受験戦争のツケとイジメ教育と

最近、学校を舞台にしたイヤなニュースばかりを耳にしているような気がしますが、僕の同期や後輩にも教壇に立つ人間が沢山いるし、僕自身、世代的には同年代の子供がいても何の不思議もない年齢なので、ああいうニュースを見るたびに何とも複雑な心境に駆られます。

でも、今日は敢えて言わせてもらおう。

「公立高校」の履修漏れが発覚して数日してから、「私立高校」の履修漏れが続々と明らかになってきましたね。
昨晩だったかな、愛媛県の某私立高校の校長が釈明の記者会見をした模様が放映されていたんですが、観ていて本当に呆れて開いた口がふさがらない、そんな感じでした。


当初履修漏れは十数名しかいないという発表だったのが、300人を優に超える履修漏れがあったことが発覚したということを受けての記者会見だったのですが、「何故今になって大勢の履修漏れが発覚したのか。」という記者の問いに「要するに隠蔽したかったんですな。」と、まるで悪びれることなく、それが当たり前のような顔で答える校長の開き直りとしか思えない態度が、見ているこちらからすると不愉快極まりないといった印象でした。

ハッキリ言わせてもらいますが、こういう生徒のことを考えず自分の保身や損得を重視するようなヤツが校長をやっているから、学校はダメになるんだよな。

一方、文部科学省が打ち出した救済策というのが、「補修の上限は70コマで単位取得を認める」という内容だったんですが、それじゃあこれまで真面目に学習指導要領に沿って指導をしてきた、正直な教育者そしてその教え子達が馬鹿を見るという典型ではないか、そして来年度以降も「補修」のみで済ませようとする学校(特に受験校)が絶対出てくるのではないか、と思うのは僕だけでしょうか(事実、以前にも同様の履修漏れを指摘されたにもかかわらず、時間割の改ざんをして誤魔化していた高校は数多あるらしい)。

まぁ、誰とは言わないけれど、とりわけ高校に在籍していながらスポーツで活躍しているあの人やあの人にあの人なんて、まともに授業を受けているわけないんだから、そういう意味では「融通の利く高校」の単位取得なんて、相当いい加減なのかな、と勘繰ってしまいます(大体にして出席日数だって足りているのかな?)。

ちょっと話が逸れました。
完全週休二日制にゆとり教育。授業をする時間が減っているクセに受験対策のボリュームは増える一方だから、一番とばっちりを受けているのは他ならぬ生徒。
大体今回の履修漏れにしたって、生徒が提案したモノではなく、学校側すなわち先生である大人の皆さんが勝手に仕組んだことですよね。

茨城県の高校では、この問題を苦にしたと思われる校長先生が自殺しました。
狡いよね、この校長。可哀想だって言われるだけで、咎められることはないだろうし。

大体にして一番の被害者は生徒であって、校長、あんたが死んだところで何の解決にもならないし、生徒の更なる動揺を誘うだけなんだって。それを「うろたえるな」って、酷だよな。
こういう問題が発覚すると、必ず自ら死に走る輩が出るんじゃないかという気はしていましたが、この自殺した校長には、本当に校長としての資質はあったんだろうか。無責任も甚だしいと、辛辣な言葉をぶつけたくなります。

しかし、この履修漏れの問題が発覚してからもう1週間くらい経っていると思うんですが、なんかまだ氷山の一角のような気がしてなりません。
先に挙げた愛媛の某私立高校校長みたいな考えを持つ指導者、大人が、まだ沢山いるように思えるんです。
受験対策が招いたツケとはいえ、学校側に温情を与える必要はないと思うし、生徒達の将来を考えると、むしろこれまで以上に厳しい態度で臨んだ方がいいような気もするんですけどね…。

片や、いじめを発端とする生徒の自殺が相次いでいますが、最初に気づいているはずの先生、大人が気づかない振りをしているだけではなく、先導を切ってイジメに加担していたというんだから、イジメに遭った生徒にしてみれば堪ったものじゃないですよね。

このことはあまり言いたくなかったんだけれど、俺なんかは小学校の頃、からかい程度のイジメはしょっちゅう受けていて泣かされていたし、うちの妹なんかもっと酷くて、中学校に行ってからクラス中から無視されるという悪質なイジメを経験しています。

あの時も、先生は誰も手をさしのべてはくれなかったような気がするな。
でも、妹も俺も決して最後まで負けなかったよ。大体、からかわれるような要素を持っている自分も悪いと思っていたし、そのことを盾に学校に救済を求めるなんて発想はなかったけれど、救いの手をさしのべてくれるところはあったからね。だから家族の結束が強固なんだろうな。最近は不協和音ばかり続いているけど(笑)。

しかし、あちらこちらで同様の事件が続くと、何か連鎖的にこういった事件事故が起きていると考えても仕方ないと思います。それにしても、あまりに死に急ぐのが短絡的過ぎて、今の子供達はそういう意味では「打たれ弱い」子供ばかりなんだろうか、という気もします。
その一方で、大人も子供もやはり非常に「自分勝手な」振る舞いをする人間が(自分も含めて)増えているんだろうなぁ、と思えて仕方ありません。

文部科学省は、こういう事件が起きてからようやく腰を上げますが、大体ここ数年間イジメによる自殺者はいないという統計結果をまとめているくらいだから、そんなマスターベーションで満足しているような連中に抜本的な対策を講じろなんて言う方が無理なのかも知れませんね。

子供にとって有害だ!というものが世の中には氾濫しているけれど、その有害なモノを作り上げたのは他ならぬ大人ですからね。
結局、子供達のためによかれと思ってやっていることが、子供達を苦しめている。
大人が子供への加害者になっている、という社会になっていないかな?
子供達が大人を信用しなくなる、大人の言うことを聞かなくなるような社会にしているのは、結局大人達に要因があると思うのは、僕だけかな。

子供もいないクセに、教育現場に立ったこともないクセに、いい気になるな!と怒られそうだな…(苦笑)。

Leave a Reply