拝啓 ○○様

先般、私の好きな(過去形ではありませんので念のため)アーティストに関するニュースが出ていました。
1年6ヶ月+2年=3年6ヶ月を、塀の中で暮らすことになったそうです。
涙ぐみながら待ちます。みたいなファンが多いように見受けられるのですが、僕には到底そんな感情はわき起こらなかった。
あえて辛辣な言葉をぶつけたいと思うのですが、よろしいでしょうか。



…それにしても、何たるやこの甘やかされたぬるま湯のような芸能社会。罪を償ったあと一定期間を経ると、再び第一線に復帰できるというシステムというのは、実に特異であります(事実、NもMも第一線で活躍しているし)。それとも、そうやって第一線に復帰することが一種のリハビリなのでしょうか。
我々一般社会に生活する人間が同様の罪を犯した場合、社会から隔絶され、社会的地位や名誉のみならず、家族や財産その他全てを失いかねないのです。
もっとも、我々のような「一般人」と、著しく芸に秀でた「芸能人」を天秤に掛けること自体が、ナンセンスなことなのかも知れませんが。
更に衝撃を受けたのが、彼からファンに寄せられたメッセージの内容です。
「そして今みんなに伝えたいことがあります。
今 すぐ聴いて欲しい、聴かせたい曲が現時点少くとも86曲あるのです。
(未発表ということです)。
そして、それらの曲は1秒でも早くみんなのもとに聴かせたくてウズウズしてるのです。
これらの言葉がふきんしんに感じられたらごめんなさい。
でも本当のことなのです。」
(※このメッセージを、ご自身のHPに掲載して下さった越前屋さんには、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。)
何なんですか?この86曲というのは。今更何を言い出すんでしょうかこの人は。これを不謹慎といわずして、何というのでしょう。こんなことをこの期に及んで伝えたところで、どうしろというのでしょうか。確かに、素直で正直な今の思いを綴った言葉でしょう。しかし、「でも本当のことなのです。」という一種の開き直りにも取れるような発言は、一体どういう気持ちで発せられた言葉なのでしょう。たったこの一行で、全て興醒めしたような思いでした。
ファンの多くはこれを読んで涙が出たと言うけれど、僕はこれを読んだら、怒りや憤りといった類の感情を覚えました。当然でしょう?これから3年6ヶ月を塀の中で暮らすというのに、1秒でも早く聴かせたい?ウズウズしている?ふざけるな!と声を大にして言いたい。
私が怒りを覚えているのは、これだけではありません。少なくとも過去に一度逮捕された時点で、彼はファンを裏切っています。しかしそれは公にはならず、それをひた隠しにして彼はまた表舞台に現れました。ひょっとして、表沙汰にならなければそれでいいや、そんな気持ちではなかったのでしょうか。それが、今回の逮捕劇に繋がってはいないか。むしろ、最初の犯罪の時点で、公にして欲しかった。誰かもっと早く、彼を救えなかったのでしょうか。
更にもう一つ腹立たしいことがあります。裁判の陳述で、「薬物撲滅のために歌を唄う」といった類の発言をされたそうですが、果たしてそれは、本意なのでしょうか。というか、そんなことは誰も望んでいないと思いますし、そんなことをしたところで罪滅ぼしになるなんて考えるのは、あまりに短絡的で安易です。
「イケナイコトカイ」なんて唄っているくらいなら、それが「イケナイコト」だって気づかなかったのか?この大バカ野郎!もっと犯した罪のことを反省しろ!
…怒りはこれくらいにします。僕も、ずっとずーーっと腹に溜まっていたわだかまりを全て吐き出し、幾分スッキリしました。
でも、僕は敢えて「待ちます」なんて言いません。そんな軽々しいこと、口が裂けても言えません。
ただ、いくつかお願いがあるのです。
どうか罪を償って下さい。罰を受けて下さい。そして今後、一切の過ちを犯さぬように更生して下さい。もうこれ以上、ファンに苦痛な思いをさせないで下さい。
それが、これから「やるべきこと、やらなければならないこと」だと思うのですが、いかがでしょう。
SやTのような落ちぶれた人間になって欲しくないから、そう願うのです。
どうか今一度、自分と向き合って下さい。現実逃避しようとしないで下さい。そうすれば、自ずと答えは見つかるはずです。それが、僕からの願いです。
これから寒くなりますが、どうかご自愛下さい。それでは。

3 thoughts on “拝啓 ○○様

  1. けいこりん

    いろんな意見があってしかるべきだと思います。
    ファンの中にはnonveyさんと同じような意見の人もたくさんいるでしよう。
    ここに書かせてもらっていいのかどうか・・・不適切なら削除してくださいね。
    私は、まだいろんな想いが交差しすぎて一ファンとしてどのような考えを持っていいのか分からない、というのが現状です。
    いろんな意見を耳にしたり目にしたりします。
    どの意見にも同意する部分と、そうでない部分があります。
    全く同意見の人なんていないのかもしれません。
    そして到った自分なりの結論?は「意見がまとまらなくってもいいんじゃないか」ということです。逃げているのかもしれませんが・・・。
    なので、ハッキリ「自分はこう考える。」と言い切れるnonveyさんが少し羨ましく感じました。

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  2. こう

    すごく的確な意見だと思う。怒って当然。
    私も深澤さんの気持ちを考えたら『86曲だと〜』って怒りは出ました。←これも充分勝手な意見だけどね。
    どれだけ周りのスタッフが悲しんだかと思うとたまらないです。

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  3. nonvey

    改めて読み返してみると、僕も結構感情にまかせて書き殴った感がありますね。何せ一個人の勝手な意見ですから、ひょっとしたら不快な思いをさせたかも知れません。申し訳ございません。
    実は、僕自身も今ひとつ自分の中で消化し尽くしていないような感覚です。第一報を知った時は、何せ出処元がナニだったものですから、「またキッツイ冗談だなぁ」くらいにしか思わなかったのです。ただ、それが誤報ではないと知った時、彼に対して急激に距離を置いてしまったというか、一気に退いてしまったというか。
    しかもファンの間には、罪を犯したことを咎めるどころか彼に対する「同情」みたいな空気が流れていたのが、僕には考えられなかった。その陰で、どれだけの人たちに迷惑を掛けるのだろう、そのことは彼は理解しているのだろうか、ってね。やってしまったものは仕方ない、とは言っても、2度目ですよ2度目。どうして誰も止めることができなかったんだろうな、って。何かそう考えたら、無性にやりきれなくなって、その怒りの矛先は彼に向けるしかなかった、という顛末です。
    元々アルバムリリースに関しては、(スティービー・ワンダー並みに)インターバルの長い人だったから、服役期間なんてへっちゃらだよ、なんて嘯くファンの発言も、よくわからないですね(とっても醒めた言い方ですが)。だって、思い切った制作活動も出来ない中で、じゃぁ服役を終えて出所したときに、すぐに何らかの曲を発表できるかっていえば、そんなに甘いもんじゃないと思うんですよ。
    まっとうな人間として出直して欲しい。そのためにも、犯した罪の重さを認識し、ちゃんと刑に服して更生して欲しい。今は、それを願うだけです。86曲なんて話は、服役を終えた後でいいのです。
    なんかまたネガティブな方向に向かっているみたいですね。すいません。彼の全てを否定するつもりは毛頭ございませんのでご勘弁を…。

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