これでいいのか?

第1世代 iPod nano バッテリー問題について

2008年8月20日、アップルは本日、経済産業省からの第1世代iPod® nanoのバッテリーに関する公表について、以下お知らせ申し上げます。

弊社は、ごくまれなケースとして2005年9月から2006年12月に販売された第1世代 iPod nanoのバッテリーが過熱を起こし、使用ができなくなったり、変形していることを確認しました。弊社はこのような事故の報告を何件か受けており(すべて第1世代iPod nanoであり、0.001パーセント未満です)、これらは一つのバッテリー・サプライヤーからの供給であることを特定しています。これまで、重大な人的被害や物的損害は報告されておらず、また他のiPod nanoのモデルについてはこうした報告はまったく受けていません。

第1世代のiPod nanoをお使いでバッテリー過熱を感じられたお客さまは、AppleCare(顧客窓口)にて交換いたしますので、ご連絡をお願いいたします。 また、他の第1世代iPod nanoをお使いのお客さまで少しでもご不安を感じられた方も、AppleCareにご連絡ください。

過熱を感じれば交換に応じるとのことですが、過熱の基準が曖昧なのは少々疑問です。もっと明確にしないと、ただバッテリーの持ちが悪くなっただけなのに、交換を申し出る人が殺到しそうな気もするんですが…。

しかし視点を変えると、0.001パーセント未満のごく稀なケースではあっても、本当にこの対応が適切なのか、ということについてはちょっと疑問を感じます。何かこの「0.001パーセント」という言い回しや「これまで、重大な人的被害や物的損害は報告されておらず」といった表現に、「そんなこと滅多に起きないんだから、お前らグダグダ言ってるんじゃねえよ」といった、消費者やユーザーを見下すような態度が見え隠れしていて、真摯にこの問題を解決しようという姿勢が伝わってこないように思えるのです。

僕の使っているnanoも第一世代で現役バリバリなのですが、実はこの間充電した時、本体がかなり熱くなりました。あれ以来怖くて、現在は第三世代のnanoが稼働を始めています。

少しでもご不安を感じられた方も、AppleCareにご連絡ください、ということですが、爆発報道があった後のAppleの広報のコメント(ほとんどが「コメントできない」という内容)を見ても、連絡をしたところで恐らく何の解決にもならないことでしょう。
使用期間を聞かれ、ああ、それなら保証対象外ですね、とあっさり言われる、というのがオチでしょうか。

AppleCareで交換する、ということですが、すんなりと交換に応じてくれるのかも疑問です。この件については、そういう疑念を抱かざるを得ないぐらい対応が遅すぎたと思います。

それにしても、ソニーのバッテリー問題の際も同様のことがありましたが、事態が大きくなってから重い腰を上げるという体質が、どうも一部のメーカーに蔓延っているように思えてなりません。

こうなるとホント、命に関わるぐらいの怪我人を出すか、過熱が原因で家が全焼した、ぐらいのことが起きない限りは、いつまでたっても殿様商売を続けているような気がします。

自動車業界なら、もちろん生命を脅かす危険があるということからすぐにリコール、ということになりますが、そういう緊急的な要素も少ないということでリコールもしないし、大体この世に出ている個体数が未知数(nano 1stは180万台ぐらいらしい)ということもあり、自身が被る損害規模(世界中に波及すること)を恐れ、非を認めることなく手を下さないのでしょうか(だからバッテリーは交換式にして下さい!)。それぐらい今のAppleに対しては、懐疑心を持っています。僕は。

これ、iPhoneなんかで同様の症状が出たら…。

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