選挙民への愚弄行為

去年の9月。郵政民営化だ刺客だ何だと騒いだあの選挙は、一体何だったんだろうか。
言わずもがな、このことである。

「民営化反対とは一言も言っていない」造反組が会見

自民党は28日午前、郵政民営化に反対し、同党を離党した造反組のうち、堀内光雄・元自民党総務会長ら無所属衆院議員11人の復党を審査する党紀委員会(笹川堯委員長)を12月4日に開くことを決めた。

早ければ、同日の委員会で復党が正式決定する。誓約書を出さなかった平沼赳夫・元経済産業相については、復党願を受理せず、預かることになった。

復党する11人のうち、堀内、古屋圭司、山口俊一、森山裕の4氏は28日午前、国会内で記者会見した。堀内氏は、「首相が温かい気持ちをもって、復党にゴーサインを出してもらい、感謝の気持ちで一杯だ。基本的に郵政民営化に反対ではなく、選挙期間中の会見、公報でも反対とはひと言も言っていない。賛成だ」と強調した。山口氏も「民営化自体は反対ではない。衆院選でも党内手続きがあまりに乱暴だったということを論争した」と語った。

一種開き直りとも取れるこの発言には、呆れる以外なかった。
彼らは郵政民営化に反対したから自民党から離党せざるを得なくなり、刺客を送り込まれながらも、薄氷を踏む思いで議員の座にしがみついたのではなかったのか?


もっとも、遅かれ早かれこういうことになるんだろうな、ということは、薄々わかっていた。
復党する議員にしてみれば、早い段階での復党は願ったり叶ったりだろう。議員が活動して行くにあたり、党籍を有しているといないとでは、政党助成金を受け取れるか受け取れないかで、雲泥の差があるというのを聞いたことがある。

自民党にしてみれば、参院選前に復党させることで、「自民党」への得票数を上乗せしようとする思惑が見え隠れ。そういう意味では、今回の復党により、自民党と復党議員、ともに「相乗効果」を見込むことが出来るだろう。

しかし、である。
どう考えても腑に落ちないことがある。
それは、投票した有権者に対しては、何の説明もなかった幼に思えることだ。後援会に対しては色々と説明やら相談やらがあったらしいが(しかも、後援会としては一刻も早い復党を望む声が多かったようだ)。

取材のマイクを向けられても黙りを決め込む議員。何か、やましいことでもあるのだろうか。
これでは、自民党と復党議員の「私利私欲」ばかりが先行し、有権者不在だと言われても仕方ないのではなかろうか。
選挙から僅か1年での復党。しかも自民党は、落選した候補の復党も検討しているという。
となると、あの選挙は一体何だったのだろうか。

彼らはどんな公約を掲げて選挙に臨んだのだろう。
彼らの取った行動が真っ当で潔いというのであれば、是非御意見を聞かせて欲しい。
さあ、この11人の取った行動をどう思う?

民主主義社会にあって、こういう選挙制度がある以上、一定の条件(年齢等)さえクリアできれば誰でも立候補者となることができるし、有権者からの支持を得られれば国会議員となることが出来る。
しかし、比例区で当選した立候補者の中には、「ホントに国会議員の資質を有しているのか?」といった輩がいるのも事実ではないのだろうか(そういえば最近タ○ゾー議員も見かけなくなったな…)。

あの選挙が、小泉前首相の誘導による、小泉前首相のための選挙だった、と今更気づいても遅過ぎるということ。久しぶりの高投票率に僕はちょっぴり嬉しさも覚えたけれど、結局のところ投票民は、見事に彼の手のひらの上で躍らされていた。劇場型政治と言われてきたが、今回の復党騒ぎがその綻びを一気に露呈したように思える。要するにみんな、「役者」だったわけだ。
今回の一件で、政治離れはますます加速するだろう。二枚舌の彼らの、一体何を信頼しろと言うのか。

一方で、「小泉チルドレン」あるいは「刺客」と呼ばれ、当選した議員達は、気が気ではないだろう。
しかし、現実を見る限り、恐らく4年後(3年後に改選を迎える)も議員として活動しているのは、ほんの一握り程度しかいないのではないだろうか(某議員の元妻だという、髪型のおかしな女性議員ぐらいか?)。

こんなことをするぐらいなら、いっそのこと首相交代の際に、衆参共に解散総選挙を義務づける制度でも確立して欲しいものだ(参院には解散がないけれど)。

というか、あまりにも選挙民はバカにされすぎた。今一度そのことに気づかなければならないと思う。
選挙を行うためには血税が注ぎ込まれ、当選した議員はその血税で飯を食っている、ということを改めて認識しなければならない。

来年の参院選挙。今回の一件に嫌気の差した国民が、どういった行動に出るか。
これまで「投票には行きましょう」としつこく言ってきたが、少し様子を見ようと思う。
こんな選挙を繰り返されるのであれば、選挙をする意味、投票する意義を見出せないからだ。
来年の楽しみが、一つ増えた。

2 thoughts on “選挙民への愚弄行為

  1. てつ

    少なくとも自民には絶対にいれません。
    ホント、バカにしすぎ。
    プライドがないのか!とw

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  2. nonvey

    あっちにフラフラ、こっちにフラフラな政治家(イヤ、政治屋?)の人は沢山見てきていますので、所詮そんなものなんだろうな、と思っています。
    信念もプライドもないクセに、虚勢ばかりを張る人、いるじゃないですか(笑)。何の得にもならないのにねぇ。
    結局のところ政治家にしても国民にしても、根底にあるのは「自分の損得勘定」ってことなんでしょうね。

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