前例踏襲とフグの文化

4月2日は職場の新年度開始日。
朝、上司から訓示があり、その中で、前例踏襲とフグ文化についての話が提供された。

以下、備忘録。

お役所というのはとかく前例主義であり、前例重視の傾向にあるのが実情。しかし、先人が築き上げた前例を単に踏襲すれば良いというものではない。自分なりに前例を解釈、理解し、それが理に適った内容であると判断するのであれば、そのまま踏襲すればよい。要するに、その前例が効率的かどうかという判断をしていかなければならない、ということ。
フグの文化というのは、先人が前例を踏襲あるいは改善したからこそ今がある。そのことを心に留めて1年間取り組んで行こう。

フグの文化。
ふぐ料理は明治時代まで日本では禁止とされていた食べ物だったが、初代首相の伊藤博文が偶然ふぐを食したところ、その美味さに感動し、ふぐ料理が解禁されたとのこと。

今でこそフグを食する文化は一般的となっているが、ここに至るまでは、当然先人から受け継がれた礎があったはず。
伊藤博文は難なくフグを食したが、フグを食して命を落としてしまった人もいただろうし、そのことを契機に、フグが有する猛毒の研究もなされただろう。そして、どうすればフグを安全に食することができるかという技の熟達。そういった積み重ねが現在に脈々と受け継がれていることだろう。

しかし元を辿れば、禁止とされていたフグ料理を食べるというタブーを犯した、つまり前例を破ったからこそ今フグを食することができるという状態が構築されている、といってもいいのかも知れない。

だから、前例というのは、遵守していればそれでいい、というものでもないということか。前例を破ることで、大きく道が開けることだってありうる、ということだ。もっとも、ハイリスク・ハイリターンであることは否めないけど。

さて、この職場に来て3年目に突入。大学を卒業して今の職種に就いてから20年目という節目を迎える。いわばデビュー20周年の年、ということだ。…記念のイベントは特に予定していないんですが(笑)。

昔は新しい物好きで、何か新商品や新サービスが登場すると、すぐに試してみたくなる性分だったが、30歳を越えたあたりから、あまりそういう冒険もしなくなったし、40歳を越えるとどちらかといえばむしろ堅実さを追求する側に回っているような気がしなくもないが、仕事面では、如何せん前例のない仕事を自ら構築するという体験をさせて頂いており、たった1~2年前に自分で作り上げた前例を見ては恥を掻き、改善に繋げていくという日々。まだまだ修行が足りないということ、かな。

今年度も引き続き新公益法人制度の業務をメインに携わることとなるが、恐らく昨年度の比ではないぐらいいろんな相談や申請が舞い込んで来ることだろう。大量の業務に翻弄され、業務を疎かにした結果、仕事の内容が「肝試し」にならないよう、また、間違えても「毒」にアタらないよう、慎重かつ大胆に仕事を進めていきたいと思う。ああ、気の毒に…なんて言われないようにしないと。

平成24年度はある意味、勝負の年なのかもね。…あ、毎年度同じことを言っているような気が(苦笑)。

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