口にした訛りを文字にする

最近訛りが強くなったとみんなから指摘され、いかに綺麗で滑舌のよい津軽弁を発するかに気を遣っているnonveyです。といいつつ、実は相当ショックなんです…。
私が青森に降り立ち、毎朝職場へ向かう道は、市場がすぐそばにあり、道端で早朝から野菜などを売るお婆ちゃんの姿が見受けられます。今朝はそんなお婆ちゃんの、手書きの値札をみて面食らいました。
「地ものスソの葉100円」「地もの白ブンド150円」…。何のことだかおわかりいただけますでしょうか。
答:スソの葉→シソの葉、白ブンド→白ブドウ。
ちょっと強烈でした。でも、決して間違いではない。彼ら彼女たちの日常会話で、ごくごく当たり前に登場する言葉なのですから。以前も、田舎の無人販売コーナーに「取れたてペーマンあります」や「土付きジャガエモ」というのを見たことがあります。「ナシ」と書かれた籠の上に「茄子」が置かれていたことも…。「梨(ナシ)」と「茄子(ナシ)」、こちらでは微妙にアクセントが異なるので、これもあながち間違い、とはいえない。
ただ、誤解して頂きたくないのは、青森県民全員がこういう訛りの強い言葉を使っているわけではない、ということ。これだけは断言します。
といいながら、実は私の言葉も「さしすせそ」ではなく「さすすせそ」、「あいうえお」ではなく「あえいいお」になっているのかも知れません。そう考えると、もの凄く陰鬱な気分になります…。


ガラリと話題は変わるのですが、津軽弁には「ケネ」という言葉があります。
ケネ:頂戴。ケネ:あげない。ケネ:食えない。ケネ:大丈夫。ケネ:頭が悪い。ケネ:毛がない。
最近あまり使う人を見かけなくなりましたが、「ケネ」という言葉で、この6つを言い換えることができるんです。
父の友人で、泉谷栄さんという地元の詩人がいます。津軽、そして津軽弁をこよなく愛する方です。元々は高校教師だったのですが、体調を壊してリタイア、現在は執筆活動を中心に活躍されています。詩集や書籍も出版されています。
そんな泉谷さんの執筆作品の中で、「津軽弁 おとことおんなの大百科」という、艶本まがいの書籍があるのですが、この「ケネ」をはじめ、いろんな津軽弁を詳しく(?)解説しておりますので、興味のある方はご覧になってみて下さい(AmazonやYahoo!Booksでも、少ないながら取り扱っている模様)。ただし、恐らく読解不能と思われますが…(苦笑)。蛇足ではありますが、この作品には、何故かうちの父がよく登場しています。

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