【CD感想】Jellybean Johnson / Get Experienced #jerrybeanjohnson

本日はある意味、超マニアックなCDの紹介。というか、Prince関連のお話デス。

突然だが、Janet Jacksonの名を一躍有名にしたのは、アルバム「Control」そしてその次に発表された「Rhythm Nation 1814」。

いずれの作品も、当時、音楽業界を席巻していたプロデュースチームのJam & Lewis (Jimmy Jam & Terry Lewis)によるバックアップの下、兄のMichael Jacksonに負けず劣らぬの大ヒットを記録した。

この「Rhythm~」に収録されていた「Black Cat」は、6枚目のシングルカットながら彼女のハードロッカーとしての一面を引き出すことに成功、全米1位を記録した。複数のギタリストが参加しているこの異質な楽曲のプロデュースを行っていたのが、本日紹介するJellybean Johnson。

(既に承知の方がほとんどかとは思うが)Jellybean JohnsonとJam & Lewisは、かつて同じバンドに在籍していた。

そのバンドとは、Princeのプロデュースした(というよりも、彼が作った楽曲を披露するバンドとして活動した)The Time。

Princeの代名詞ともいうべき映画「Purple Rain」にて、Princeと対立するバンドとして登場したのがこのThe Timeだが、Jam & Lewisはその時には既にバンドを離れていた。

メンバー間の軋轢が生じ、メンバー脱退と再結成を繰り返していたThe Timeだが、一貫してPrinceの傍で活動し続けたのが、このJellybean Johnsonだった。「Nothing Compares 2 U」を輩出した The Family(現fDeluxe)のドラマーとしても活動していたことは、ファンの間では周知の通り。

前置きが長くなった。

The Timeでもドラムを担当していたJellybean Johnsonは、ギターのテクニックも超一流。その手腕を買われ、これまでも様々なアーティストと共演してきたが、長きにわたる彼のキャリアにおいて初となるソロアルバムが、昨年発表された「Get Experienced」である。

2018年に立ち上げたクラウドファンディングにより制作されたこのアルバムについては、正直あまり期待していなかったので、Donateすることもなくスルーしていた。

そもそも無事完成に至り、発売されていたことも知らず、Princeファンの方々が絶賛していたのを見て、ようやく食指を伸ばしたという次第だ。

注文してから到着まで本当にあっという間だった。(米国から海外への送料を別途支払わなければならず、多少手こずったけど。)

ジャケットの背景に映っている人物は、いったい誰だろうか。

彼が被るハットには、Princeのシンボルギターを施したピンバッジらしきものが付いている。

さて、大勢のゲストミュージシャンを迎え入れた本作には、80年代から00年代前半ににかけて、Princeとともに活動した、あるいは縁のあるメンバーが数多く参加している。

かいつまむと、かねてからの盟友Jerome BentonやMonte Moir、元The New Power GenerationのMichael BそしてTonny Mのほか、Princeプロデュースのデビューアルバムが幻と消えたTamar Davisなどが参加している。

全体を通して感じたことは、PrinceがThe New Power Generationとともに発表したアルバム「Diamonds & Pearls」や、The New Power Generation名義で発表された3枚のアルバムのような、ファンキーで明るい調子の楽曲が多いといった印象。そして、各所でギターのテクニックを披露し、それは時としてPrinceが憑依したのではないかと思うぐらい、エモーショナルなのだ。

脇を固めるというか、ゲスト参加している布陣、とりわけMichael Bによるドラムの存在感は圧倒的で、個人的には、この作品の中でも結構なキモになっているような気がすると思った次第。

そして、ボーカル参加しているメンバーもギターに絡みつくような艶のあるそれを披露しており、バラエティに富んだ素晴らしい一枚に仕上がっていると僕は思う。

全12曲で40分ちょっとと、収録時間とすればやや物足りない感があるものの、10曲目のSexy Interludeでは、Princeの「Sexy MF」のフレーズが取り込まれるなど、Princeファンを一瞬おっ!と思わせるような仕掛けも盛り込まれていて、しばらくリピートして聴いているが、全く飽きの来ない内容だということがこのアルバムの評価全てだろう。いやあ、これは騙されたつもりで買って正解だったわ。

ちなみに販売は彼の公式サイトのみで、デジタル配信やAmazonなどでの販売はなしです。(ということで、今回はいつもより多目に英字を取り入れてみました。読み辛くしてすいません。)