電動リール

三連休初日の土曜日。

「ヒラメを釣りに行きませんか?」という父の友人からの誘いに二つ返事でOKし、遂に念願のヒラメを我が手で釣る日がやってきた!と喜んでいたのですが…。
土曜日未明(2時30分!)に起床。半寝半起きの状態のまま、まだ明らかに酒気帯び状態の父を助手席に乗せ、青森県西海岸の鰺ヶ沢町へと車を飛ばしました。3時40分到着。
今回お世話になったIさんは、父と昔からの知り合いで、しかもその息子さんは私と「同期の桜」なのであります。

というわけで、その息子さんも乗船するということで、父とともにお世話になることになりました。

8名を乗せた船が、朝4時過ぎに出港、まずは漁港からすぐのところで、ヒラメ釣りのエサとなるアジを釣り始めます。
あたりはまだ薄暗く、静寂に包まれ、霧が立ちこめています。

今回、Iさんからは「竿とリールだけ持ってきて下さい。」ということだったのですが、どうやらその辺が上手く伝わっていなかったらしく、仕掛けを何も持ってきていない(万が一のため鯛用の仕掛けだけ持参した)ことを知った途端、先方から半ば呆れられながら、サビキ釣りの仕掛けをお借りしました。

ところが…。
アジの姿はいくら探しても見えぬまま、釣れるのは親指サイズのメバルやアイナメ、そしてカモメも喰わないフグ…。
これではヒラメ釣りにならない、ということで、ターゲットをキスに変更し、ポイント移動。

しかし、ポイントを移動しても、思うように釣果は伸びず、何と船頭からは驚愕の一言。

「キスも釣れないから、今日のヒラメは無理だな。」

え、えぇ…そんなぁ。
何と、時間にしてまだ1時間経っていません。
乗船開始早々、いきなり「ヒラメ釣り」は幻となってしまったのでした…。


次なるターゲットは鯛か根魚か?と一人色めき立っていたのですが、何と、ここから水深120mポイントに向かうというのです。
しかも、モゾモゾと電動リールのセットを始める一同。
あっという間に7台の電動リールと竿がセットされ、仕掛けが用意されたのでした。凄い船だな…。

Iさんはといえば、サンマの半身を包丁で切り身にしています。どうやらこれをエサにするようです。聞くと、「沖メバル」を釣りに行く、とのこと。

それにしてもこの日は、風もなければ波もなく、どんなに沖合に向かっても、全くと言っていいほど船が揺れません。もちろん船酔いの心配は全く無用。むしろ心配しなければならないのは、釣果の方になってきました。

さて、問題の電動リール。
私、自分で電動リールを持っていませんし、電動リールそのものは「魚を釣る」のではなく「魚が釣れるのを待つ」道具だという思いこみがあったものですから、正直電動リールで釣る事を知った時は「エー!マジですかー(涙)」と内心思っていたのですが、いざやってみると、その思いはますます強くなりました。
まず第一のトラブル。いきなり電動リールが誤作動を起こし、竿先が折れました(涙)。
第二のトラブル。10本以上針の付いた仕掛けはよく見ると継ぎ接ぎの仕掛けで、これが他の人の仕掛けと絡むトラブルが2度。波がなかったことが不幸中の幸いでしたが、もしも少しでも波が高ければ、間違いなく船酔いしていたことでしょう。

それにしても、電動リールの釣りはハッキリ言って退屈です。リールの数が一つ足りないので、父と兼用していたのですが、仕掛けをポイント(底)に落とし、軽く巻き上げることぐらいで、アタリがあってもすぐに竿を上げることはせず、しばらく放置プレイ(他の針にも魚が掛かる可能性があるので)。
で、あとは適当にポチッとスイッチを押すと、勝手に船べりまで糸を巻いてくれるので、後は仕掛けに魚が付いているか確認するだけ。
もちろんエサだけ取られている針もあるので、その都度サンマの切り身を仕掛けにセットするのですが、結局12時過ぎまで粘って、釣れたのは沖メバルが3匹と、ホッケとガヤが1匹ずつのみ。
まあ、風も波もなければ、潮も全く流れていない状態でしたので、それ相応の覚悟は最初からしていたのですが、こうなると退屈極まりないことこの上なしなのです。

結局120mラインでの釣りも諦め、魚礁があるという40mポイントへ。

ここなら何か釣れるだろう、と期待を寄せていたのですが、イソメを使った普段と同じような釣り方でも、誰の竿にもアタリは全くなく、結局13時30分にタイムアップとなったのでした。

誘って下さったIさんは釣果が伸びなかったことに恐縮しきりでしたが、釣りをしているとこういう事もあるということで、また近いうちにリベンジすることを約束し、陸に上がったのでした。

それにしても、電動リールを使った釣りは、もういいかな…。
あれはやっぱり自分の手で「魚を釣る」というより、機械で「魚が釣れるのを待つ」といった印象がますます強くなりました。
ああ、ヒラメの姿を拝むことができるのはいつの日やら…。

Leave a Reply