自民後退 民主躍進 国民無関心

昨日は選挙でした。有権者の皆さん、投票に行きましたか?
残念ながら政治や選挙に無関心の人々が増えています。全国的に見ても、事前調査の予想を覆すような低投票率で、本県でも投票率は過去最低を更新してしまいました。国民の政治への関心の低さはかねてから問題視されていたわけですが、この減少を食い止める手段として「選挙を義務化して、投票に行かない人には罰則を!」などといささか強引すぎる提案をしている人も少なくないようです。では、何でこんなに投票率が低いのでしょう。
まず考えられるのが、昨今の政治不信。これについては今更ああだこうだと述べても仕方がないので割愛。あと、今回の選挙の争点。「マニフェスト」がキーワードとなりましたが、本来はより具体的な公約内容を示すものであるはずの「マニフェスト」の意味そのものが曖昧で、有権者には思ったほど伝わらなかったと思われます。結局、「マニフェスト論争」なんてやっても、選挙が終われば政治家なんて…と、ここでも根強い政治不信が残ってるのではないでしょうか。
そしてもう一つは、今ひとつわかりにくい選挙制度。今回の衆議院でも採用されている「小選挙区・比例代表並立制」というものが、多くの矛盾を孕んでいるということが、有権者の投票意志を削いでいるということも考えられると思います。
定員の増減により区割り変更が行われた千葉や神奈川の小選挙区では、当選者が2人という選挙区が多く見られます。つまり、小選挙区では落選したものの、比例区で復活当選した、というもの。これは、いわゆる名の知れた大物同士が激突する選挙区や、党代表などが出馬している選挙区でも多く見られる傾向です。特に酷いのは、4人立候補した小選挙区で、落選した3人のうち2人が比例区での復活当選を果たしているという選挙区。つまり、小選挙区立候補者の4人中3人が当選しているということになります。どこの区とは言いませんが、小選挙区では最低得票だったのに、比例区で復活当選を果たしているという人もいます。彼らはいわゆる「重複候補」と言われているわけですが、こういう「復活当選」が繰り返されているようでは、一体何のための選挙なのか、何のための並立制なのかわからなくなってしまいます。
新聞やテレビの報道では、民主党の躍進で「二大政党制」への流れが一気に加速する、と分析していますが、実のところ国民はこの「二大政党制」の意味すら理解していないのではないでしょうか。つまり、民主主義の下で行われる選挙が、国民のためではなく、選挙に携わる人たちや立候補者の利権、あるいは政党間の争いや権力誇示に利用されているだけではないのか、何となくそんな気がしました。

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