3年ぶりの釣行


隅一【すみ・いち】 野球で、一回に一点入れただけでその後、点が入らないこと。

てっきり2年ぶりだと思っていたら、実は3年ぶりとなる釣りに行ってきた。ひょっとしたらもう行くことはないのかな、とか思ったけど、思いは通じるものだな、とか思ったり。

事の発端は、土曜日14時頃ケータイに掛かってきた一本の電話。
発信元は、平日教師週末漁師のタガシ先生。むむ…何かあったのかな?
「おう、久し振り。あのさ…いきなりなんだけど明日釣りに行かない?」
突然のお誘いに一瞬戸惑う僕。しかし次の瞬間、「行く!行きます!」と、自分の都合だけで行くことを勝手に決定。
事後承諾を取るため隣で買い物をしていた妻に確認すると「うん、いいんじゃない?行ってくれば?」と快諾。
ということで、約3年ぶりとなる釣行が決定!

家に帰り、部屋に置いてあった竿を取り出すと、これがまた埃だらけ。そりゃそうですよ、3年間まるで使っていなかったんだから。ええと、仕掛け仕掛け…と。あれ?リールはどこへ行ったっけ?
物置に押し込められた仕掛け、リールを見つけ、蓋を開けてみて愕然。
釣り針が…錆びてる。リールが…動かない。

換え針を血眼になって探し、リールには潤滑油を差しまくり、何とか釣りのできる体裁は整った。おお…3年ぶりのライフジャケットもヨレヨレになってるじゃないか。

控えめに小さなクーラーと、一番大事な酔い止めの薬、これも購入してから3年以上経過しているので効くかどうかはわからないが、取りあえず気休めということで用意。

一通り準備を終え、20時過ぎに強引に就寝。うつらうつらではあったが、何とか未明の2時まで眠ることができた。

2時30分。まだ酔っ払いの乗ったタクシーが走る中、暗闇の中に、竿を片手に佇む怪しい人影。
…ハイ、僕です。

タガシ先生は程なくやって来た。挨拶もそこそこに、出発地となる外ヶ浜町(旧:蟹田町)へGO。

途中コンビニに立ち寄り、食料と水を購入。今回お世話になる船がどれぐらい海上にいるかわからないということで、いつもより少し多いかな?というぐらいの量を購入。
でも僕、家からバナナ2本も持参してたんだよね。

出港予定時刻である4時10分前、待ち合わせ場所の船溜まりに到着。今回の船長は僕の同業者であるSさん。直接一緒に仕事をしたことはないのだが、以前電車の中で知人を通じて釣りの話になり、「今度乗りますか?」「ええ、是非。」なんていう社交辞令的会話を繰り広げていたのだ。ちなみに現在も、同じ車両で通勤しているという…。
人のご縁とはわからないもので、そのSさんとタガシ先生の娘さんが中学校で一緒の部活に所属しているらしく、そのことがきっかけで今回の話になった、とのこと。
どうやらタガシ先生は事前に「Sさんと同業の友人と一緒に行く」とメールしたらしく、到着するなりSさん「やっぱりー。」と笑顔。なかなか勘が鋭いです。でも、Sさん確か僕の名前知らないよね(爆)。まあいいや。更にもう一人同業の方を加えた4名で、いざ出港。

東の空はオレンジ色が広がっているが、まだ日も昇っていない。
陸奥湾を疾走する船。Sさん、結構飛ばす。思いの外風が冷たい。いや、日が昇っていないので寒いのだ。もう少し着込んでくれば良かったと、ちょっと後悔。

程なく東の空から日が昇る。

「おお、ご来光じゃないか。」
意味もなく手を合わせる。もちろん釣れますように、そして無事に帰れますようにと願いを込めて。

これまでも何となく釣り好きをアピールしていたが、実は僕、すぐ船酔いする体質。ちょっと白波が立とうものなら、ものの30分もせずにマーライオンよろしく船体にもたれかかる姿を見ることができる。更にその後はひたすら寝て、寝て、そして寝る…。一体釣りをしに来たのかそれとも寝るために来たのかよくわからないぐらい。
ただし、嘔吐と睡眠を繰り返しつつ、その合間におもむろに糸を垂らしてはしっかりと獲物を釣り上げたりするものだから、周囲の人たちは呆れながら「出た!眠り釣法!」といって笑っていた。もっとも、当の本人は釣りも嘔吐もイッパイイッパイで、早く陸に上げてくれることしか願っていないのだけど。

ただし今回は主戦場が陸奥湾である。日本海の波とは比較にならないぐらい穏やか、なハズなのだ。もちろん事前に(効くか効かないかわからない)酔い止めの薬を服用し、更に両腕には「シーバンド」と呼ばれる、酔い止めのツボを刺激するリストまで装着済み。気休めに過ぎないかも知れないが、一応準備は万端なのだ。

さて、旧蟹田町の船溜まりを出港したSさんの船は、気がつくと陸奥湾を北上し、旧平舘村の沖合へと来ていた。
まだ周囲に船は少なく、やはりこの時間だとまだ早いらしい。
「この辺が前、良かったんだよな。」
そう言って仕掛けをセット。
さて、今回の仕掛け、何とエサがありません。糸にジグと呼ばれるいわばルアーを装着して、おしまい。あのウニョウニョしたイソメも、エビも、一切なし。
これを水深10~30メートルのところまで沈ませ、後はひたすらリールを巻き続けると、今回のターゲットである真鯛が、小魚と間違えてガツンと食ってくる、ということらしい。

エサで釣る方法で慣れた僕としては、この3年間で起こった釣法の変化(といっても以前からこういう釣り方はあったようだが)に戸惑い、ホントに釣れるのか半信半疑。
実際、最初のポイントで言われたとおりに仕掛けを放り投げても、誰の竿にも何の反応もない。

ホントに釣れるんだベガ?
ますます深まる疑念。エサ釣りの方がいいんじゃないの?
思えば平舘沖はこれで二度目だが、前回は総スカンを食らい、誰にも何も釣れなかったという苦い思い出がある。

「移動。」
Sさんがポツリとつぶやき、再び船は北を目指す。霧の未だ引いていない遠くには下北半島の仏ヶ浦がうっすらと浮かび上がっている。

「あ…。」
更に北上を続けると、そこには驚きの光景が待ち構えていた。何と、無数の船があちらこちらに停まり、その船からは各々竿を持つ人影が見えるのだ。釣れているから船が集まる。釣れていなければ船は散る。船釣りなんて、そんなものだ。
一体この人たちは何時から釣りをしていたんだろう?時間は未だ5時を過ぎたばかり。完全に出遅れた感がプンプン漂っている。
取りあえず魚群探知機で魚影を探す。すると、20メートル付近に真っ赤な反応。
「ここだ!」

一斉にルアーを投入すると、
最初に反応があったのはタガシ先生。あれよあれよの間に真鯛を釣り上げた。
な、何なんだ?ホントに釣れるのか!?

ルアーで真鯛を釣り上げるという感覚が未だ掴めぬまま、Sさんも後に続き、3匹、4匹と船の生け簀に真鯛が投入されていく。

「のんべ、メバルの釣り方あるでしょ。あの感覚だよ。」
タガシ先生の助言。なるほど5年ほど前まではまっていた夜釣り、メバルを釣るというあの感覚ね…。
仕掛けを落とし、少し早めにリールを巻いてみる。

ガツン!

おっ!アタリが!思わず手を緩めると、タガシ先生が「そのまま巻いて!」とアドバイス。残念ながらそのアタリ一発で無反応だったため、真鯛は興味が失せてしまったらしい。

そうか…何となくわかったぞ。
再び仕掛けを投入。リールを巻き続ける。

…ガツン!再びアタリが!
手を緩めずそのままリールを巻くと、仕掛けがグイッと持って行かれる感覚。エイヤッ!と一気に竿を引き揚げる。
竿先が大きく撓り、リールからジャーッと音を立てて糸が走っていく。

キタッ!キターッ!
遂に念願の真鯛がヒット!約40センチと大きさはそれほどではなかったが、久し振りの真鯛の姿に大興奮!

その後も僕を除いて入れ食いよろしくどんどん真鯛が釣り上げられる中、僕の竿にもようやく2匹目がやって来た。仕掛けを落としている途中で、リールから出て行くはずの糸がピタリと止まった。あれ?と思って巻き上げた途端、リールがジャーッ!

うわわ。フォールの途中でヒットしてたか!
しかも今回は引きが強い。さっきのより大きいこと間違いなし。しばらく駆け引きを楽しんだ後(ホントはそんな余裕なんてないんだけど)、水面に浮かんできたのは50センチ近くの真鯛。しかも、下あごに辛うじて針が引っかかっている状態。よくぞ外れずにここまで来てくれました。
ありがとうございます。3年ぶりの釣行、もうこれだけで十分です。

…と思っていたら、ホントに僕の釣果はこれで終わってしまった。時間にしてまだ6時30分。
結局そこから退屈な時間が延々8時間30分も続いたわけで…(苦笑)。
隅一ならぬ、隅二で勝負あり。

まぁ、イルカの群れがあちこちで泳ぐのを確認したり、霧の晴れた向こうに北海道が見えたり、バカでかいカレイが釣り上げられる瞬間を見たり、船上で食べるバナナが結構美味しかったり、それなりに楽しい釣りではあったんだけど、欲を言えばもう1~2枚釣り上げたかった、かな。
時間の経過とともに白波が立ち始めていたけど、船酔いしなかったのは奇跡だったかも。

結局午後3時過ぎに船溜まりに戻ってくると、Sさんが一言。
「(あまり釣れなくて)残念だったねぇ。」

いえいえ、こうやって釣りに来られたことが僕にとっては凄く嬉しかったし、3年ぶりに釣りをして真鯛を釣り上げられた、それも因縁深い陸奥湾の平舘沖で釣り上げたということがホントに嬉しかったんですね。

聞いたところでは、この日のゴールデンタイムは夜明けの時間帯だったらしく、一艘で100枚ほどの真鯛を釣り上げた船が2艘あったことを聞いた。

まぁ、あまり釣れても困る話なので、これぐらいで良かったのかな。ということでSさんとタガシ先生から、お裾分けというわけではないんだろうけれど、都合5枚の真鯛とSさんが釣り上げたカレイ2枚を頂いた。

帰宅したのは午後6時前。
まずもって妻と母が驚いた。こんなに釣果があったとは思っていなかったらしい。まぁ、僕が釣り上げたのは2枚だけなんだけどね…。
悪戦苦闘しながら真鯛を捌く僕を見かねた母が応援、結局4枚の真鯛を昆布締めにし、1枚の真鯛はオーブンで塩焼きに。更に、鯛のアラで潮汁をこしらえて終了。

どれもこれも、実に美味かったです。ごちそうさまでした(ニヤリ)。


電動リール


三連休初日の土曜日。

「ヒラメを釣りに行きませんか?」という父の友人からの誘いに二つ返事でOKし、遂に念願のヒラメを我が手で釣る日がやってきた!と喜んでいたのですが…。
土曜日未明(2時30分!)に起床。半寝半起きの状態のまま、まだ明らかに酒気帯び状態の父を助手席に乗せ、青森県西海岸の鰺ヶ沢町へと車を飛ばしました。3時40分到着。
今回お世話になったIさんは、父と昔からの知り合いで、しかもその息子さんは私と「同期の桜」なのであります。

というわけで、その息子さんも乗船するということで、父とともにお世話になることになりました。

8名を乗せた船が、朝4時過ぎに出港、まずは漁港からすぐのところで、ヒラメ釣りのエサとなるアジを釣り始めます。
あたりはまだ薄暗く、静寂に包まれ、霧が立ちこめています。

今回、Iさんからは「竿とリールだけ持ってきて下さい。」ということだったのですが、どうやらその辺が上手く伝わっていなかったらしく、仕掛けを何も持ってきていない(万が一のため鯛用の仕掛けだけ持参した)ことを知った途端、先方から半ば呆れられながら、サビキ釣りの仕掛けをお借りしました。

ところが…。
アジの姿はいくら探しても見えぬまま、釣れるのは親指サイズのメバルやアイナメ、そしてカモメも喰わないフグ…。
これではヒラメ釣りにならない、ということで、ターゲットをキスに変更し、ポイント移動。

しかし、ポイントを移動しても、思うように釣果は伸びず、何と船頭からは驚愕の一言。

「キスも釣れないから、今日のヒラメは無理だな。」

え、えぇ…そんなぁ。
何と、時間にしてまだ1時間経っていません。
乗船開始早々、いきなり「ヒラメ釣り」は幻となってしまったのでした…。

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5月24日 小泊沖での釣果


画像だけ送信しておりましたが、今季第1号となる真鯛を釣り上げた今回の釣りは、非常に面白い釣りでした。

弘前市内にある某中華料理店のマスターから遊漁船を借りた畏友T先生に誘われ、4名で釣りに出かけました。
T先生お迎えの車で午前4時30分前に家を出発、途中青森市浪岡にてもう一人のT先生を乗せ、津軽半島北西部にある小泊港へ。
途中、延々と続く濃霧と、前を走る船を積んだ車のせいで大幅に時間をロスし(苦笑)、6時頃ようやく到着、ここで青森市からやってきたGさん(畏友T先生以外は初対面)と合流、早速沖へと繰り出しました。
波の予報は1m。当然船酔い対策は万全にしてきたつもりでした。しかし、何せ若干風邪気味ということもあり、不安を抱えながらの出港となりました。
もちろん狙いは「マダイ」だったのですが、既にシーズンから抜けつつあるらしく、結局真鯛を釣り上げたのは僕のみでした(これ、ちょっと自慢)。
ただ、サイズ的には40センチほどということで、今ひとつ物足りなさの残った感はあったものの、それなりに面白味のある楽しい釣りでした。

アタリは非常に多いのですが、なかなか本命のマダイを釣り上げることが出来ず、船上に焦りの色濃くなってきた頃、ようやくマダイが釣れたのは出港から約3時間経った9時頃のこと。あとで聞いたのですがこの日は、マダイの魚影は相当薄かったらしいです。

水深50mのポイントで、何気なく遠くに放った重さ40gの仕掛けを思い切りしゃくった瞬間、竿がギュウッと撓り、糸が海面に吸い込まれていきました。生まれて初めて陸奥湾でマダイを釣った時と、同じようなシチュエーションでした。
それまで、チダイに遊ばれていた船上は安堵と歓喜の声が湧き、僕自身も今季初マダイということで、ずっとニヤケっぱなし。

しかし、程なく北風が入ってきたことで波が大分高くなり(1mどころではなかったはず)、やむなくその場からは撤退することに。
その後、沿岸の水深15?30mのラインを幅広く攻めまくり、とりあえず「何か釣れる」という釣りを楽しんだのでした。

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