人たちがウロウロしている。過去のライブでのTシャツを羽織る人たち、既に昨日のうちに購入したのだろう、今回の記念LIVEのグッズを手にする人たち…。
新横浜駅に到着すると、更にそういった人たちは増え、冗談抜きで、すれ違う4人に1人が何らかのサザン関連アイテムを手にし、あるいは身につけている人だった。

ライブの開演は18時なので、恐らく21時頃に終わるだろうと予想(この予想はほぼ的中)、遅めの昼食を取ることにした。

当初ラーメン博物館で昼食を兼ねた見学も検討したが、各店舗が45~60分の待ち時間であることを知り、あっさりと断念した。まあ、この選択は間違いではなかっただろう。

結局、駅近くにある中華料理屋で軽くビールを一杯引っかけながら昼食を取り、ホテルへと向かった。

宿泊するのは、偶然空きを見つけた新横浜プリンスホテル。
駅から徒歩3分の好立地だ。

ところが、15時20分頃にホテルのロビーへと足を踏み入れた途端、目の前に広がる光景に愕然とした。

何と、チェックイン待ちの客がシャレにならないほどの長蛇の列を作っているのだ。恐らく、そのほとんどがサザンのライブを観に行く人たちなのだろう。ここでもサザングッズを身につけている人たちが多数並んでいる。
嘆いても仕方がないので僕はその列に並び、チェックインの順番が来るのを待つことにした。妻は、この間夜食の買い出しに行くことにした(ホテルの隣、地下にスーパー(成城石井)があるのだ)。
待てど暮らせど順番はやってこない。
結局チェックインの手続きが終わったのは、16時15分だった。仮眠を取るつもりだったが、ここで目算が狂った。

ホテルの部屋に入ると、雨が若干強くなっているらしく、傘を差す人たちが眼下を歩いている。会場の日産スタジアムもすぐそこに見えているのだが、歩くと結構距離がありそうだ。
ふと、蟻の行列のように続く人たちが会場に向かって歩いていることに気づいた。これは、遅れを取ったか?
気は焦るが、妻は「大丈夫だって。タクシーで行こうよ。」と暢気にしている。
イヤ、タクシー乗り場だってさっき混雑していたし、雨が降ってきたからタクシーがすぐ来るとも限らない。
いてもたってもいられなくなり、一足先にタクシー乗り場に向かってみることにした。

やっぱり…。

雨が降ってきたこともあり、タクシー乗り場にも行列が出来ていた。妻に電話でその旨を伝え、先に並んで待っていることにした。
約10分後、妻が合流。
ようやくタクシーに乗り込んだのは、17時10分近くだった。
運転手さん曰く「こういう時って歩いた方が早い時もあるんだよね」とのこと。しかし、何せ地の利のない不安な事情もあるため、行けるところまでタクシーで行ってもらうことにした。徐々にスタジアムが大きくなるにつれ、道路も渋滞してくる。それでも、本当にギリギリのところまで運んでもらった。

17時25分、スタジアム前に到着。
そこには、グッズ売り場に群がるハンパではない数の人だかりが。
雨も怪しそうな感じなのでグッズの購入は早々に諦め、会場へと足を踏み入れた。
流石7万人もの人が集まるということで、溢れる人の波に酔いそうになるが、思った以上に流れは順調だ。

【以下ネタばれ注意】(見るか見ないかは自己責任でお願いします。)


我々が陣取ったのは北サイドスタンド席の前から10列目、ステージからは最奥の場所になる。いくら視力のいい僕でも、ステージの上を肉眼で確認するのはちょっと厳しい。それでも、この会場にいられるだけでも、という優越感に浸っていた。この時点で、疲れなんて忘れていた。

程なく、雨脚が強まってきた。上野動物園に行く途中で購入した100円の雨合羽で、とりあえず雨をしのぐことにした。傘を差して始まるのを待っていたら、後ろに座る人から「雨の滴が垂れてくるので…」と言われた。ライブが始まる前にお互い不愉快な思いはしたくないので、やむなく傘をたたんだ。まだ寒さはそれほどでもないが、このままずっと雨が降り続ければ、身体が冷えることは間違いないだろう。

17時45分。スクリーンでは最新シングル「I AM YOUR SINGER」のPVが流れ始めた。PVが終わると拍手とともに迎えられたブラスバンドチーム(名前を忘れました)。「I AM YOUR SINGER」とデビュー曲の「勝手にシンドバット」を演奏し、一気に会場は盛り上がる。続いて小林克也がスクリーンに登場、いよいよ開演を告げる。そして、「公約」通り18時過ぎにメンバーが登場!遂にライブが始まった(この時点で雨はまだ降り止まず)。
以下セットリスト。
【更なるネタばれ要注意】(見るか見ないかは自己責任でお願いします。セットリストは全て公開されています。)

1. YOU
2. ミス・ブランニュー・デイ
3. LOVE AFFAIR ~秘密のデート~

(MC)
「昨日のライブは台風をぶっ飛ばしてみたんですが、今日は雨にしてみましたー!(ワーッ)
今回30周年ということでいろんなところから注目されています。でも、今までこんなことなかったじゃん(笑)。
という訳で今回のライブのテーマは「いつも通り」。いつも通りのサザンオールスターズでーす。長くやっちゃうよー。(ワーッ!)
それじゃここで、メドレーやってみましょうかね。テーマは、青山通りから鎌倉まで」

4. 女呼んでブギ
5. いとしのフィート
6. お願いDJ
7. 奥歯を食いしばれ
8. ラチエン通りのシスター
9. TO YOU
10.C調言葉に騙されて
11.働けロック・バンド
12.松田の子守唄
13.HELLO MY LOVE
14.朝方ムーンライト
15.思い出のスターダスト
16.夏をあきらめて
17.Oh! クラウディア
18.東京シャッフル
19.そんなヒロシに騙されて
20.あっという間の夢のTONIGHT
21.メリケン情緒は涙のカラー
22.顔

大体ワンコーラスでのメドレーは、かなり渋い選曲、通好みといってもいいだろう(しかし、いきなり「女呼んでブギ」からの始まったのは、嬉しかったな)。曲が始まるたびに、曲のタイトルとリクエストランキングの順位が表示されるのだが、このあたりの曲は軒並み100位以下のものばかりだった。「夏をあきらめて」から「OH!クラウディア」への流れは思わずグッと来たし、「そんなヒロシに騙されて」は思わずニヤッとしてしまった。それにしても、「松田の子守唄」まで聴けるとは…(笑)

「みんな大丈夫~?雨、止んじゃいましたね。みんなありがとね~。それじゃ次のメドレー行ってみますか。テーマは、由比ヶ浜からキラーストリート、鼠先輩まで行っちゃう?」

23.Bye Bye My Love
24.メロディ (Melody)
25.愛の言霊
26.シュラバ★ラ★バンバ
27.爆笑アイランド
28.ごめんよ僕が馬鹿だった
29.Rock'n Roll Superman

流石にヒット曲も織り交ぜられていたということもあり、会場は一気にヒートアップする。
と、「Rock'n Roll Superman」が終わったところで、突如祭り囃子が流れ、メンバーが袖からフィールドへ降りた。盛り上がる観客。何と、我々の目の前にあった緑のシートが外され、サブステージが登場!しかも楽器が置いてある!ということは!?ということは!?

メンバーはカートに乗ってゆっくりとメインスタンド前を移動。優勝パレードのように、目の前をメンバーが手を振って進んでいく。そして…サブステージに移動!この時再び大粒の雨が降り始めていた…。

「みんな~ありがとね~!!ここでやっちゃってもいいですかー?」

盛り上がるサイドスタンド席。そして目の前で始まった「涙のキッス」。アコースティックなサウンドが心地よい。嗚呼、本当に来てよかった…。



Sub Stage
Originally uploaded bynonvey

 

30.涙のキッス
31.チャコの海岸物語
32.せつない胸に風が吹いてた(すいません、この曲は16日に演奏してますが17日は演奏していません)
33.夕日に別れを告げて

1曲毎に「もう1曲やってもいいですかー!」と問いかける桑田さん。そのたびにサイドスタンドは大いに盛り上がる。「夕日に別れを告げて」を演奏した後、おもむろに楽器を置き、サブステージを離れるメンバー。再びカートに乗り、バックスタンド側をゆっくりと進む。スクリーンには、リクエストベスト30がカウントダウン形式で発表され、曲が表示されるたびに会場からはオーッ!という歓声が上がる。そして、ここからは怒濤のヒット曲連発!

※サブステージでの演奏が16日より1曲少なかったのは、やはり雨の影響!?

34.いとしのエリー
35.真夏の果実
36.TSUNAMI
37.I AM YOUR SINGER
38.希望の轍
39.OH!! SUMMER QUEEN ~夏の女王様~
40.エロティカ・セブン
41.HOTEL PACIFIC
42.BODY SPECIAL Ⅱ
43.マンピーのG★SPOT

新曲「I AM YOUR SINGER」では、メンバーが楽器から離れ、何やらスタンバイ。前奏が流れると、「病気療養中」のため休んでいたはずの野沢「毛ガニ」も輪に加わり、千手観音~EXILEのダンスを始め、会場は爆笑と歓声に包まれる。白い風船が舞い上がり、風に流されたまま会場の外へと飛んでいく(笑)。「エロティカ・セブン」では怪しげなダンサーが登場し、例のごとく放送できるかも怪しい動きを桑田さんとともに披露。続く「HOTEL PACIFIC」では例の振り付けをしながら、白いミニスカートをたぐる桑田さん…と思ったらダンサーが男性だった。
怒濤の終盤は、老若男女問わずの大合唱。
そして、またしても放送できうるギリギリの被り物姿で登場した桑田さん、ということは「マンピー」!!!

手も痛いし喉も痛い。でも、雨がこんなに気持ちのいいものだなんて、今まで知らなかったよ…。
ステージからはまばゆい光が放たれ、遂に本編が終了してしまった…。
すぐにわき上がる拍手、そしてサザンコール。

~ENCORE~
44.夕方Hold On Me
45.みんなのうた
46.勝手にシンドバッド
47.Ya Ya (あの時代を忘れない)

「みんなのうた」ではアリーナ前列に向けて放水するが、雨が降っているから問題なし!
「勝手にシンドバット」では、会場全体が「ラ~ラ~ラ~」の大合唱。いよいよこれで終わってしまうのか、と思うと、一抹の寂しさを覚える。

「みんなホントにありがとねー。今日は雨降って、大きな花火が上げられませんでした。ゴメン。もうホントに、ずっとここにいたいんだけれど…それじゃ最後にもう一曲聞いて下さい。」
そう言って始まったのは、「Ya Ya (あの時代を忘れない)」。
何かホントに終わっちゃうんだなー。あーあ。妙にしんみり。

全てのステージを終え、サポートメンバーが袖に下がり、サザンのメンバーだけがステージ上に残った。
メンバー一人一人が、ファンに向けたコメントを発表する。しかしそこには、これでサザンが「終わる」んだというコメントはなく、むしろ前向きなコメントばかりだった。

「いつか必ず帰ってきます。それまで待っていて下さい!」
桑田さんのこの言葉にウソ偽りはないだろう。21時20分、メンバー全員がステージから去り、スタジアムの明かりが灯った。
会場には「I AM YOUR SINGER」が流れている。
嗚呼、とうとう終わってしまった。

「海」とか「慕情」とか「BOHBO NO.5」とか「雨上がりにもう一度キスをして」とか、他にもいろいろ聴きたい曲はあったけれど、7万人の人たちが聴きたい曲を全部演奏していたら、何日あっても足りないライブになってしまうだろう。
でも、復活の暁には、それぐらい大々的にやって欲しいな。
今回以上にチケットが取れないだろうけれど、欲を言うならば何度でも何度でも観てみたい、そう思えるコンサートだった。
本当に偶然の産物で入手できたチケットだったので、宝くじにでも当たったぐらいの気分でライブに足を運んだが、楽しかったし大いに感動した。雨が鬱陶しくないと思ったのは、後にも先にも今回ぐらいだろう。忘れられない思い出になりました。本当に本当にありがとう。

3 thoughts on “【超ネタばれアリ】8.17 サザン「真夏の大感謝祭」30周年記念LIVE

  1. こう

    サザンのライブってお得な感じがしますね。
    何度も見たいライブに行きたいなぁ。

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  2. じゃん子

    何で曲順を全部覚えているのですか・・・。
    全部知ってるのも凄いけど・・・。
    私が行ってたら最初の3曲でノックアウトだったね(笑)。

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  3. nonvey

    >>こうさん
    確かにお得感がありますね。特に今回は記念ライブということで、プレミア感もあったので、更に一層お得感がありました。
    >>じゃん子さん
    曲順は、検索すればいくらでも出てきます。私がいちいち覚える訳がありません(笑)。
    ちなみに私、始まる前からKOでしたが…。

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