KYOSUKE HIMURO 21st Century Boowy VS HIMURO/ 氷室京介

かれこれ3ヶ月近く、お気に入りで聴いている作品があります。
通勤電車の中で、1週間に一度は聴いているかも知れません。
以前、(BOOWYの元ギタリスト)布袋寅泰が「Greatest Hits」ツアーというのを敢行した時、青森での公演を観る機会がありました。この時布袋は、BOOWYやCOMPLEXの曲を一瞬だけ披露する、という業をやってのけたのです。それはそれで非常に盛り上がったし、そういう意味では、未だBOOWY復活を信じて止まない信者がいるんだなぁってことを、改めて感じた次第でした。
その後、そのツアーの模様はCD化されましたが、結局これらの音源は収録されませんでした…。
他方、BOOWYのボーカルとして君臨した氷室京介の、04年8月22日に東京ドームで行なわれた一夜限りのライヴ。氷室がBOOWYの曲を演るということで、チケットは即ソールドアウトだったそうで。


ソロ15周年のスペシャルライブってことでしたが、うーん…これって氷室京介の名前だけでは客入りも頭打ちだからなのかなぁ、と率直に思ってしまいました。
ライブの模様はWOWOWでも放映され、公演時の全曲とインタビューを収録したDVDも発売されました。WOWOWでその姿を拝み、その中で短いインタビューも聞くことができましたが、彼がDVDにも収録されたインタビューで「自分の曲がこんなにやりにくかったのははじめて」と漏らしていたのは、結構有名な話です。
そのDVDと同時発売されたCDを今回はレビュー。
確かに結論から言うと、この作品における氷室個人の曲は、いわば刺身のツマみたいなものでした。それだけファンは、BOOWYの曲が始まると共に熱狂し、その様はまるで、今まで見たことのない花火を見たときのような、そんな歓声にも聞こえました。この作品を聴いているだけで、観客が歌い狂う様が目に浮かんできます。その一方で、氷室のソロの曲が始まると、それなりに盛り上がる曲もあったものの、特に最近の曲になるほど静寂感が増しているような印象を受けました。結局のところ氷室は、BOOWY解散→ソロデビューの頃が絶頂期だったのでしょうか。確かに最近の彼を見ていると、かつてのようにチャートを賑わす機会も減っているような気がします。
しかしそれは、(確かにマンネリ化は否めませんが)彼の楽曲のレベルが下がったからだというわけではないでしょう。むしろ、レコード会社を転々としたことで、満足なプロモーションがされなかったことが一つの要因かも知れません。更には、BOOWY時代から在籍していた東芝による、CCCDの影響もあったのかも知れません。
紙ジャケ、リマスターというファンには垂涎モノの作品であるにもかかわらず、CCCDというレッテルを貼られた円盤に飛びついた人達は、どれくらいいたのでしょうか。
まぁ、今はCCCDを非難している場合ではないですね。
ところでこの作品は、非常に音が良いです。国内アーティストのライブアルバムとしては、五本の指に入れたい、いや、今まで聴いた中では一番かも知れません。東京ドームという「劣悪な」環境で行われたライブにもかかわらず、非常に臨場感の溢れる素晴らしいサウンドだと思います。適度に抑制された観客の声、会場内に響く氷室の声、そしてサウンド。ドーム特有の音の「跳ね返り」もかなり抑えられています。でも、完全に抑えられたわけではないというのがまた、いい感じを醸し出しています。ヘッドホンを通じて聴くと、その臨場感はさらに増すこととなります。
本人は「やりにくかった」とは言っていましたが、彼は間違いなく楽しんでいます。会場の雰囲気も、BOOWYの楽曲も。それが、ジンジン伝わってきます。それまで溜まっていた鬱憤を、一気に吐き出すかのように、惜しみなく歌い出されるBOOWYの楽曲、そして氷室京介の楽曲に、電車の中だということを忘れて思わず口ずさんでしまいます。
私は熱狂的なBOOWY信者でも氷室ファンでもないんですが、この作品を聴いて氷室ってスゲェなって思ってしまいましたよ。昔と比べて声量も落ちていませんし、むしろ円熟味を増したような、そんな感じです。それでいて、BOOWYの頃の疾走感も感じることができるなんて、ハッキリ言ってこんなお得なアルバムは滅多にお目にかかれるものではありません。所詮ライブ盤とタカをくくっていましたが、個人的には、MD一枚が壊れるくらい聴き惚れてしまいました。
東芝からの発売ですが、CCCDの心配は杞憂です。
これでゲストに布袋が参加したら大変なことに…なーんて、今はあり得ないでしょうね(笑)。

KYOSUKE HIMURO 21st Century Boowy VS HIMURO An Attempt to discover new truths
氷室京介 松井五郎

DISC1
01. OPENING
02. B・BLUE
03. ROXY
04. RUNAWAY TRAIN
05. WILD AT NIGHT
06. JUSTY
07. Claudia
08. LONGER THAN FOREVER
09. BLUE VACATION
10. B・E・L・I・E・V・E
11. WELCOME TO THE TWILIGHT
12. MEMORY
13. ROUGE OF GRAY
14. Weekend Shuffle
15. NATIVE STRANGER
16. Wild Romance
17. EMPHATIC LINE featuring DAITA

DISC2
01. VIRUS
02. LOVE SHAKER
03. GIRLS BE GLAMOROUS
04. TO THE HIGHWAY
05. DOWN TOWN SHUFFLE
06. BEAT SWEET
07. RENDEZ-VOUS
08. ONLY YOU
09. IMAGE DOWN
10. GONNA BE ROGUE?
11. ANGEL2003
12. Marionette
13. DREAMIN’
14. NO.NEW YORK

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