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岡村靖幸DVD「幸福 2016」 #岡村ちゃん #幸福

幸福になるかと思ったのに…。という辛口評価が相次いでいるこの作品。
確かに、純粋に岡村靖幸のライブパフォーマンスを楽しもうと思ったら、かなり残念な作品、かも知れません。
がしかし、違った見方をすると、結構楽しめる作品かな、と思ったところもありましたが…。

happy2016
アルバム発売と連動して行われた全国ツアーの模様を収録したこのDVD、全体のボリューム、カット割り、収録された内容、いずれの角度から拾っても、この作品を手放しで最大限の評価をすることができないのは事実です。

●ボリュームについて
ライブでは20曲以上パフォーマンスを披露しているのに、収録されているのは完全受注のデラックスエディションでも14曲、通常盤だと12曲。わずか1時間程度しか収録されていません。これって、最初からテレビ放映を意図した作品ですかね?
3時間を超えるライブの内容全てを収録して発売しているアーティストもいるぐらいなのに、何これファンを舐めてるの?といった感じ。★☆☆☆☆

●カット割りについて
会場全体をくまなく撮影していることもあってなのか、ステージ上や会場など、とにかく目まぐるしく場面が変わります。その一方で、肝心な場面で本人が映っていないシーンや、(何とは言いませんが)映さなくてもいいものが映り込んでいるシーンも多く…。
純粋に彼のパフォーマンスを観たいと思って購入している人にしてみれば、ここに苦言を呈する声が多いのも、わかる気がします。とにかく、そこ!という肝心なところでカメラが切り替わる場面が、あまりにも多過ぎます。別にファンは何も悪くないんですが、ここまで編集されると、なんだかなあ、といった感じ。ご本人もプロデューサーとしてクレジットされているぐらいですから、本人承知の上での編集なのでしょうけれど。ハッキリ言えば、関係者やファンの映り込む場面が多すぎ。ダンサー、うざったいぐらい!★★☆☆☆

●収録された内容
わずか12曲~14曲の収録とはいえ、11年ぶりに発売されたアルバムをひっさげてのツアーですので、当然新しいアルバムに収録された楽曲のパフォーマンスぐらいは全部収録されているのだろうと思いきや、収録されていない曲も幾つかあって、ちょっと唖然としました。(「揺れるお年頃」「ラブメッセージ」は収録されていません。)

個人的には「弾き語り2016」の前に演奏したプリンスのカバー「Sometimes It Snows In April」が収録されないかと期待しましたが、権利の問題とか色々あるんでしょうね。残念でした。

というか前回同様、なぜ発売されるまで収録曲を一切公表しないんでしょう。もったいぶっているの?それとも、公表したら購入者が減るから?ついでに言うならば、発売前、発売後のアナウンス・宣伝が圧倒的に足りません。もったいなさ過ぎます。そもそも売る気ないんだべが?★★☆☆☆

01 Introduction
02 できるだけ純情でいたい
03 新時代思想
04 どぉなっちゃってんだよ
05 Punch↑
06 祈りの季節
07 ぶーしゃかLOOP
08 彼氏になって優しくなって
09 愛はおしゃれじゃない
10 ビバナミダ
11 (E)na
12 ヘアー
13 弾き語り2016 ※
14 Lion Heart ※

※ デラックスエディションのみ収録

●デラックスエディションの場合
ちなみに完全受注のデラックスエディションには、2冊の写真集が同梱されています。完全受注なので、一般には出回っていない、ということになります。出回っているとすれば、何割か上乗せされて販売されているのでしょうか。よくわかりませんが。
2冊の写真集、1つは2014年と2015年のツアーの模様を撮影した写真集「2014105ミウケン」(撮影者:三浦憲治)。
もう1つは2016年4月28日、29日の両日、Zepp DiverCity Tokyoで行われた公演の模様を撮影した「2016梅小鳥」(撮影者:梅佳代、川島小鳥)。
私は何の躊躇もなくこのデラックスエディションを購入したわけですが、DVDをBGMにしながら、思わずこっちの写真集に見入ってしまいましたよ、ええ。
コストパフォーマンスも、いかがなものかと…。デラックスエディションは、この内容で12,000円前後だもんなぁ…(Blu-ray:12,420円 DVD:11,340円)。まあ、そこまでケチつけるんだったら買うなよ、という話。いや、わかってますよ。それも織り込み済みで購入したつもりですから。まあ、ハッキリ言えばこの作品は、この2日間のライブを観た人向けと言った方がいいかも知れませんね。ほら、画面にはあなた、写真集にもあなたの姿が映っているじゃないですか。最高じゃないですか!僕はちっとも楽しいと思えませんけどね!★☆☆☆☆

もっとも、めまぐるしく変わるカット割りや収録内容に対する批評については、実は既に前回の映像作品「むこうみずでいじらしくて」から始まっていたことでした。
前述のとおり、Amazonなどでもかなり酷評されているのですが、公式アナウンスを見て、とあることに気づきました。

「11年半ぶりに発売したアルバム『幸福』リリース後である2016年春に行われた全国ツアー「幸福」の映像作品の発売が11月23日に決定しました。」

映像作品に関しては、新作アルバム『幸福』からの曲を中心に、ダイナミックな熱狂と興奮のステージを存分に堪能できる作品にするべく、現在、一生懸命、編集制作中です。

通常盤(映像only)とは別に、完全受注生産のデラックスエディションは、映像に関して通常盤に数曲追加予定、さらに豪華写真集が2冊セットになります。」

そうなんですよ。これ、「映像作品」なんですね。そこに「ライブDVD」とは一言も書かれていないんですね。
だからこれはライブの模様を単に収録したものではなく、いわゆる一つの映像作品、すなわち、ドキュメンタリーなのですよ。なので、ああいうカット割りが繰り広げられるわけですよ。…って、違うと思うけど。★★★☆☆

仮に今回の内容に、バックステージの模様なんかがもっと加えられていたら、そしてその上で「ドキュメンタリー作品」という触れ込みで発表されていたら、恐らく評価の内容がガラリと変わるような気がするのは僕だけでしょうか。

いや、何とかいい評価ができないかと色々考えているんですけどね、前作の批評は今回の作品には残念ながら反映されていませんでした。個人的には、映像化してもらえただけでもありがたいと思わなければならないのですが…。

とか何とか言っておいて、「Me-imi」とか「ビバナミダ」みたいに、後になってからまた「何とかエディションでーす、ディレクターズカットの特別編集何とか盤でーす!」なんて代物を出したらオメ、マジでぷたぐはんでな。

【名盤アゲイン】LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL. 1 / George Michael

1990年9月に発売された、ジョージ・マイケルの2作目のアルバム。VOL.1という名が付されているだけに、翌年にはVOL.2の発売も予定されていた…というか、そもそもこの作品は2枚組での発売が予定されていたのですが、先に完成していた分をVOL.1として発売したところ、後述するとおり米国での売上げがパッとせず、そのことを酷評した所属レーベルであるソニーの社長の発言に激怒したジョージが契約無効を訴えて法廷で闘争が繰り広げられるという事態になり、VOL.2の発売はお蔵入りとなってしまいました。(結局この法廷闘争はソニーに軍配が上がりますが、次作の「OLDER」が発売されるまで5年以上も費やすこととなりました。プリンスが頬に「SLAVE」と書き記したのもこの頃で、彼自身もワーナー・ブラザーズとの確執が取り沙汰された時期、この裁判の行方を見守っていたと言われています。)
Wham!としての実績、キャリアを備えてのソロデビュー、満を持して発表された「FAITH」は、どこか泥臭い中にも洗練されたR&B基調にジャズの要素も織り交ぜた作品として世界中で大ヒットすることとなり、音楽業界が最も賑わいを見せていた群雄割拠の時代にあって、ジョージがソロ・アーティストとして一級品であることを改めて印象づけることとなりました。

そしてそれから約3年後に発表された「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL. 1」は、英国で初登場1位を記録し、「FAITH」を凌ぐセールスを記録しました。他方、米国での売上げは200万枚にとどまり、デビュー作「FAITH」の3分の1以下にとどまることに。この原因は、プロモーションを一切行わなかったためという見方が多かったのですが、実はリスナーの中には、恐らく「FAITH VOL.2」のような内容を期待していた人が多かったのではないかと思います。
…いや、正直言うと僕はそうでした。ダメなリスナーでホントすいません。ダンサブルでキャッチーで、それでいて煌びやかな、そんな優雅なアルバムを望んでいたのだと思います。ところが、蓋を開けてみると…
華美で派手な雰囲気すら醸し出す「FAITH」と比較すると、どこか落ち着いたような、内省的な雰囲気すらある2作目。それは、Wham!や商売至上主義に踊らされていた自分との決別、とも取れる作品でした。ジャケットを見ても彼の姿はなく、ダンスミュージック隆盛の時代に、何となく古臭さを感るような音。「偏見(先入観)なしで聴け」というタイトルも高圧的なところがあり、それもまた批評家の反感を買ってしまったのかも知れません。まあ、そういう批評家の声だけで作品の是非を決めつけるというのもいかがなものかと思いますが…。すいません、僕は完全に先入観と偏見の塊で一聴してしまったのであります。
ところがこの作品、彼の奥深さを垣間見ることのできる作品であることを徐々に知ることとなります。
シングル・カットされた「Praying For The Time」や「Freedom’90」をはじめ、スティーヴィー・ワンダーのカバー曲「They Won’t Go When I Go」(敢えてこういう曲を選択するのもジョージらしい)、さらには名曲「Heal The Pain」など、ピアノやアコースティックギターをふんだんに盛り込んだフォーク色の強い楽曲が多く、実は非常にクオリティの高い、ファンの間でもかなり評価の高い作品なのであります。だから、ジョージ・マイケルの代表作といえば「FAITH」ではなくこちらを推すファンが多いのも事実。いや、「FAITH」も素晴らしい作品なんですけどね。

この作品が発売される1年前の1989年、似たような経過を辿ることとなったアーティストがいたことをふと思い出しました。それは、テレンス・トレント・ダービー。(現在はサナンダ・マイトルーヤと改名。)
彼もまた、英国で華々しいデビューを飾り、87年に発売されたアルバムの売り上げは1,200万枚を超える大ヒット。しかし、次作では批評家による賛否両論が巻き起こり、商業的な成功を収めることができぬまま、ひっそりと表舞台から消えていくこととなりました。(今もちゃんと活動はしているんですよ。)
どちらかと言えば玄人好みといえばいいのでしょうか、この2作目を絶賛するアーティストは多く、その中にはジョージも含まれていたようです。しかも、プリンスはライブで彼の楽曲をカバーしていたとのこと、そんな不思議というか奇妙な関係があったのですね。

閑話休題。
色んな意味で転機を迎えるきっかけとなった「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL. 1」の発表から25年という時間が経過、この間、SMEとの間で和解があったり、彼自身がゲイであることをカミングアウトしたり、何度か逮捕されたりと、色んなことがありました。「FAITH」に関しては発表から25周年を記念するデラックス・コレクターズ・エディションが発売されましたが、この「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL.1」に関しても、同様のパッケージとなるデラックス・エディションが発売されることが決定しました。

listenwithout_gm_25th

個人的には「「LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL.2」との完全盤を密かに期待していたのですが、残念ながら(当然のことながら)その期待には応えて頂けませんでした。。。。
がしかし!VOL.2に収録されるはずだった幾つかの音源が、「レア・トラックス」のディスクに収録されているほか(といっても「レア」というほど「レア」でもないような気が…)、ブート盤で聴いたことのある「MTV Unplugged」が公式CD化、ボーナスディスクとして同梱されます(でも、これって96年のライブで、確か「OLDER」の発売に合わせたもの。版権の問題かも知れませんが、これは「OLDER」とパッキングされるべきでなかったのかな?)。
さらには、ドキュメンタリー映像をDVD化したものとPVを一緒にしたDVD(約70分収録)も1枚セット、CD3枚DVD1枚という内容での発売となります。

この作品を最後に一度SMEと袂を分かち、次作の「OLDER」(1996年)はVirginからの発売、そしてその後の「PATIENCE」(2004年)は再びSMEからの発売と経過を辿りますが、ソロとしてのオリジナル・アルバムは、たったこの4枚しか発表していません。更にこの「PATIENCE」に関しては、CDアルバムとしての最後の作品だと彼自身がほのめかしており、実際この作品の発表から既に12年が経ちますが、オリジナル・アルバムに関しては発売される気配が全くありません。しかし、「OLDER」にせよ「PATIENCE」にせよ、実は非常に評価が高いのであります。
その他は、ライブ・アルバムやカバー・アルバム、そしてベスト盤という構成で、オリジナル・アルバム4枚しか発表していないのに3枚組のベスト盤「Twenty Five」が発売される、なんてこともありました(「Wham!」時代からのオールタイム・ベスト)。
ファンの一人としては少々物寂しいところもありますが、今回、こういう形でまた名盤に光が当てられるのは、ちょっと嬉しいですね。

I, MANABU MIYAHARA / 宮原学

かつて、CBSソニー傘下でおニャン子クラブやとんねるずですっかり名を馳せた後藤次利が創設した、FITZBEATレーベル。のちのKi/oonレーベルの前身となるこのレーベルに所属していた主なアーティストは、レベッカ、聖飢魔IIなど。そしてその中に、宮原学というオトコあり。
レベッカの活動休止後、メンバーであった小田原豊や高橋教之、サポートメンバーだった是永巧一、そしてスタジオワークを中心として活躍していた柴田俊文とともに、同じレーベル仲間ということで「Baby’s Breath」を結成。
「Baby’s Breath」 については「男版レベッカ」を期待したわけではないけれど、ハードな感中にもポップな曲がアルバム2作を発表後、解散。
その後Char主催のEDOYA Recordsなど移籍を繰り返したあと、しばらく見ないなあ…と思っていたら2014年に15年ぶりとなるソロ名義でのオリジナルアルバムを発表。そして今年デビュー30周年を迎えるにあたり、約1年5か月ぶりとなる新作を発表。

タイトルは、「I, MANABU MIYAHARA」。
なんて言えばいいんでしょう…「オレ、宮原学。」みたいな感じ?
前作同様盟友である小田原豊と柴田俊文が全面的にバックアップ。更に30周年ということで、ゲストミュージシャンに織田哲郎、うじきつよし、北島健二(FENCE OF DEFENCE)といった錚々たる顔ぶれを従えてのフルアルバム。

前作は15年ぶりということで少々身構えて聴いてしまったけれど、今回は何の先入観もなく聴き始めたところ、さすが30年のキャリアは凄いなあ、と思ってしまうぐらいの快作。全11曲58分、このアルバムだけでしばらくヘヴィローテーションしてても大丈夫そうなぐらい、かなり僕のツボにはまった感じ。
これはもう、ブルースですよ。バーボンじゃなくて日本酒ロック。ただ、何でかタイトルが全部英語表記で、「THYOBI-HIGE」なんていう何かふざけたようなタイトルの曲が収録されていたりもするんだけど(どうせ標記するなら「CHOBI-HIGE」なんじゃねえか?とか。)、昔からの気心知れた仲間や先輩らとともに演奏しているのが、きっと楽しいんだろうなあ、と感じてしまう。ゲストの中に誰かいないなあ、と思ったら、佐橋佳幸さんのクレジットがないみたいで。

思った以上の短いインターバルでのアルバム発表だったので、少々面食らってしまったのも事実。しかし、それ以上にゲスト参加している皆さんとの掛け合いが実に良い感じで、安堵感に包まれたのも、事実。

前作は言わば久しぶりの登場ということで、助走的な意味合いを持つ作品。今作は、その前作の助走で勢いづいた、「らしさ」を随所にちりばめた作品。
何か原点回帰したような感じで、個人的には凄く嬉しいのでございます。

で、皆さんにお願い。デビュー30周年ということで、既に廃盤となっているアルバムの再発売を是非ともお願いしたい!ということで手始めに、Baby’s Breathの名盤2作の再発のため、力を貸してください。
■復刻希望タイトルは「Baby’s Breath」と「Baby’s Breath 2」
■アーティスト名はともに「Baby’s Breath」で。
オーダーメイドファクトリー

Wild Lips / 吉川晃司

TBS系で放映された「下町ロケット」での財前部長役を筆頭に、最近はすっかり役者づいてしまった吉川晃司も、もう50歳なんだそうで。
どちらかといえばカリカリしているというか、斜に構えて取っつきにくい印象のあった過去と比べると、最近は良い意味で角が取れ、人格者としての雰囲気も漂い始めるようになりました。僕は昔からファンでしたし、コンサートにも足を運んだことがあるのですが、彼に対する「ワイルドでちょっと素行不良」的な印象がガラリと変わったのが、東日本大震災の際に、素性を隠してボランティア活動を行っていたという事実を知った時。その後のCOMPLEX再結成、東京ドームで僕も泣いたなあ…(遠い目)。
前述のとおり、最近はミュージシャンというよりも役者・吉川晃司として板についてきた感はありますが、逆にそれが音楽、演技双方の活動に良い意味で作用しているのかな、と思ったり。

さて、財前部長を演じてから初となるオリジナル・アルバムは5月18日発売、通算19枚目となります。
2013年に発表された前作「SAMURAI ROCK」では、かなりゴリゴリなロックチューンが続いただけに、本作もタイトル通りの「ワイルド」を期待したのですが…。
感じ方は人それぞれだとは思いますが、まず僕が一番最初に感じたのは、あれ…何だろう。何かが、違う。という違和感。

収録曲8曲約35分、うち4曲は既発曲。(ちなみにiTunes Storeでは全8曲に、「SAMURAI ROCK」「アクセル」「LA VIE EN ROSE」のライブ音源がボーナストラックとしてプラスされています。)

ガッカリしたわけではないけれど、この短さには何か肩透かしを食らった感じ。

僕の中でまだ咀嚼できぬまま抱いているこのアルバムへの違和感は多分、先行シングルで発売され、アルバムのファースト・トラックともなった「Dance To The Future」への違和感そのものなのかも知れません。そしてこの曲を含め、アニメ、映画、ゲームという現代の三大娯楽(?)とタイアップした曲が既発シングルとして発売されたという事実、曲の出来映えがどうのこうのというよりも、これらの楽曲の構成にどことなく「らしさ」を感じなかった、そして、これまでであればあまり結びつきを得ることのなかったであろう三大娯楽のうち二大娯楽とのタイアップこそが、僕の中で「?」を生み出した最大の要因なのだと思います。
吉川晃司とゲーム、吉川晃司とアニメって、何か違うような。…まあ、既に「仮面ライダー」で下地は出来上がっているのですが。

メディアに掲載されたレビューには「ダンサブルなロック・アルバム」の文字。
でも、正直「Dance To The Future」に関してだけ言えば、そんなにダンサブルといった印象も受けなかったし、ロックといった印象もなく、何か地味な感じ。これからロック調にしようと思った曲が、まだ完成する前に流出してしまった、そんな印象を受けました。この曲がアルバムの最初を飾るという時点で、ここ最近の中では、異質な作品なのかなあ、という感想。例えて言うならば、「プリティ・デイト」を初めて聴いた時みたいな感じ。

違和感を覚えたのはこの曲だけではありましたが、約35分間、ビューーンと飛び抜けるような疾走感もなく、あまりにもあっけなく終わってしまったので、三こすり半でイキそびれた、みたいな。

いや、タイトルナンバーの「Wild Lips」なんかは、メチャクチャ格好良いんですよ。というかむしろ、「エロさ」を貫き通すのであれば、全部こんな感じで通して欲しかったし、この曲だってこの先、ライブの定番になってもおかしくないと思うし。

「Expendable」には休養していた大黒摩季がコーラス参加、ジャケットのキスマークは水原希子によるものなど、それなりに話題性もあるのです。あるのですが、ううむ…なのですよ。

結局のところ彼の場合、シングルで発売された楽曲は「あわよくば売れ線狙い」のタイアップで「当たらず障らず」である一方、本当にやりたいことはアルバムに収録されているのかな、と。
ただほら、ドラマだ映画だと役者付いている手前、音楽活動に没頭する時間もないのに、「財前部長として認知されているうちに出してしまえ」という、自分の意志とは無関係な思惑に振り回された結果としての産物なのだろうか、とも思ってしまいます。早い話が、(小声で)「やっつけ仕事」ってヤツ。

全体を通して感じたことは、50歳という年齢は感じさせないものの、かつての荒々しさや毒々しさが影を潜め、妙に落ち着いた感があるような気が。いや、それはそれで渋さがあってまたいいんですけどね、どうせならとことん大人のエロさを極めて欲しかったなあ。

ちなみにこのアルバム、当初「Rock’n Rouge」というタイトルでの発売を検討したらしいのですが、それって30年以上前に松田聖子が出した曲のタイトルだよね、ということになりボツ、続いて「HOT LIPS」というタイトルが浮上したものの、これは吉川本人が既に同名の曲を発表しており、こちらもボツになったという経緯があったそうな。
まあ、そんな紆余曲折を経て発表された作品ですから、せっかくなのでもう少し聴き込んでみて、単なるゴムで終わるかスルメに化けるか判断したいと思います。
で、このアルバムを引っさげた全国ツアーも始まるとのことですが、「財前部長」効果からなのか、各公演とも軒並みソールド・アウトとなっているようです。完全に機を逸しました。

岡村ちゃんと私

点滴生活6日目。一応本日をもって点滴はいったん終了し、土曜日の検査に臨みます。ホントに一時はどうなるかと思いましたが、少しずつ、ゆっくりではあるけれど徐々にまた歩み始めている感じ。しつこいようですが、今一度原点に立ち返り、あわてず、あせらず、あきらめずの精神で。

さて、本当は明日も点滴の予定だったのですが、ちょっと別件があり、明日の点滴は休みます。実は岡村靖幸のコンサートが青森市内であるので、それを観に行きます…独りで。

昨年の青森公演は、まさにコンサートが行われるその日の未明に義父が他界し、僕にとっては幻のコンサートとなってしまいました。(しかも妻は飄々とした顔で、「コンサート、行ってきてもいいよ!」と言ってくれましたが、行けるか!苦笑)
あの曲を演奏した、あの人の曲もカバーした、色々話を聞くたびに歯ぎしりをしていましたが、1年越しにようやく彼と再会することができそうです。

その岡村ちゃんと切っても切り離せないのが、プリンス。
先日NHK-BSでプリンスの追悼番組が放映されましたが、リアルタイムで観ることができなかった(まだ調子が悪くて寝ていた)ため、昨晩になって、録画していたものを噛み締めるようにじっくりと拝見しました。余計なナレーションやコメントが一切排除され、亡くなるまでの彼の音楽キャリアを総括した1時間10分の番組、締めはもちろん「パープル・レイン」でしたが、思っていた以上の秀逸な内容に、思わず落涙してしまいました。

デビュー当時から「和製プリンス」と揶揄され、プリンスと松田聖子とビートルズに多大な影響を受けたことをこれまでも公言していた岡村ちゃんが、プリンスの死をどのように受け止めているのか非常に気になるところではありますが、プリンスが亡くなった直後の札幌でのライブでは、プリンスの隠れた名曲「Sometimes It Snows In April」を演奏したらしく。

彼のステージやパフォーマンスを見ていると、確かに随所にプリンスの影響を受けたであろうシーンが見受けられます。とりわけそのステージアクションは、プリンスにとって3作目の映画となった「サイン・オブ・ザ・タイムス」の要素がかなり織り込まれているのが分かります。

もっとも、プリンスの要素をいち早く取り入れたのは、大澤誉志幸だと言われていますが…。(上下紫のスーツに身を纏って登場したり、アルバム「CONFUSION」から「Serious Barbarian」シリーズまでの頃の楽曲を聴いてみても、かなりプリンスなどの影響を受けたようなサウンドを耳にすることとなります。)

プリンスと岡村ちゃん、僕にとってこの二人の共通点は、「最初の頃は全く興味がなく、むしろ嫌悪していた。」ということでした。プリンスの名前を初めて知ったのは中学生の時、パープル・レインが大ヒットしていた頃になりますが、むさ苦しい風貌に金切り声を上げながら唄うその姿は、純朴で無垢な田舎の少年(←自分で言うな、ってか)にとっては単なる衝撃でしかなく、何かとてつもなく「汚い」何かを見てしまったような気分に苛まれたのでした。
一方の岡村ちゃんも、デビューの頃からラジオで彼の楽曲を何度も耳にしていましたが、何か微妙に外れた音程にバランスの取れない声量と、こちらも「何か変なのが出てきたな」ぐらいな感じで全く聴く気は起こらなかったのです。

しかし、1987年に発表された「Dog Days」という楽曲のPV、ケミカルジーンズの上下に阪神ファンを彷彿させるような虎柄のボーダーというファッションセンスのかけらもない衣装(当時はこれも「アリ」でしたが。)に、小芝居を打ったような中途半端に爽やかな内容がこれまたとても斬新で、それまでの彼に対するイメージが変わってしまったのであります。


(ちなみにこのPVは、1987年当時に発売されたものを音源としていますが、以降のベスト盤に収録されたこの曲は、あまりの音程のはずれっぷりに気づいたのか、なんと録り直しがされています。しかし、録り直ししてもなお…以下略)

更にその約1か月後に広島で行われた「Alive!Hiroshima1987-1997」というコンサートイベント(今で言うロックフェスの走りのようなイベントで、国内のそうそうたる顔ぶれのアーティストが集結したもの)が、後日NHKで放映され、人目ばかりをやたらと気にする岡村ちゃんと、なりふり構わずやりたい放題の尾崎豊が共演するというシーンを見て、衝撃と感動を受けました。その時の動画が、こちら。

録画したVHS、何度観たか分かりません。

この2つで、僕の心はグッと鷲掴みにされ、翌年3月に発売された2枚目のアルバム「DATE」の購入へと続いていったわけです。
date
岡村ちゃんの、他人様に迷惑を掛けながら過ごしてきた波瀾万丈に満ちたこれまでの生きざまは、敢えてここでは触れませんが、僕自身、45年のうち半分以上を彼やプリンスの音楽を聴きながら生きてきたわけで。

気づいたら岡村ちゃんも50歳になっていたわけですが、それでもなお青春を謳歌するような楽曲を発表し、他方それに心ときめかせる青年45歳、どちらもオッサンでちょっと気持ち悪いですかね(笑)。

明日は病のことを忘れて弾けたいと思います。だって、青春て1,2,3,ジャンプですから。