福の湯

「がきデカ」が実写版になったら、こまわり君の役は、絶対に寅さん(渥美清)だろうと幼心に決めつけていたnonveyです。そんな寅さんがこの世を去ってから、もうすぐ10年。早いものです。
さて、7月です。一年の折り返しとは言いますが、仕事のことを考えると「年度」で動いていますので、まだ4分の1。折り返しには程遠いかな、といった感じです。
今年前半は、何だか腑抜け状態といいますか、とってもだらしない日々を過ごしてしまったような気がします。ちょっとだけ反省。


僕は幼い頃、家の近所にあった銭湯「福の湯」で、「男はつらいよ」の映画のポスターをみてはその読み方がわからず、渥美清の顔を見ながら、これは「男、はつらいよ(otoko,hatsuraiyo)」と読むんだと信じて疑いませんでした。寅さんのポスターはしょっちゅう見かけていたのですが、確か銭湯を利用しなくなる前後に見たポスターに、「スニーカーぶるーす」が紛れていたことを記憶しています。
そして湯上がりの一服は、イチゴ牛乳にするかコーヒー牛乳にするかタマゴアイスにするか頭を悩ませていたのでした。
懐かしい思い出の詰まった「福の湯」は、周辺住民の「憩いの場」であり「情報発信基地」だったのですが、家屋に風呂が設置されていくとともに客足が遠のき、いつの間にやら「仏前専門」の花屋に変身してしまいました。思えば、うちの近所半径300mの範囲には、何と4軒の銭湯が建ち並んでいたのですから、「銭湯天国」だったのかも知れません。
僕が住む町の名は「新寺町」。僕はお寺の関係者ではありませんが、家の向いには多くの寺院が建ち並びます。うちのトイレからはお墓が見えますし、小学校に通学する時の近道は、裏道ではなく墓地でした。さらに私こと、自宅周辺で数々の奇妙な霊体験を経験しております。
「福の湯」に関しては、そんな新寺町のほぼ中心部、寺院街の向いにありましたから、「仏の湯」だったらもっと賑わったかも知れません(笑)。「仏」違いで「あそこのお湯はエビアン使っているらしいよ。それも、掛け流しらしいよ」なんてガセネタが飛び交ったりして。
ちなみに、銭湯4軒はいずれもなくなってしまいましたが、新寺町の通り沿いには、今もなお「仏前専門」の花屋だけで4軒(うち1軒は不定期営業)もひしめいています。しかも、それなりに売上げを上げているようです(だからなくならないのでしょう)。これも時代の流れなのでしょうか…。

コメントを残す