携帯電話が求めるターゲットとは

今使っている携帯電話(D252i)のバッテリーの消費時間が大分早くなってきたので、そろそろ買い換えの時期ではないかと考えている。ちなみに僕の携帯電話歴は8年を超え、これまで6台の機種(N201→P205→NM207→SO502i→S502iWM→D252i)とお付き合いしてきた。その時はヨシと思っても、それぞれ一長一短があり、結果的に「これは使える!」という機種はほとんどなかったと思う。今の機種も3本の指に入るくらい気に入っているが、わざわざバッテリーを交換してまで長く使おうという気にはなれない。というのも、以前ホントに気に入っていた機種(SO502i)のバッテリーの消費時間が早くなり、わざわざ購入したところ、全く問題は解消されず、実は本体側に問題があったということがあり、以降「本体とバッテリーは所詮消耗品」と考えるようになったのだ。


最近の携帯電話は、とにかく機能が充実している。今やカメラは当たり前、アプリだ何だとゲーム機能が付いた機種、音楽が聴ける機種、最近ではカード機能を搭載した機種など多種多様である。それぞれに購買層を絞っていることとは思うが、果たしてそんな多機能を使いこなしているユーザーがどれだけいるのか?という疑問も拭えない。
少なくとも今は、携帯電話の「電話」としての機能は二の次で、他の機能が優先されているというのが実態ではないかと思う。
携帯電話のバッテリーの消費時間に不満を訴えるユーザーの多くは、内蔵アプリのゲームに明け暮れているらしいというのだから、だったら最初から携帯型のゲーム機を買えばいいじゃん?なんて僕は思ってしまうのだ。
携帯電話を、ほとんどメールのやりとりに使うというユーザーも多いようだ。こうなると電話は附属機能。「携帯メール送受信機」とでも名前を変えた方がいいんじゃないか、という気もする。
一時期携帯電話は、軽量化の競争が進められた。中には60g程度と、持っていてもホントに気にならないほど軽量化が進んだ機種もあった。ところが、カメラ付き携帯の普及とともに、軽量化はあっさり撤回されることとなり、100gを超えるような本体はごくごく当たり前となった。あの頃の、軽さばかりを追求したあの騒ぎは何だったんだろうと思う。
今の携帯電話を見ていると、デザイン性に優れ、色も様々である。携帯電話が一つのファッション、とする見方も出来よう。これは、10〜20代の若年層をターゲットにしたものであるということが何となくわかる。個性重視の時代にあって、独自色を出す携帯電話を持つということが、ある意味若者達のステイタスとなっているんだと思う。だからこそ、本体にいろんな装飾を施した携帯電話をたくさん目にするのだろう。
例えば携帯電話をビジネスシーンで使うのであれば、サクサク動くゲーム機能や、200万画素を超えるカメラ機能は必要なのだろうか。むしろ、欧米ではごく当たり前に普及しているPDAと一体型の携帯電話が、なぜ国内で浸透しないのか僕は不思議でならない。確かに国内におけるPDAの認知度が低いということもあるし、それだったら携帯電話とPDAをそれぞれ持てばいいじゃないか、という反論もあるだろう。でも、携帯電話に附属しているおまけのようなスケジュールやメモ帳について、どれだけのユーザーがわざわざ別売りケーブルを購入して活用しているのだろうか。それなら最初から、携帯電話にPDA機能を同居させて、PCとのリンクケーブルも同梱してしまえばいいのに、と思うのは僕だけだろうか。販売側も、PDA市場の拡大を携帯電話を通じて進めてみる、という戦略を立てることは、あり得ないのだろうか(それとも、企業にとってハイリスク・ローリターンなのかな)。僕なんかは間違いなく飛びつくんだけど。
ちなみに。
僕が考える、携帯電話購入検討の際の基準。
ゲーム < カメラ < 待受時間 < 軽量 < デザイン もちろんこの順番というのは、人それぞれだと思う。 もし仮に、僕が現在理想としているPDA機能がついた携帯電話が登場するとなれば、150g前後の重量となることだろう。軽さ、という面では逆行することとなり、矛盾してしまうわけだが、携帯電話とPDAをそれぞれ持つことを考えると、それが一つにまとまるのだから、はるかに軽量化が図られるのではないか、と思う。 それと。僕の中では「デザイン」は最重視になっているが、DoCoMoのあの画一的なデザインも、いい加減飽きてきたというのが本音である。もうちょっと過激なデザインの携帯電話があってもいいんじゃないかな、という気もする(それは、全てが若者向けという意味ではなく)。 結局のところ今の携帯電話は、エンターテイメント性を秘めた物が非常に多く、若年層がそのターゲットではないかと考える。そうなると、ビジネスユースに向いている機種は非常に限られてしまうのではないだろうか。もう行き着くところまで行ってしまった感のある携帯電話。実はビジネスモデルというのが、案外盲点なのかも知れない。

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