「法界折」のこと


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日本全国いろんな世俗風習がありますが、「法界折」って青森県の津軽地方だけの風習なんだそうでして、この間もFacebookで紹介したところ結構反応があったため、改めてご紹介したいと思います。
私は弘前市に生まれ育った人間で、亡父は弘前市の隣にある中津軽郡西目屋村の出身。
幼い頃から、お盆の時に墓参りに向かうときには、この「法界折」を持参するのが当たり前のことで、それは全国どこでも同じことをしているのだろうと、大人になるまで信じて疑いませんでした。
母親の実家(北秋田市)に行く時もこちらから持参していましたが、確かにあちらの墓でこの折を見た記憶がなく、やがてこれが津軽地方でしか行われていないということを知ることとなりました。

そして今から5~6年前でしょうか、各都道府県での独特な食や世俗風習文化を誇張的に紹介する某テレビ番組でこの「法界折」が紹介され、改めて青森県、それも津軽地方独特の風習なんだな、ということを思い知った次第です。

最近はちょこちょこいろんなところで紹介されていて、そこではこの「法界折」をお墓参りの時に供える「お弁当」という言い回しをよく目にするのですが、「お弁当」というよりはズバリ、一人分の「折詰」といったほうがしっくりきます。

正月やクリスマスなど、もともと皿盛料理の登場する頻度が多いこの地方、その流れかどうか知りませんが、この「法界折」についても当たり前にお盆の時期になると登場する代物です。
実際、お盆の時期になると、スーパーの広告にも普通に登場します。

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自宅で作る場合も多く、折詰の内容物は、煮しめ、果物、赤飯(これもこちら独特の甘い赤飯が入っていることが圧倒的に多い)、煮豆やお菓子など、その家庭によって異なります。

で、お墓や自宅の仏前にこれを供え、その後にパクパク…ということもあります(私はあまり口にしませんが。)

ちなみに今年の法界折は、ニンジン、糸こんにゃく、シメジや麩などの煮しめ、カボチャの煮物、キュウリの酢の物、岩木山で収穫された茹できみ(「嶽きみ」と呼ばれるとうもろこし)、そうめん、果物、ゼリーにお菓子。

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肉や魚類は一切入っていません。いわば精進料理みたいな感じです。これを5個作りました。

まあでも、故人が好きだったものなら何が入ってもいいんじゃないかな、とか思ったり。

しかしながら最近は、これをお墓に置いたままにするとすぐにカラスに荒らされてしまうため、お参りが終わると持ち帰らなければならないということで、ご先祖様がゆっくり食事する暇がなくなってしまいました。


投稿者: のんべ

1971(昭和46)年 青森県生まれ。弘前市在住の青森県職員。 プリンスとビールと豆腐とラーメンを愛する。安いカメラでいかに安っぽくない写真を撮影するかに興味あり。 ブログの内容の多くは、いつの間にか趣味となった「走ること」がメインです。

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