「良い上司」とは

今日は、月曜日の飲み会を振り返り、この件について触れたいと思います。
「部下は上司を選べない。」
よく耳にする言葉です。組織に所属していると、必ずと言っていいほど「上司と部下」という関係が存在します。そして、先の言葉は、部下から見た上司が、理不尽で、融通が利かなくて、わからずやで、仕事の内容を理解していなくて、話が通じなくて…と、決して高い評価にはないことを暗に指すケースが多いような気がします。
かく言う私も実は、以前から「上司に恵まれない」と嘆いていた一人。月曜日の飲み会でこの話題になりました。
私にしてみれば、この仕事に就いた際に「いろは」を教え込んで下さった方々との飲みです。とはいえそれぞれある程度の立場(まぁ、私の場合はまだ下っ端ですが)になり、今はそれぞれ全く異なる職場で頑張っています。
酒が進むにつれ、我々の上司がどうであったかという話になり、僕は思わず、これまでの上司に対する愚痴をこぼしてしまいました。うんうん、と帰ってくると思いきや、意外な言葉が返ってきました。
「お前だけじゃない。みんな上司に恵まれていないんだ。」
そして、「でも…。」と続いたのです。


「でも、その見方っていうのは、あくまで自分の目から見た場合の主観的な話だよな。」
ドキッとしたというか、溜飲が下がる思いがしたというか。
このことは、ごくごく当たり前の話なのかも知れません。しかし、結局のところ「良い上司」というのは、自分にとって都合の良い上司であるとか、話のわかる上司だとか、そういった部分で上司の良し悪しを判断していないか、ということなのです。
客観的に言うと、良い上司には、5つのスキルが必要だそうです。

1.Win-Winの問題解決力。問題が起きた時上司、部下ともに満足する問題解決の力を持つこと。
2.説得力。利害の対立を理路整然と分析し、関係者相互にプラスとなる条件を析出し、説明できる力を持つこと。
3.コミュニケーション力。言葉により、相手に正確に伝えることができる力を持つこと。
4.人間関係力。人から信頼させる力を持つこと。
5.チーム運営力。

これら全てを持ち合わせた上司には、そう滅多にお目にかかることはないのではないでしょうか。イヤ、これら全てを持ち合わせているような上司であれば、実務的な部署でリーダーシップを発揮するのではなく、よりトップに近いポジションに据えられているのかも知れません。
そして、もう一つ。生意気な部下になってはならないことを諭されました。組織というのは、上意下達によって物事が進められるケースがほとんどです。そういう意味では、上司の命令はある意味「絶対」であり、これに逆らうということは、上司のみならず、所属する組織全体にも反目することに繋がりかねません。部下が自分の物差しで「良い上司・悪い上司」を主観的に判断するがために、上司との関係がギクシャクし、そして上司との衝突に繋がる…。そういう私のような、10年以上も生意気な部下であり続けると、いつか自分が上の立場になった時に、部下からだけではなく、組織から見て「生意気で自分のことしか考えない上司」としてしか振る舞えなくなる、と言われました。
上司が部下に求めるのは、「自分と約束したことや目標として与えた課題について、結果を出すこと」で、「その要求も、そんなに多くは望んでいない」と言います。「ただしその過程において、やっているかやっていないか、よく解らない部下には上司のイライラが募ることになり、また、部下がやっていることが見えないのは、上司として辛い」のだそうです。
では、上司といい関係を築くためには、主観的に見て「良い上司」であってもらうためには、どうすればいいか。
先の1〜5を見た場合、上司が部下に最も望むものは何でしょうか。それは他でもなく、コミュニケーションではないでしょうか。コミュニケーション、意思疎通が図られなければ、個人として目的を達成することはあっても、組織としての目的を達成することは困難なはずです。一方で、このコミュニケーションが問題解決への道筋を導くこともあるでしょう。さらにそのことが、組織内の人間関係を強固なものにすることもあるでしょう。
このように考えると、こちら(部下)から上司に対し、積極的に状況の報告をするとともに、(たとえ演技であっても)謙虚な気持ちで上司の話に耳を傾けるということが、実は重要なのかも知れません。ごくごく当たり前の話でしょうけれど…(当たり前が当たり前でない社会構造になっているような気がするので)。
賢い部下になりましょう。いろんな意味で。

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