東北OMマタギ合宿に参加してきたよ!

毎年開催されている「東北OMマタギ体験合宿」。
今年開催されるのは『東北OMマタギ体験会2023 & カードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」』。
タイミング良く予定が空いている時の開催だったので、迷うことなく参加することを決めた。

この合宿の開催地である北秋田市は母の故郷であり、集合場所となっている阿仁前田地区にある前田公民館までは、母の実家から車で20分ほど。それ以外にも、色々御縁がある。
この合宿、5年前は「東北OM親子企画 マタギ体験合宿」ということで甥っ子と二人で初参加。甥っ子が両親の手を離れ初めて伯父さんと遠征するということもあり、母そして妹は、二人が待つ合川へ帰ってくるまで気が気でなかったようだ。

ちなみにあの時は、7月下旬の開催だった。母の実家の至近にある合川駅から甥っ子と二人で秋田内陸縦貫鉄道に乗車し、阿仁前田駅を目指したが、今回は車で目指すことに。
そういえば阿仁前田駅は、2年前に阿仁前田温泉駅に改称していたことを、初めて知った。

今回は、母も実家に遊びに行きたいということになり、二人で北秋田市を目指すこととなった。しかし、どうも朝から色々バタバタしていた感があり、焦りと苛立ちが募る中での出発となった。こういう日は色々気をつけないといけない。

…と、東北道の大鰐弘前ICを通過したところで気がついた。
あれ?さ、財布がない!ということは、免許証もない!
既に車は高速道の本線を走っている。汗が一気に噴き出し、鼓動が早くなった。母に事情を説明し、次の碇ヶ関ICで下車、そのままUターンして再び弘前市を目指す。
何やっているんだ、俺は…。

とはいえ何せ免許不携帯。あってはならないことを既にやらかしているのだから、運転は慎重に…と、大鰐弘前ICの出口に向かったところで、前の車が赤い旗に遮られたのを見た。
こ、こ、こ、高速隊がいる!

出口のゲートの陰に潜む警官。さすがに何もしていない(といっても免許不携帯)ので停車を求められることはなかったが、家に着くまで手が小刻みに震えていた。
結局1時間のロス。再び同じルートで目的地を目指すも、高速道も長い区間にわたって1車線になっていたり、法定速度順守車の先導により、予定を1時間以上も過ぎて北秋田市の母の実家に到着。

ここで母を下ろし、前田公民館を目指すつもりが、今度は母が「実兄の家に行きたい」と言い始めた。母の実兄、つまり僕の伯父が住んでいる場所は通り道の米内沢地区。
早く、いいから早くと後期高齢者を急かし、先を急ぐ。そもそも自業自得なのに、酷い息子だ。
幾度か通っているので道はわかっているが、実は距離感がよくわからず、本当に20分で到着できるのかわからなかった。結局母の実家を13時45分に出発し、前田公民館には集合時刻の14時に3分遅刻して到着した。

既に幾度も会っている顔、見覚えのある顔、初めて見る顔、様々な顔が並んでいる。
今年度後半は、なるべく多くの人(それは再会も初めましても含めて)と会うことを密かな目的にしていた中、まさにこの体験合宿もその一つだった。前回は日帰りとなったが、今回は宿泊込みで翌日の森歩きやゲーム体験まで込みのフルスペックで参加するのだ。
まあ、スタートで挫かれた出鼻はこれから巻き返せばいいだけの話。
主催者の挨拶もそこそこに、いきなり鶏と面通し。前回は熱中症でぐったりしていたが、今回は目を白黒させている。マジか…。

ちょ、ちょっとかわいいんだけど…

しかし、この生きた鶏の命を頂くのがマタギ合宿の本質。皆さんがなかなか前に出ようとしないので、オッサンが一役買った。

かわいそうなのではなく、命の恵みをありがとう、なのだ。

まだばたつかせている羽をおもむろに毟り始める。すると、それに導かれるかの如く、様子を見ていた皆さんも鶏を囲み始めた。いいぞいいぞ、こうじゃなきゃ。

嗚呼、文字通り丸裸に…。

ここでは書けないあれやこれやがあった後、鶏は生肉として解体されていく。そしてこれらはこの後、きりたんぽの肉となり、焼き鳥となり、そして…。(むふふ)

大きな豚肉(やまと豚)の塊はスライスされ、お手製の柳の串に刺してじっくり燻製風に焼いていく。

やまと豚を燻しています。

きりたんぽは、あらかじめ潰された米を棒に成形し、炭火で表面を乾燥させてから薄く焦げ目がつく程度に焼いていく。

全員のお手製です。

更に、(これらには手を伸ばさなかったが)鮎の塩焼き、クマの煮込み、餃子まで振舞われ、まだ15時を過ぎたばかりだというのに、缶ビールを手にしているという…さて、これ最後まで持つのか?

その後17時には公民館の中に会場が設営され、地元の方々も交えた宴会がスタート。

安定のきりたんぽ。みんなで仕上げたヤツ。

個人的には、「むふふ」とほくそ笑みながら待っていた「鶏の刺身」の登場に大コーフン。
この味が忘れられなくて5年ぶりに参戦したといっても過言ではないのだ。

ささみにレバー、砂肝、更には腸まで。 これ全部刺身で生食します。

刺身には日本酒。しかしこれはヤバイ。

結局20時頃まで続いた大宴会も無事に大団円となり、全員で片づけを終えた後、宿泊場所でもある阿仁前田温泉駅隣接の「クウィンス森吉」に向かう。
チェックインを終え、4人部屋へ。地元の方々へ誘われたので二次会へ向かう、という他のメンバーを見送り、結構酔っ払っていたがひとっ風呂浴びることにした。
ただ、風呂に向かったタイミングがちょうど終わり間際だったらしく、既に撤収を始めようとしていた係の方を追い出すことに…ホントすいません。

22時前の阿仁前田温泉駅。間もなく最終列車が入線します。

二次会メンバーが22時過ぎに戻ってきたので(門限が22時だと聞いたのでLINEで伝えたら、帰るタイミングを探っていたらしい)、部屋で三次会スタート。

色んな話を聞き、そしていろんな話を聞いてもらった。来てよかったなあ、と思った。
結局日付変更線を超える手前でこの日の宴は閉幕となった。

もはや日本酒の域を超えている。

翌日は6時に起床。酒は全くと言っていいほど残っていない。さすが、いい酒は朝が知っている(©百川)のだ。

2日目はカードゲームの体験会。「moritomirai」は、森への関心を高め、森の未来を考えることのできるカードゲーム。

壁がスクリーン代わりです。

このゲームを阿仁前田の「クウィンス森吉」で行うということ自体がとても素敵だな、と思った次第。
実は20年ほど前に森林保険を担当していたし、うちの父親の出身地が西目屋村だということで、森林にも色々縁がある(母名義の小さな林があるのだ)。

参加者全員が異なる役割でプレーヤーに徹します。

ということでこのゲームをとても楽しみにしていたけれど、思った以上に「森の未来」を考えることの難しさを痛感することとなった。

結果、目標達成は10人中8人。

終わった後は、全員でカレーを堪能。残念ながら今回参加が叶わなかったMさんからごちそうだったとのこと。御馳走様でした!

2杯も食べるわけ、な、な、ないじゃないですか!

結果的には飲んで食べてがメインのイベントだったかも知れないけれど、まだ命ある鶏の羽を毟る経験はさすがに初めてだったし、前回経験済みのことでもまた楽しいんだな、これが。

開催まで尽力された皆様に心から感謝するとともに、前田地区の住民の皆さんもありがとうございました。そして、今回参加された皆さんとの御縁にも最大限の感謝を!
本当に楽しかったです。タイミングが合えば、是非また参加します。ありがとうございました。