今さらおかしい?いや、前からおかしい。

以下10月12日のブログより抜粋。
「現在新球団設立を争っているライブドアと楽天。最終的に、一方には新球団設立を認め、一方にはダイエー球団購入権を認める。そんなウラの筋書きがあるんじゃないか、と。」
一昨日から昨日にかけての新聞その他報道を見て、この例え話がまんざらウソではなかったことに、少なからぬ衝撃を受けました。ダイエーと西武の違いはありますが、現実問題としてこういう打診があったことを、ライブドアの堀江社長が認めてしまったわけです。
西武の球団買収を持ちかけられたという堀江社長は、相当憤っていたようです。そりゃそうでしょう。僕も記事を目にした時、あの新球団決定までのプロセスは一体何だったのかと思いましたもん。大体にして、球団売却の打診があったのが新球団参入決定前ということですから、これでは楽天の新規参入が出来レースであったと思われても仕方ないでしょう。
日本プロ野球機構(NPB)そして西武ライオンズの関係者よ、お前ら何を考えてるんだ?としか言いようがありません。
財務体質から見ると、確かにライブドアは脆弱な感があります。ただね、こうなると金額の問題じゃないような気がするんです。堀江社長のプライドの問題もあるでしょうけれど、何よりもNPBの旧態依然とした体質を改善していかないと、根本的な問題解決にならないんじゃないかってこと。


ダイエーの売却問題も然りですが、要は「金がありそうなところ」あるいは「プロ野球経営に興味を持ちそうなところ」に打診するという、その目先のことしか考えない極めて安易な考え方は、僕には解せないのです。そりゃプロ野球の経営は大変でしょう。上昇し続ける選手・スタッフの年俸(でもこれは、選手会にもNPBにも問題がある)、球場の維持管理、集客力を高めるための話題作りなど、いろいろ腐心されていることだろうと思います。それに選手やスタッフは、生活がかかっているわけですし。じゃぁ、そこまで手塩にかけて育ててきた球団を「金がない」の一言でバッサリ斬り捨てるような企業に、そもそも球団経営の資質なんてあったのか、ということを問いたいのです。そういう見方で言えば、恐らく堀江社長の方がはるかに資質はあるでしょう。
今思えば、ライブドアによる近鉄買収の話は確かに胡散臭かった。それでも、その後も新球団設立のために積極的に動き、かつ具体的に取り組んたのは、窮するプロ野球を何とかしたいという思いが強かったからではないでしょうか。こういう危機感こそが、球団経営には特に必要なものではないのでしょうか。
西武もダイエーも「大企業」という傘下にあったからこそ、ここまでパ・リーグを牽引する球団として大きくなった。裏を返せば、大きくなりすぎるとお荷物にもなりかねないということでしょうか(西武の場合は問題が異なりますが)。
もっとも、経営する側から言えば、ファンだ選手だ云々ではなく、利益を上げるかどうかという一点だけなのでしょう。だったら、契約の時点でそういえばいいんです。「成績云々よりも、費用対効果の見込めない選手は自由契約です」ってね。凄いですね。何か機械みたいだ。でも、どこの馬のホネかもわからないような外人に大枚叩くくらいなら、村田兆治を(選手として)招へいした方が、どれだけ観客が喜び、かつ費用対効果があるか、なんてことを球団は考えたことがないでしょうね。そういう感覚を持った経営者がいても、いいんじゃないのかな。「プロ野球は夢を売る商売だ」っていうなら、それくらいの面白みがあってもいいと思いませんか。ま、今の経営陣が「夢を売る商売だ」なんて言っても、何の重みもありませんけどね。
あ、僕は別に楽天でもライブドアでもどちらでも良かったと思っていますし、どちらに肩入れするつもりもありません。ただ、敢えて僕は、楽天の三木谷社長にも、今後野球界に参入するかもしれない堀江社長にも、そういう「これまでの常識を覆す」部分を期待したいと思います。別に優勝できなくても、とにかく今はファンを取り戻すことの方が、必要かつ大事なんじゃないですか。

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