自分の論文に対する批評

そういえば、去年まで大学院に在籍していた私、こちらで修士論文を披露するということを考えながら、すっかりそのことを忘れていました。今更ではありますが、修士論文を掲載します。
この論文を書き上げたのは一昨年の暮れです。私は、この論文を携えて今の職場に配属となったわけですが、ハッキリ言って何の関連もない職場です。そのことは、個人面談の際に上司からも言われました。かといって別に腐っているわけではありませんし、与えられた職務は全うしなければならないと(当然のことながら)思っています。


私がこのテーマを取り上げようと思ったきっかけは、様々な自治体が猫も杓子もアウトソーシングと騒ぎ出していたことにありました。大学院に派遣される前に、「(今はなき)政策形成推進調査研究プロジェクト」なる舌を噛みそうな名称の、若手中心の研究グループに参画する機会を得、そこで取り上げられたのが「アウトソーシング」でした。この時点で、既に一部自治体ではアウトソーシングが導入されていたのですが、どうも研究を進めていくうちに「これはアウトソーシングなのか単なる委託なのか」という壁にぶち当たったのです。それを解明すべく、大学院にていろんな自治体の現状を検証し、行政における「アウトソーシング」の本質を見出そう、ということで取り組んだのでした。
2年の大学院在籍期間のうち、実質1年間をこの論文作成に向けました。改めて読み返すと、何度も壁にぶつかり、出口のないループに陥ったことが思い出されます。
しかしながら、この論文が私にとって、大学院在籍の証、集大成だとは思っていません。仮に点数をつけるとするなら、100点満点で、この内容は30点程度でしかないと思います。
引用、参考文献が非常に少ないということも指摘されました。
確かに、読んだ本の量が少なく、文献集めもあまり積極的ではなかったような気がします。そういった意味では、入り口から間違えてしまったのかも知れません。ただし、行政におけるアウトソーシングの研究や文献が少なかった、ということも事実です。
かといって、無下に否定される内容でもないと思っています。特に物書きが苦手な私が気を遣ったのは、読み手にとってわかりやすい文面であるか、ということでした。そしてこの論文は、同じ立場にある職員の方々にも読んでいただきたいと思っていますし、一般住民の方々にも一読していただき、ご感想を賜ればと思っています。図表やグラフを多用したり、横文字ばかりの論文も、書こうと思えば書くことができたかも知れません。しかし、それでは私にとって身に付かないと思ったのです。
今更アウトソーシングといわれても、といった感も否めず、思えば構想を立ち上げた時点(つまり4年前)で、既に時遅しだったのかも知れません。この論文を書き上げるに当たって、一番苦労したというか戸惑いを感じたのは、一私人の立場としてこれを書き上げるか、「派遣」ということで背負っている公人の立場で書き上げるか、ということでした。その迷いが如実に論文にも現れており、改めて読み返してみると、私人として深く追究しようとしながら、公人として当たり障りのない妥協点でまとめてしまおうという文脈が(特に後半に)多く見られます。
また、全体的に稚拙な表現となっているので、修士論文としては、物足りなさが残る内容となっています。
と、自己保身なんだか批評なんだかワケがわからなくなってきたので(笑)、論文は下のPDFアイコンから。ご批評おおいにお受け致します。
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