「惑星地球」の味

間もなく発売される某P氏の最新アルバム「Planet Earth」を全曲聴き通すことができた。
これは、P氏に限ったことではないのだが、彼の作品は「ラーメン」だと思う。

ラーメンというのは好みが千差万別である。
鶏ガラ系のスープが好きな人もいれば、魚介系(煮干し系)のスープが好きな人もいる。豚骨が一番だという人もいれば、味噌がいいという人もいるし、太麺が好きだという人もいれば、細麺が好きだという人もいる。

つまり、万人が「これだけは絶対に美味い!」と言い切れるラーメンは、まずあり得ないということだ。

もう一つ。ラーメンの店主は、自分の匙加減一つで味を決めることができるし、自分の味に絶対の自信を持っている。
だから、来るもの拒まず去る者追わず。
客の好みにいちいち合わせてラーメンを作る店なんぞ、まずもって長続きしないことだろう。

とことん追究すれば、どんな料理よりも奥深いのも、「ラーメン」の魅力の一つ。

そんなことを考えると、P氏は、さながら有名ラーメン店の店主だ。


しかし、どんなに有名になろうとも、絶対手抜かりはない。そんな店主だからこそ、古くからの固定客が多いのだろう。

さて。
前作「3121」は、そんな古くからのファンのみならず、新たなファンをも掴む、そんな万人受けに近いような「ラーメン」だった。評論家やマスコミはこぞって絶賛し、彼の「復活」を讃えた。

待てよ。

この店、いつ没落したっけ?
確かに一時期の改名騒動やらいろんなトラブルがあっても、この店主の「味」だけは一貫して筋の通っていたものだったハズだ。

つまり、一時的な流行ばかりを追いかけているファンや評論家が彼の元を離れていただけであり、彼は「のれん」を一度も下ろしていないし、固定客はずっと彼の味を楽しみにしていたハズだ。

前作「3121」という絶妙な味覚を持った作品は、見事に万人受けの対象となった。そして、これにより、再び一時的なファンがドッと押し寄せた。

でも、古くからの固定客は知っている。
このような現象は、一過性に過ぎないということを。そして、一時的なファンや知ったかぶりの評論家は、前回以上の味を求める余り、過度の期待を寄せ、そしてその期待が裏切られたと知るや、手の平を返したように冷徹な態度を取ることを。

「3121」は、最初の一口がとてつもなくこってりしていて、でも中は意外とあっさりということで受けが良かったが、今回の「Planet Earth」は、どういうテイストでみんなの耳に届くのだろう。

ちなみに。僕が全曲聴いてみた感想を一言で言うと、「嫌いじゃない」。
こんな感じだろうか。

イヤ、これだと印象がよくないので、「悪くない」。

大して変わらないか(笑)。
いずれにせよ、「3121」ほど派手さはないものの、綺麗に味がまとめられている。さすが職人。

「3121」もかなり好きなテイストだが、今回の「Planet Earth」についても、(周囲の評価以上に)好印象だ。そうだな…邦題にもあるような、神秘的な雰囲気も醸し出しているのかな。そんな大げさでもないか。

好き嫌いや評価は二分されそうだが、僕ならこの作品、何杯もいけそうな気がする。

「惑星地球」の味」への5件のフィードバック

  1. てつ

    残念ながら僕は彼のアルバムの中ではワーストに近い印象を持ちました。
    あっさりしていて、油ギトギトが好みの僕には物足りないですねw

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  2. nonvey

    表現として適切かどうかわかりませんが、「上品な味」ですよね。まぁ、こういうのもアリかな?と思ったんですが…。
    ところで、看板娘だったT嬢は、何処へ?

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  3. Rave Un2 The Joy Fantastic ! 2号

    Planet Earth / Prince

    まあ大変。
    捨て曲が一曲たりともないYO!(久しぶりに)
    やばいなあ、うっかり涙出ちゃったよ。
    これから毎晩聞くよ、絶対に聞くんだよ。
    そりゃ聞…

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  4. mayte

    え?!マジですか?!!
    私は大好きでしたw
    あまりに好きだったので、久々にTB送らせていただいちゃいましたw
    『あっさりとんこつ醤油』って感じかしらw

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  5. nonvey

    俺も好きですよ、この作品。結構好みの人が多い中、苦手な人はとことん苦手みたいですね。

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