紅白歌合戦に見る音楽市場の不況

NHK「紅白歌合戦」の出場歌手が発表されました。
海老沢会長の問題や、プロデューサーによる不祥事など、非常に穏やかでない状況の中での発表でしたが、正直言ってますます見る気が失せるような出演メンバーとなってしまいました。
かつては「大晦日の紅白のステージに立つことがステータス」みたいな雰囲気もあったと思いますが、最近では不祥事も重なって、ますます地に落ちた感じがします。
このままでは、大晦日の目玉番組が「歌番組」から「格闘技」、そして「お笑い」に移行しそうな雰囲気。
そろそろ紅白歌合戦も見直す時期に来ているのかも知れませんね。


選考基準を明確にしようと、上位15組のアーティストを発表したまではよかったのですが、逆にそれが不信感を煽ることとなり、歌手の皆さんには軒並みそっぽを向かれる始末。
いろいろ話題作りに躍起になろうとしているようですが、ハッキリ言って歌合戦とは何の関係もない「韓国タレント」に視聴率を頼ろうとするあたりに、もはや歌番組としては視聴率が限界にあることを滲ませます。
確かに、これまでもそういう「限界」を窺わせるような出来事がありました。ヤンキース・松井の自宅から中継してみたり、美川・小林の衣装対決が話題を呼んだり。歌とほとんど関係ないですよね。
去年は音楽業界不況の中で、SMAPが一人勝ちするという状況の中で大トリを務めましたが、今年はそんなバカ売れするような曲もなく、強いて言えば平井堅が何とか気を吐いたといった感じでしょうか。そんなSMAPは「今年は歌手活動をしていないし新作をリリースしていない」と出場辞退。ある意味これはごもっともだという見方が出来る一方、はて、演歌歌手の皆さんは?と首を傾げたくもなります。とはいえ「大トリは氷川きよし」という呼び声が早くも挙がっており、こうなると出来レースといった感も否めません。
初出場の「目玉」が松平健と上戸彩というのも、かなり寂しい内容。マツケンサンバは確かに話題に富んでいたし、生で見てみたい気もするけれど、多分出場するのは今年だけでしょうね。もっとも、今回出場歌手が減ったのは、松平健のギャラがあまりに高額で、他の歌手に回らなかった、という可能性も否定できませんが…。
一番ビックリしたのは、「モー娘。」関連の出場歌手がやたらと多いこと。ジャニーズ枠が目減りし、つんく枠ができあがりつつあるのでしょうか。
あと、そんなに売れたっけ?あんた誰?という歌手も相当数…。お笑い系は皆無。
ハッキリ言って、今年はホントに不作だ。
何でも、相次ぐ災害に配慮して「じっくり歌を聴いてもらいたい」とのことですが、出演歌手の中で「じっくり」歌を聴かせる人はどれだけいるのか…。そんなこと言いながらもきっと、「マツケンサンバ」が一番盛り上がることでしょう。震災に配慮して今年は衣装対決自粛との噂もあるようですが、それではあの二人が出場する意義をどう見出せというのでしょうか。それとも、マツケンサンバも地味目に披露する、ということでしょうか。それはそれで見てみたいですが…。

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