Sweet 15th Diamond 渡辺美里 川村真澄 大村雅朗 大江千里 石川鉄男 小室哲哉 曲名リスト 1. My Love Your Love(たったひとりしかいない あなたへ) |
渡辺美里の楽曲を聴いたのは、確かテレビが最初だったと思います。デビュー曲でもある「I’m Free」(ケニー・ロギンスのカバー)が、何かのドラマのエンディングとして流れていたと記憶していますが、この曲は結局どのアルバムにも収録されることはありませんでした。その後、地元AMが2枚目のシングル「Growin’ Up」をプッシュするようになった頃から、「近いうち彼女の時代が来る!」と確信、手当たり次第に友人に勧めまくっていたのです。僕の「予想」は見事的中、4枚目のシングルとなる「My Revolution」でその地位を確立したのは、僕ぐらいの年代の人ならご存じのとおり。
実は恥ずかしながら、僕が初めて自分のお金で買ったアルバムというのが、彼女の2作目にして2枚組という大作『Lovin’ You』でした。その後も夏に発表されるオリジナルアルバムを購入していたのですが、ある日を境にピタリと聴かなくなりました。理由はわかりませんが、彼女への興味もあっという間に薄れ、なけなしの金を叩いて購入したCDも、全て売却。僕の手許からは、彼女のアルバムが全てなくなりました。
2000年の夏のこと。偶然彼女の2枚組のベスト盤が発売になったことを知りました。何の気無しに手にした途端、猛烈に彼女の曲が聴きたくなり、思わず衝動買いしていました。でも、購入してよかったな、と今は思っています。
このアルバムの凄いところは、女性ボーカリストとして確固たる地位を築いた彼女の変遷が凝縮されているとともに、豪華な制作陣にもあると思います。
クレジットを見ると、小室哲哉、木根尚登、岡村靖幸、大江千里、(故)大村雅朗、伊秩弘将などなど。
彼らの多くは、当時まだ名を馳せていませんでしたが、いわば彼女を「踏み台」として大成したといっても過言ではないと思います。
個人的には、岡村ちゃんが作曲した楽曲が物凄く気に入っている(特にDisc2のラストナンバーは名曲)のですが、「BIG WAVE やってきた」でさりげなく登場しているデーモン小暮のコーラスもかなり気に入っています。
たかがベスト盤。それも5年近くも前に発表された作品なのに、何故今日取り上げたか。
昨日は阪神大震災が発生してちょうど10年を迎えた日でした。
僕は、別に被災したわけでもないし、現場を直接目の当たりにしたわけでもありません。だから、何も知らない僕がこの話題についてああだこうだと綴るのは、歯の浮いたような言葉しか出てこないだろうし、何かお門違いというか、自分に対する胡散臭さみたいなものを感じてしまうので、あまり触れないでおきたいと思います。
でも、ちょっとだけ。
僕が神戸を初めて訪れたのは2年前の夏。妻と降り立った三宮の駅は、震災の跡形もなく、ごくごく普通の街並みが広がっていました。しかし、そこで生活する人達の心には、今もなお深い傷が癒されることなく残っているに違いありません。
震災の被害を10年という年月で一括りにすべきではないと思います。しかしながら、昨日という日を迎え、ずーっとこのアルバムに収録されている「10years」という曲が頭の中では流れていました。
ちなみにこの曲は、大阪出身の大江千里が作曲したものです。1989年に発表されたもので、震災とは全く関係ない内容ですけどね。
保険関係に勤めるちょっと偉い方(在京の方らしい)が最近、僕の住んでいる地域は、比較的恵まれているといった発言をされたそうです。適度に街が形成されている一方で、近くに海があるわけでもなく、かといって急傾斜地がたくさんあるわけでもなく。
要するに、大きな地震に見舞われた時に、この地域だと、それほど被害は出なくて済むだろう、と言いたかったらしいのです(実際この話を直接聞いた人が、そう感じたそうです)。ただ、そういった比較検討は、いつ起こりうるかもわからない天災に対する防災意識を低くするもので、非常に危険ではないかと僕個人としては思いました。僕自身、震度5クラスの大きな地震を数度(日本海中部地震、三陸はるか沖地震)経験しているわけですから。
改めて震災の犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞いの意を表したいと思います。
実はその日、私の頭の中でも「10years」流れてました。
なぜか自然と思い浮かびましたね。
「10年」というとこの曲を思い出す人は、うちらの年代では結構いるのかも知れませんね。