20th Anniversary Self Cover Best Album「THANK YOU」 / 吉川晃司

Disc 1
1.The Gundogs
2.パンドーラ
3.ナイフ
4.アクセル
5.BOY’S LIFE
6.KISSに撃たれて眠りたい
7.Brain SUGAR
8.せつなさを殺せない
9.終わらないSun Set
10.キャンドルの瞳
11.にくまれそうなNEWフェイス
12.LA VIE EN ROSE
13.モニカ
Disc 2
1.Mis Fit
2.LUNATIC LUNACY
3.FANTASIA
4.FOREVER ROAD
5.WHISKY NIGHT
6.RADIO GUITAR
7.この雨の終わりに
8.マシンガンジョー
9.スティングレイ
10.Pinky Oyster
11.BOMBERS
12.KATANA FISH
Disc 3
1.TOKYO CIRCUS vs PRETTY DOLL
2.ジェラシーを微笑みにかえて
3.You Gotta Chance -ダンスで夏を抱きしめて-
4.フライデー ナイト レビュー
5.HOT LIPS
6.Rainy Lane
7.青より碧く -Bluer than Blue-
8.Rain-Danceがきこえる
9.すべてはこの夜に
10.SEXY
11.Rambling Rose
12.Fame & Money
13.INNOCENT SKY
14.真夜中のストレンジャー


肩幅が強調された立派な体型に、元水球日本体表候補という肩書きをひっさげ、「モニカ」で鮮烈なデビューを果たしてから早20年。このアルバムは、ロッカーへの転身そして布袋寅泰との「COMPLEX」結成、解散、度重なるレコード会社移籍と、紆余曲折を経てたどり着いた20年という節目にあたり、彼がこれまで発表した新旧25曲を録り直して収録したというもの。1枚目は主としてシングル曲を、なぜかほぼ年代を逆行する形で、2枚目は、COMPLEX解散後に発表されたアルバム収録曲を、新旧織り交ぜて収録している。
見方によっては、最近流行のセルフカバーアルバムと捉えていいだろう。ただ、これまでの楽曲とは雰囲気が異なるものが多く、前奏を聴いただけではわからないような曲も多い。また、一発録りにも近い荒っぽさもあり、彼の今の「勢い」のようなものを感じる。更に驚きなのは、収録曲の多くが、ギターにベース、ドラムという最小限のバンド形態で録音されているということ。古くから親交の深い村上ポンタ秀一(dr)、後藤次利(b)をはじめ、名うてのミュージシャンに混じって、吉川自身もギターで参加している。そのことを念頭にアルバムを聴き直してみると、お世辞にも決してギターテクニックがあるとは言えない彼自身が、その雰囲気を楽しもうという空気も感じら れる(このことは、この手のアルバム、特に邦楽ではほとんど掲載されることのないライナーノーツでも触れられている)。
この作品を通じて彼の歩みを辿ってみると、支えてきた作家陣の影響が大きいと考えられる。COMPLEXという形でタッグを組んだ布袋寅泰をはじめ、本作品にも参加している後藤次利、そして原田真二、安藤秀樹、大沢誉志幸、佐野元春、亡くなった大村雅朗 など、枚挙に暇がない。このような作家陣からの素晴らしい楽曲に恵まれたことはもちろん、好き嫌いはあるにせよ、彼のボーカリストとしての力量が確実にスケールアップしていったことも、今回このようなアルバムを発表することができた要因として挙げられると思われる。
また、COMPLEX解散以降の彼の活動をみると、非常に精力的にライブ活動を行っており、そのことを裏付けるかのように、COMPLEX結成前は1枚しか発表されていなかったライブアルバムが、解散後に再びソロ活動を開始して以降は、既に5枚も発表されている。この作品に関しても、初回限定盤ながらライブ音源の収録された3枚組が発売されている(通常盤は3,500円、限定盤は4,500円)。
その限定ディスクとなるDisc3には、91年のライブ音源から、ついこの間行われたライブ音源まで、年代の非常に幅広い楽曲が収録されている。個人的には、安藤秀樹が作詞し、原田真二が作曲した4のライブ音源(ちなみに安藤作詞・原田作曲の楽曲はこれ以外にもDisc1-10、Disc2-1で聴くことができる)に、猛烈な懐かしさと深い感銘を受けた。この曲をはじめ、ここ最近のライブではほとんど演奏されることのない、レアな音源も収録されているので、是非限定盤を購入することをお勧めしたい。
爽 快 度:★★★★★
ロック度 :★★★★☆
お買い得感:★★★★☆

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