何をやってるんだか…

夜に捜索活動視察=石破防衛相
石破茂防衛相は28日夜、海上自衛隊イージス艦と漁船の衝突事故で、行方不明の漁師父子の捜索に当たっている護衛艦「あけぼの」に乗り込み、捜索活動を視察する。防衛省が同日、発表した。
石破氏は、ヘリコプターであけぼのに移動し、衝突事故で問題となった夜間航行時の見張り員などの監視態勢について確認する。吉川栄治海上幕僚長が同行する。

ハッキリ言って、大臣が捜索活動を視察したところで行方不明者が見つかるとは考えにくいし(それとも大臣は何か「不思議な力」でも持っているのだろうか)、今の状況が好転するとは思えない。一体何をしに行くんだろう、というのが率直な感想だ。大臣と海上幕僚長が護衛官に乗り込む、ということだが、秘書や関係者(それも1人2人ではないだろう)が同行することを思えば、そのエネルギー(時間外勤務に係る経費や搬送費等といった公費)を他に費やすことを考えるべきではないのだろうか。

自分のことを棚に上げて言わせて貰おう。
どうも国のお役所連中は自分たちが一番だという意識があって、自分たちが何とかすればどうにかなるという勘違いを、未だに抱いているらしい。
潜水艦「なだしお」と遊漁船との衝突事故の教訓は、20年も経った今となっては生かされるどころか、とっくに忘れ去られてしまったようだ。

中立的な立場で見た場合、連日のように報じられているニュースを見て違和感があるとすれば、毎回出てくる親戚のオバちゃんが、実はマスコミに仕向けられて「言わされている」のではないかということと、漁船に乗り込んでいた親子が、ライフジャケットを付けていたかどうかということは、ほとんど報じられていないということだろうか。


少なくともライフジャケットを身につけていれば、発見されていた確率は相当上がっていたのではないか、と思う。船に乗る人にとってライフジャケットは言わばシートベルトみたいなものであって、着用を義務づけしているにもかかわらず依然その意識が低いのは、罰則規定がないに等しいからなのだろう(詳細をご存じの方、教えて)。

まあそれはともかく、防衛省のお粗末振りには開いた口がふさがらない。まあ、叩けば何か出てくるだろうとは思っていたけれど、ここまでくると、海に消えた漁船の親子が可哀想としか言いようがない(国は今後、何らかの形で賠償責任を負い、金銭的補償をしていくのだろうけれど、命の重みに代えることはできないと思う)。

こうなると石破大臣の責任が問われ始めており、恐らく辞任は不可避の情勢に追い込まれそうな気配であるが、大臣の監督責任云々といった問題よりも、防衛省内に渦巻く体質そのものが問題なのだから、多分誰が大臣になったところで、何も変わることはないのだろう。結局のところ国の組織なんてどこもかしこも伏魔殿。艦長やお偉方が辞任したって、結局また元の組織から選ばれてくる訳だから、何かが劇的に変わることを期待するのは無理なのかも知れない。

僕も仕事の関係で国の関係者と連絡を取ったりすることはあるけれど、責任の所在のなさというか他者への責任転嫁のテクニックは、天下一品かも知れない(お陰でどれほど振り回されたことか)。

以前と比較すると大分対等な関係が形成されつつあるが、以前は国と地方は上下主従の関係にあって、国の役人はホントにむかつくほどイヤなヤツばかりだったと思う。結局、もの申す人がいない(せいぜい国会議員ぐらいか?)から、多分これまで「痛い目」を負ったことがないだろうし、誰ももの申さぬ土壌があったからこそ、ああいう生温い体質になってしまっているんだと思う(まあこれは、国だけじゃなく都道府県をはじめとするすべての地方公共団体にも共通して言えることなのかも知れないけれど)。

「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」という基本中の基本が出来ていないことを考えると、この土壌で育っているのは「さや(囁き)・いん(隠蔽)・げん(暴言、失言)」なのかも知れませんな。

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