これでやっと「修了」?

弘前大学人文学部紀要『人文社会論叢』(社会科学篇)第13号の「抜き刷り」が送られてきました。実はこれ、修士論文とは全く別に、大学の教官2名とともに私も名を連ねて共同作業した論文なのです。大学院を修了した昨年の今頃から、教官と不定期に連絡を取りながら、ようやく完成に至ったもの。これでやっと「修了」したような気分です。
タイトルは、『リーダー生成過程としての選挙と地域づくりの展開 −青森県A村を事例に−』。当初は、今では風化しつつある「津軽選挙」を題材にB村に潜入し、聞き取り調査を行う予定だったのですが、共同編集した教官も私も、B村にはあまりに知り合いが多すぎる(よっていろんな意味でリスクが大きい)、ということでやむなく断念。結局、私の住んでいる弘前市の近隣にある某村を対象に、4年に1度の村長選挙に際し、どのような村長選出の住民行動があり、その過程でどのような団体や組織が関与したのか、そして村が、そのような選挙を経てどのように発展していったのか、聞き取り調査や資料などから分析する、といった内容にまとまりました。


聞き取り調査は私が大学院に在籍していた時に行いました。教官を含めて4〜5名で、現地に赴いて聞き取りを行いましたが、何せ地元民が私一人ということで、半分「通訳」に徹していました。特に、テープ起こしは本当に大変でした。
こうやって、当初は演習の一環として行われていたものが、どんどんネタとして膨らみ、他の院生も一緒に書き上げていきました。演習が終わると共に他の院生はモチベーションが低下し、関与がどんどん薄くなっていきました。それとは反比例し、教官と私の思いはどんどん高まるばかり。「折角だから、紀要に載せよう!」という話になったのです。結果的には、既に出来上がったレポートを再度練り直すことになり、題材のベースは(一応)私が書き上げ、それに教官が肉付けをしながら、再び私が修正するという作業を何度も繰り返し、当初A4サイズの用紙に4枚ほどのレポートだったのが、あっという間に20枚以上に膨れ上がってしまいました。ただ、私だけではどうしても舌足らずであることや、ボキャブラリーの欠如が露呈してしまうので、タイトルや小括、考察を始め、多くの部分で教官がまとめて下さいました。改めて出来上がったものを見ると、何て言えばいいのか、別に大したことをしたわけではないのですが、感慨無量といいましょうか、それまでに何度も書き直したことが思い出されると共に、他の人の手に加わると、文章も立派に変わるものだなぁ、という思いが交錯。
ハッキリ言って、修士論文よりはるかに面白い内容です。
ちなみに。弘前大学人文学部紀要「人文社会論叢」は、こちらから閲覧することができます。
ただし、昨年から全く更新されていないため、13号が一体いつ掲載されるかは大いに疑問ですが…。

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