古いタイプの酔っぱらい

昨日は、僕が13年前に新採用として今の仕事に就いた時からずーーーーーっとお世話になっていた方の結婚式でした。会場に行って初めてわかったんですが、新婦さんも知っている方でした。
「交際していたの隠してたんだー!」みんながビックリしてました。
非常に温かな雰囲気に包まれた披露宴が終わり、二次会突入。
ここで、とてつもなく古いタイプの酔っぱらいと遭遇してしまいました。


大声でわめき散らし、人が唄っているカラオケのマイクを奪い、若輩にはとことん暴言を吐くタイプ。わかります?僕、こういうタイプが一番苦手。
その方に関しては、噂を耳にしていたのですが、実際動く姿を見たのは初めてでした。
もちろん向こうも僕のことなんか知らないわけで、当然「お前、どこの誰だっ!」って事になるわけですよ。まぁ、他にもっと偉い方もおりましたので、軽めの自己紹介を済ませたのはいいんですが、「どこの誰だっ!」って聞いた本人が全く聞いていなかったんですね(苦笑)。
ま、そんなことは別にどうでもいいんです。
どうやら他の皆さんは、その方の酒癖の悪さというのを知っているらしく、その人が移動するとみんながその逆に移動するといった感じで、ほとんど周囲には誰も人がいなかったんです。
で、気が付くとその方は私の真ん前におりました。ワハハ…(汗)。
1R。
「おいっ!おいっ!」
まーホントに賑やかなオッサンなんですが、誰も相手にしないものですから、僕をターゲットにしてきたんです。このとき、既に泥酔状態…。
(うるせーオヤジだな…)内心そう思いつつ、ガッと目を見開いて、「何でしょう!」とオッサンの目を見たんです。かなり眼力込めてました。
徐々に顔が近づいてきますが、僕もこの性分ですので(笑)目を外すことはしません。
「ちょ、ちょ、ちょっと待て待て。マカちゃん、落ち着け落ち着け。」
隣に座っていた方のブレイクが入ります。
「あ、大丈夫ですから(笑)。結婚式の二次会を壊すような事はしませんよ。」
といいつつ、実はこの時点で一気に酔いが醒めました。それにしても何だ?このオッサンは?
隣に座っていた人も、すっかり酔いが醒めちゃったみたい(ごめんなさい)。
2R。
オッサン再び「おいっ!おいっ!お前、俺の目を見ろ。おいっ!」
今度は手をさしのべて来ます。
渾身の力を込めてガッと握り返してもよかったんですが、それも大人げない対応だと思い、両手でそっとその人の手を包みながら、再び目を見たんです。今度は眼力は込めませんでした。
「ス、スマンな。俺、酔っぱらって#%=?!$〜(何言ってるのかわからず)」
僕は「ハイ。ハイ。」としか応えません。
この時、何とこのオッサンは、僕の手の甲をベロリと舐めたのです!!!!!!!
僕の眼力と握る手に力がこもった瞬間、再びブレイク!
そこへ着替えを終えた新郎新婦が到着。
一緒に新婦の友人が3名入店。
オッサンの興味は、一気に新婦の友人に注がれることに。
3R。
オッサンは、新婦友人の隣に座り、ほとんどセクハラと思しき行動を取り始めたのです。さすがに見かねた周囲の人が割って入り、事なきを得ましたが、端で見ていても情けなるくらいのオッサンの哀れな姿に、皆さんもほとほと呆れ果てていました。
「おい!こら!何見てるんだ!あ?」
「いえ。別に。(キッパリ)」
あえて目を外し、他のテーブルへ移動。オッサンの周囲は、新婦友人を守るための包囲網が形成されていました。
4R。
ところが、ふと気づくと、オッサンは僕の隣にいました。
「おい!おい!飲め、こら!」
何と、ウィスキーをボトルごと差し出し、空になっていた僕のグラスになみなみと…。
(あー…ウィスキー苦手なんだよな…どうしようかな…)
座った目が、僕の顔を凝視しています。「飲め!こら!あ?」
(ま、いっか)
グビッと一口。うわっ!きっつー!
再び瓶に手をかけ、ウィスキーをグラスに注ごうとするオッサン。
「ちょ、ちょっと待てやおい!飲んでるんだよこっちは!ふざけんなこら!」
ブチッと血管が一本だけ切れちゃいましたので、オッサンに思わず暴言。
まぁいいや。どうせ酔っぱらい。何言ってもわかんないだろうし。
そこへ新郎がやってきました。
「アハハ。大変だろ。ごめんなー。」
(そうですよ、ホント…と思いつつ)「いや、気にしないで下さい。でも、凄い人ですね(苦笑)」
「まあなー。俺、家まで送っていった方がいいかなぁ。」
「いやぁ、今日は主役なんですから、そこまでする必要はないと思いますよ。」
ふと時計を見ると19時前!おお!7時間近く飲みっぱなしじゃないか!
「すいません、俺そろそろ弘前に戻ります。」
「おお、そうか。今日はありがとうウゲッ..!」
見るとオッサン、新郎の首を絞めていやがる…。
「こらー。俺と踊れー!!」
5R(最終ラウンド)。
「…。」
僕はこの時点で完全無視。
ところがオッサン、僕が立ち上がった瞬間、新郎から僕にターゲットを変えてきやがった。
一瞬首を絞めかけられましたが、状況に気づいていた新郎がブレイク。
「すいません、それじゃ帰ります!」と周囲の方々にも挨拶を済ませたところ、今度は蹴りを入れようとしやがった。
蹴りをかわしたところで、2本目の血管がブツッ。
思わず手が出てしまいました…。
ペチーンといい音を立てておでこを叩いてしまったのです…。
「オッサンも早く帰って寝ろ!」
周囲は何故か大爆笑。オッサン、その場にしゃがみ込みます。そんな痛がるほど強く叩いてねーよ。
「それじゃ失礼しまーす!」
新郎新婦が店の前までお見送りに来てくれました。
背後からは、オッサンの「バカヤロー」の声(しかもなぜか涙声)。
で、青森からは特急に乗って弘前まで戻ったのですが、車内ではすっかり爆睡。弘前が終点だったのが幸いでした。
見知らぬ人に起こされちゃった…。オッサンのストレートウィスキーが効いてましたな。見事TKOされました。ハイ…。

4 thoughts on “古いタイプの酔っぱらい

  1. ちゃき

    おっもしろーぃ。
    涙目になって読みました。
    本当にいるんですね。そういう人。
    しかもすっごく蒔さんターゲットにされてるし!
    ブハハ。
    そう言う人には会いたくないものですがこういう仕事しているとごくまれにあるでござる。

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  2. nonvey

    この人、もちろん同じ仕事している人です。あ、でもちゃきちゃんもよーく知っている「あの人」ではないです。まぁ、俺はあの人のお陰で免疫が出来ているからね(笑)。
    大きくなっても、あんな大人にならないように気をつけようと思いました(笑)。

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  3. ちゃき

    「あのひと」を想像して読みました。
    ぷぷぷ
    ちゃきも気をつけます。

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  4. nonvey

    「あの人」は、今も変わらず…らしいです。階も棟も違うので、あまり見かけなくなりましたが、時々ヤニ部屋(喫煙室)に入っていく姿を見ます。
    僕も気をつけよう。

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