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雪降って脚固まる -第67回勝田全国マラソン-(前篇)

2年ぶりに出場した勝田全国マラソン。
それぞれの乗継ぎに相当の時間があったとはいえ、弘前からバスと飛行機と京急とJRを乗り継いで正味7時間。水戸って、こんなに遠かったっけ?
時間があり過ぎて、一度行ってみようと思っていた羽田空港の展望デッキについ足を運んでしまった。

品川からJR常磐線に乗換え、17時05分に水戸駅到着。従妹が改札口で出迎えてくれた。
前回同様この日の夜は、水戸市在住の伯父一家にお世話になり、大会前夜の「チカラ飯」となった(といっても2度目だが)鰻重でスタミナを蓄える。

最初から練習不足は明らかだったし、心身ともにベストの状態には程遠い。
少しぐらいの無理はするかも知れないが、結果を求めるつもりはない。
極端な話をすれば、こんな大きな大会を「練習の一環」と見立てていた。(ガチランの皆さま、どうもすいません。)

だから伯父の家族には「前回のような展開には持ち込めないし、今回は全く期待が持てない。せいぜい3時間30分を切れれば御の字」と決意表明。ついでにいえば、「無理して応援に来なくてもいい」とも。(ホントは声援をチカラにしたい気満々なのに。)

到着したその日、水戸市では初雪が観測されたそうだ。確かに乾いた冷たい風が吹き抜けていた。明日の最高気温も8度の予想。どうやら寒くなりそうだ。レースもお寒い内容にならなければいいが…。

ここ数レース、あまりにも不甲斐ない内容だったので、今回はちゃんと筋道を立てて走ろうと、一応それなりの展開は考えていた。(結果的にその展開には全く持ち込めなかったが。)
ということで前夜に密かに考えた作戦。
風は北からの予報で強め。7kmから15km、北に向かう道路でどれぐらい風に吹き曝されるかがキモになりそうな気がした。だから前半は脚をあまり使わず堪えて、後半30km付近から続くイヤらしいアップダウンに耐えきれば、それなりのタイム(3時間25分前後)は望めるんじゃないか。いずれにせよ練習不足をカバーするためには、道中の展開を色々工夫する必要がありそうだ。(ちなみに1月はまだ115kmしか走っていなかった。)
とにかく明日は、楽しんで走ろう。もう一回ランニングが楽しいってことを思い出そう!

翌朝。雲一つない青空が拡がっていた。
雪は全く見えなかったが、気温はかなり下がっていた。
8時30分頃には大会会場に到着し、おもむろにアップを始める。でも、何だか身体が重い感じ。どうやら餅を食べ過ぎただろうか。(ちなみに口に運んだのは5個。)

9時30分には、同じレースに出場する弘前公園RCのメンバーと一緒にスタート前の集合写真を撮影。
メラメラと闘志を燃やすどころか、その火種すら残っていない感じ。本気でやってやろうじゃないか、という気持ちが一切湧いてこない。何だろう、この無気力は。

10時過ぎにスタート地点に並び、スピーカーから流れるローカル色溢れるオッサンDJの、これまた本当にどうでもいい話に少しだけ心が和む。
それにしても寒い。青森よりは暖かいだろうが、風が冷たい。

いよいよ10時30分、スタートの号砲が鳴り響き、1分10秒後にスタートラインを踏んだ。
今年最初、そして47歳最後の「独り旅」が始まった。

スタート地点の商店街は道幅が狭く、ランナーがひしめき合う。勝田駅前を右折し大通りに出ると、一気に道が開ける。ここでついペースを上げたくなるが、自重を心がける。時計を見ると1キロ4分35秒~40秒ぐらいで走っているようだ。無理は禁物。前半はこのまま我慢して、後半に余力を残しておこう。

7キロ付近で鋭角に左折。いよいよここから北へと向かう15キロまでは冷たい風が吹き付けてくるはず…あれ?吹いてこない。
予想外の展開に一瞬狼狽えるが、どうやら北ではなく、西寄りの風が吹いているようだ。

黙々とペースを刻み、13キロからの長い下りに入る。ここで調子に乗ると、あとでやられることは折込済み。下りのあとの長い上り坂を淡々と駆け上がる。ここで脚を使っちゃダメなんだよね。

…と考えながら坂を上りきった時、スタートからここまで相当脚を使っていたことに初めて気がついた。まだ中間地点にも達していないのに、だ。嗚呼、万事休す。

そして長い上りが終わり西の方角へと左折した途端、予想通り冷たい風が吹き付けてきた。
ジワジワと続く緩い上り基調がボディブローのように効いてくる。

JR常磐線の最初の跨線橋を越える。ここを下れば左折、今度は南寄りの方角へ進路が変わるので風は若干弱まるはずだ。

ところが…。

(後篇へ続く)

そろそろ2019年のランの話をしよう。#ランニング

過去は振り返らないと思いつつ、まずは昨年の振り返りから。

2018年は、全く思い通りに走ることができない年だった。
まあ、何を最優先すべきかということを念頭に考えたら、これは当然のこと。
だから、年間で1,500kmも走っていないはずだと思ったら、通算で2,000kmをちょっとだけ越えていたようで、逆に驚いた。

しかし、月間で見ると一番走っていたのが1月だったので、まあ納得。それだけDNSとなってしまった3月の「古河はなももマラソン」にかける想いがあった、ということにしておこう。(今年はエントリーしていません。理由は推して知るべし。)

ちなみにその3月は、昨年2月に発生した事故の対応に追われ、走行距離が僅か72kmにとどまったほか、北海道胆振東部地震の対応に追われた9月も95kmと、月間の走行距離が100kmを下回ったことが二度もあった。

アキレス腱の腱鞘炎を発症した6月以降も、かなり距離数が減った。
走った距離数を意識しないようにしているとはいうものの、このムラのある走りっぷりは我ながらなかなかだな、と思った。それにしてもホント、事故だケガだ災害だと色々泣かされた一年だったなあ。

1月 276.95km 22:11’35 12.2 km/h (04’53 /km)
2月 215.64km 17:37’15 12.2 km/h (04’54 /km)
3月 72.75km 5:53’30 12.2 km/h (04’55 /km)
4月 164.03km 11:34’32 12.1 km/h (04’56 /km)
5月 191.2km 12:16’15 13.0 km/h (04’36 /km)
6月 138.75km 10:39’23 11.4 km/h (05’16 /km)
7月 168.23km 9:51’24 10.8 km/h (05’32 /km)
8月 260.76km 14:52’55 12.2 km/h (04’55 /km)
9月 95.21km 6:00’57 12.4 km/h (04’49 /km)
10月 199.82km 8:15’10 12.1 km/h (04’57 /km)
11月 196.3km 5:10’05 12.7 km/h (04’44 /km)
12月 110.5km 1:40’00 13.2 km/h (04’32 /km)

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鍛えるべくは、心と脳 #つくばマラソン

自分を信じろ。ただし、過信はするな。
自分が思っているほどお前に力はない。
練習不足を嘆く前に生活習慣を見直せ。

2018年の最終レースは、初参戦となる「つくばマラソン」。
北海道マラソンでの撃沈の後、本当はこの大会をターゲットに調整をしたかったのだけど、思い通りに行かないのが今の置かれた立場。

マラソン中心の生活にシフトするわけにも行かず、結局、帳尻を合わせたような練習内容に終始することとなり、とてもじゃないが万全の体制で臨むという状態ではなかった。
がしかし、願わくば3時間15分切りを達成したい、そんな思いを胸に秘めて茨城県入りした。

宿泊したホテルは、常磐線の牛久駅から約1.5キロ離れた古びた宿。シティホテルとは謳っているが、お世辞にもシティっぽさはない。(「牛久町」なので、タウンホテルが正しい標記だろうか。)

隣にコンビニがあり、食料には困らない。無駄に歩き回る必要もないだろう。


(画像は駅前のスーパーで購入した干し納豆。これ欲しかったんですよ。)

銀色の灰皿が置かれたその部屋は、昭和の香りというよりも相当ヤニ臭かったが、結局21時頃には就寝したようだ。コンビニにやってきた暴走族まがいの爆音に一度目を覚まし、浅い眠りとなったけれど、都合7時間ぐらい睡眠時間を確保した。

翌朝4時30分に起床、起きがけに胃腸薬を服用。北海道マラソンのこともあり、内臓疲労には十分配慮。アルコール抜きもカフェイン抜きも、その伏線だ。とりわけ胃腸については、絶対にへたることのないよう、3日前から薬の服用を欠かさなかった。

水の出が悪いシャワーに四苦八苦しつつも、5時から朝食開始。この日は切り餅4個、非常食となるカロリーメイトを一箱、など。既に1000kcalは摂取したのではないだろうか。

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つくばへの道 #つくばマラソン

カンフル剤の処方箋を求めて行くことにした茨城県のつくば市。年内に浮上のきっかけを掴みたい、それだけの一心でした。

【11月18日】毎日の習慣となっている飲酒を断ち、アルコール抜きを開始。来る「その日」に向けて、やれることをやらずに後悔するぐらいなら、やってみて納得すればいい、それだけの話。そういえば背中に痛みを覚えるも、何でこうなったのか覚えがないという。肩のストレッチをやり過ぎた?否、一つ思い当たる節があるとすれば、冬タイヤを車に積み込んだことだろうか。我ながら、脆い背中になったものだ。

【11月19日】この日は午後3時から某学校にて約40人を前に50分×2コマの講義。地震のこと、津波のこと、自分が直接見て聞いて体験してきた、業務としての被災者支援のことなど。パワーポイントを使いながら、目一杯時間を使わせてもらった。最後は喉がカラカラになったけれど、それに甘んじることもなくこの日もアルコール抜き。それにしても相変わらず背中がズキズキと痛む。更にふくらはぎに張りを感じたので、軽くマッサージの後、薬を塗り込む。

【11月20日】朝から青森市内のホテルを会場に、地域防災力向上シンポジウムの設営や受付の補助。用意されたスタッフ用の昼食のボリュームに驚きながら、完食してしまった。それでも夕方になってちゃんと空腹を覚えたのは、ずっと立ちっぱなしだったからかも知れない。シンポジウムには約300名が集まり、高校生のポスターセッションなどもあり、盛況だった。この日の夜も飲酒を控え、今の思いの丈をぶつけるべくブログを更新。25日のことはさておき、あまり歯切れのよくない、何だかオブラートに包んだような内容となってしまったし、結果として思いの丈をぶつけるところからはかなり離れてしまったが、本心を自分の胸に秘めておくべきこともあるわけで。

【11月21日】アルコールに続き、この日からカフェイン抜きもスタート。毎朝のコーヒーは日課だが、カフェインレスのものに切り替える。アルコールもカフェインもどうせ無駄なことなのは、最初から織り込み済みだから。

ようやく背中の痛みが治まってきた。そのこともあって19日から全く走らず、思い切った休足を継続中。明日ぐらいは少し走った方がいいかな。 Continue reading

冷めた熱を温め直す方法 #ランニング

久し振りに愚痴をこぼしたい。でも、吐き出すことで楽になることもある。今回はご容赦願いたい。

ここ最近、すっかり「走る」ということに対する熱が冷めてしまった。ケガが長引いていることが一つの要因であることは否定しないが、別に走ることが嫌いになったわけではないし、今の時点では走ることをやめようというわけでもない。ただ、何となく走ることへの意欲、目標というか目的そのものが霞んで見えなくなってしまった、そんな感じなのだ。

そして、熱が冷めたことに伴う副作用として、自分自身の思考がネガティブな方向に向いている。

経験上一つ言えることは、ネガティブな思考を持ち始めると、いろんな事象がネガティブな方向へと進んでいくということ。

気分がどんどんマイナス思考となり、心が荒み、人に会うことも話すことも億劫になり、片頭痛や節々の痛みはもとより、これまで痛みを感じたことがなかった色んなところが痛くなる。やがてその痛みは苦しみを伴い、あらゆる事象から遠ざかりたくなる…ってこれ、ちょっと危険な兆候ですよね。

しかし、残念ながらというか運良くというか、社会の一歯車として生きている以上、そのことをひた隠して歩んでいかなければならない時もある。今がまさに、そういったタイミングだ。だからこそ苦しいのだ。このいますぐにでも吐露してしまいたい心境を、心の奥底に秘めたまま生活することが、どれほど苦痛なことか。(そういう意味では、捌け口としてこのブログを開設しておいてよかったよかった。)

人生は帳尻が合うようになっている。

以前畏友が何気なく発したこの言葉が、僕の座右の銘になっている。

いい時もあれば悪い時もある。その波は大きい時もあれば小さい時もあるし、そうやってグルグル巡っていくものなのですよ、人生なんて所詮。立場が変われば生活リズムも変わる。そのリズムに乗れなければ、歯車なんて欠けたも同然。それでも社会は何事もなく回るのだから、所詮一人の存在なんて小さなものなんだって…ね。

おっと、また愚痴っぽい話になってしまったので話を戻そう。

いよいよ青森県内も平地に雪の便りが届きそうな気配となった。今年の冬は暖冬が見込まれているそうだが、この時期までジャケット1枚羽織るだけで走れるなんて、皆さん最高じゃないですか。

そんな中、前述のとおり「走る」ことへの熱が冷めてしまった自分。

何が面白いんだろう、何をそんなに躍起になって走っているんだろう。その目的は何だ?そして、何をどうしたいんだ?

自問自答がどんどん詰問に変わり、自分自身を追い詰めていく。
今年はケガもした。仕事の関係で走れなくなったことが何度あっただろう。それでもなお、走り続けようとする理由はなんだ?そこに道があるから?そんなくだらない理由じゃないだろう?

時間やスピード、走行距離を追い求めることに何の意味があるのだろう。自分自身に打ち勝ちたい?今の自分で充分じゃないのか?そんな詰問が更に繰り返される。

自分自身が走れないことへの苛立ち、疎外感やストレスもあった。

ちなみに、現時点で自覚している症状は次のとおり。

・左脚アキレス腱痛(6月に発症して以来、現在進行形)
・右足足底痛(筋膜炎までには至っていないと思う)
・右背筋痛(一番新しい痛み。寝違えたか筋を伸ばしたか。いずれにせよ非常に厄介)
・左肩痛(四十肩の名残。季節の変わり目に疼く)
・胃痛(毎日ではないが、突然痛み出すことがある)

満身創痍とはまさにこのこと。左をかばって右を痛め、姿勢がおかしくなり他の部位も痛め、と、「炒め」ならぬ「痛め」のフルコースがエンドレスで続いているのだ。

しまいにはラン仲間と一緒に走る気力まで奪われ、色々理由をつけて走ることをサボるようになった。
そして、いよいよ飲む喰うに手を出し、現時点ではベストを出した頃の体重から3キロ増!これではますますケガをするだけだ。

総じて見ても思い描いていたほど走ることができるはずもなく、どうやら2018年のランは不本意の中で幕を下ろしそうな気配。結局、5月の仙台国際ハーフマラソンで自己ベストを更新したものの、それ以降は全くペースが上がらないまま、練習量も激減。そもそも2018年にエントリーした大会を5つ棒に振っているんだから、もはやどうしようもない。

…でも、「不本意」と思っている時点で、この過程に納得していない自分に気がつく。
もう少しやれたんじゃないか、もうちょっとやれるんじゃないか。

とはいえ、北海道マラソンでの「血染めの洗礼」が、トラウマとして深く残っているのも事実。
また同じ事態に陥るようなら、今度は本当に病院送りになってしまう。

結局、「走る」ことに対する熱が冷めたのは、長い距離を走ることが怖いからなのかもしれない。だから実際、今月上旬に行われたYGMでは、長距離に対する自分の耐性を確認したかった。(実はこれが、YGMに参加した本当の理由だ。)

さて、マラソンシーズンはこれから最盛期を迎えるというのに、こちらはぼちぼち冬支度を本格化させようという心づもり。

とにかくまずは気持ちをもう一度奮い立たせるべく、好きなものを食べて、好きなものを飲んで、「あ、ヤバイな」というところまで追い詰めようと思う(ウソ)。

ところで皆さん、ランナーにとっての一番の良薬って何だと思いますか?

僕はこう考える。

体調万全でレースに臨んだ結果、自分自身で納得の行く走りができたこと、更には、目標としていたタイムをクリアしたこと。

これこそが、最高のカンフル剤でしょ。

ただ、このカンフル剤はどこの薬局にも置いていないため、心技体+運を自分自身で調合してこそ初めて、カンフル剤として機能を果たす。

しかし、今のところそのカンフル剤を手に入れるまでの道のりは遠そうな気配。

でもいい加減、良質なカンフル剤を調合するための処方を探しに行かないとなあ…。(これ、結構切実)

己に打ち勝つ。そんな勝利の美酒に酔いしれる日は来るのだろうか。