蓮の花

ここ1ヶ月ほどの行動を振り返っている時に、ふと思い出したことがあった。
父が亡くなったその日、僕たちはちょっと奇妙な行動を取っている。

妻と外出し、昼食を取った後で、ふと無性に行きたくなった場所があった。

それは、弘前市の隣、平川市にある「猿賀神社」というところだ。

この神社の隣にある池(その名も「鏡ヶ池」)では毎年7月下旬頃になると、蓮の花が綺麗に咲き誇ることで知られている。
僕の方からは「猿賀神社に行こうか」ということを口にしなかったのだが、何故か妻の方から「猿賀神社に行ってみたい」と言い出した。

(何で同じ所に行きたいなんて思ったんだろう)

そんなことを考えながら、車を走らせた。
この神社を訪れるのは、僕自身約25年振りで、妻は初めてだという。25年も前の話なので何があったかも忘れてしまったし、どういう風景だったのかも全く覚えていなかった。

とりあえず本殿に参拝し、その後、隣接する鏡ヶ池へ。ちょうど翌週に大祭が行われるらしく、施設の修繕などが行われていたが、蓮の花はとっくに時期を過ぎ、葉っぱだけがボウボウと伸びきっていた。

そんな中にあって、綺麗に咲く蓮の花を2~3個発見。
携帯のカメラで画像に収めようと思ったが、こんな時に限って電池切れを起こしていた。まあ、それはそれで良かったんだと思う。
もう一度瞼に焼き付けるという意味でも、見頃を迎えた頃にもう一度行かなきゃならないような気もするし。

父が亡くなった直後に、いろいろ相談に乗って下さる方の所にお邪魔をした時、「今日、猿賀様の大祭だよ」と言われて、正直ドキッとした。

そうか、あの時何かに導かれるように猿賀神社に訪れたことは、ここに繋がっていたのか…。

いや、単なる偶然といえば偶然。
でも。何故それまで興味も湧かなかった「蓮の花」を、わざわざ見に行こうと思ったのだろうか。
そう考えると、何となく必然でその場を訪れたような気が、しないわけでもない。

多分、あの日あの時二人で「蓮の花」を見に行ったことに、深い意味があるんだと、今は勝手に思いこんでいる。

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