秋の味覚といえば、鮭であります。
ところでみなさんは、鮭が遡上する姿を目撃したことありますか?川での遡上は結構ニュースなんかで報じられますから、実物を見たことがなくてもテレビや何かで見たことあるよ、という人は多いはず。僕はですね、3年前に仕事していた事務所の管内に流れる河川で、何度も目撃したことがあります。ちなみに河川区域に入ると、鮭の捕獲は制限されることとなり、基本的には漁協が権限を有するということになる、はずです。
私ことですが昨日、久しぶりに「夜釣り」に出かけたんです。といっても、ホントは夕方から。4人で釣りに向かったんですが、まだ明るい空の下、気温がわずか5度という状況で防波堤の突端まで歩を進めていきました。突端に到着すると、我々は思わず息を呑んでしまいました。というのも、当然三方海に囲まれたその突端では、何と鮭の大群が背鰭を水面に出しながら、時折ジャンプして水しぶきを上げているのです。もう、10匹20匹ではありません。ホントにもう、言葉に表せないような光景。
まさかそんな光景を目の当たりにするとは思っていなかったので、当然カメラなんて持っていないし、携帯に付いていたカメラのことすらも忘れていました。
貴重な友人であり釣りの師匠でもあるタガシ先生が、「釣れたらすげぇな」と真顔で竿を振り出すと…。


「き、来たぁ!!!」と絶叫。見ると、1m近くになる鮭の魚体が、海面を縦にバシャバシャと跳ね上がっているんです。
一同口をあんぐり、ですよ。ところが、鮭を針に掛けてしまった友人は、「あの魚は違う!」と。確かに竿の撓り、糸の走る方向は、目の前で激しくジャンプする鮭とは別の方向なのです。結局鮭は、仕掛けを切って逃げてしまったんですが、それを見たその場にいた者(ただし僕を除く)は一斉に色めき立ち、「鮭狙い」に徹してしまったワケです。
ところが鮭も、さすが5年以上荒波に揉まれているわけではありません。これから一世一代の最後の仕事、川への遡上→産卵受精を目前にしているわけです。簡単な疑似餌では、なかなか釣れません。結局、僕も含め全員が鮭のアタック(いわゆるアタリ)に遭遇したのですが、釣れずじまい。
ま、これはこれでよかったんではないかな、と思っています。
その後も鮭の群れは、我々の周りを時折激しくジャンプし魚影を光らせながら、日が暮れる頃まで堤防の周りをうろうろしていました。
結局鮭は釣れませんでしたが、釣果はそれなりでした。ソイをメインに、40センチを超えるアイナメ(アブラメ、アブラコ)が釣れた人もいましたし、全員何かを複数匹釣り上げることができました。
でもやはり、あの鮭の姿を見てしまった我々の意識は鮭の虜になってしまったのか、帰りの車中(ただし午前3時過ぎ)では、鮭を中心とした話題に終始。
凄いですあの光景。ホントに。
ホェールウォッチングならぬサーモンウォッチング。
ちょっと、観覧ツアーでも組んで欲しいと本気で思いました。

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