読みかけの本3冊

通勤の際には、PORTERのブリーフケースをいつも持って出かけるのだが、この中に、読みかけになったままの3冊の本が入っている。早く読まなきゃ、と思うのだが、いろんな事情があって、完読できないのだ。
本3冊だから、結構な重さにもなるし、スペースも占有している。
朝夕の電車に乗り、座席を確保した時点でいずれかの本のページを開く。ところが、なかなか先に進まない。イヤ、ひょっとしたらずーっとこのまま進めないのかも知れない。
いずれも、他の方から紹介を受けたり、他の方が薦めていた本ばかり。
こういった素晴らしい書籍を読み耽りながら、書籍を選ぶ際の自分の「選眼術」のなさに、呆れている。
ただ、本当に読んでいて「これは…」と思う機会に恵まれることが少なく、そういった意味ではこの3冊というのが、今後愛蔵書になる可能性も秘めており、早い段階で紹介しておきたくなった。

4569617360 伝わる・揺さぶる!文章を書く
山田 ズーニー

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山田ズーニー 『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
作者は以前、某有名通信教育会社に勤務していて、「小論文」の添削を担当されていたそうな。
ひょっとしたら僕も、この人に採点してもらっていたのかも知れない…。
表現下手な僕が、一度読んでおかなければ、と思い購入した本。日本語の新書には珍しい、左開き横書きの態様を取っている。「ああ、あるある」と同意したくなるシーン、「あ、そういえば…」と、ふと思い出してしまうようなシーンが満載。何故意思疎通がうまく図れないのか、それを解決するだけではなく、いかに相手の立場を考えて言葉にするか、といったことがごく当たり前のように書かれているのだが、実はこれが、目から鱗が落ちるほど共感、そして学習(再確認)できる内容になっている。
コミュニケーションのうまく図れない親子、自分の意見がどうもうまく伝わらない、僕みたいな人たちにお勧め。
読みかけの理由:同じところを何度も何度も読み返しているから。いつになったらこのループから抜け出すことやら…。

4062747596 失敗学のすすめ
畑村 洋太郎

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畑村洋太郎 『失敗学のすすめ』
過去に起きたいろんな「失敗例」を基に、そこから人間はどうやって学び、教訓として生かしていくのだろうか。僕は、そんな失敗を恐れる一人である。経験、前例、アリバイ的な会議、根回し。失敗を恐れるが故に、毎年同じようなことばかりを繰り返す役所。ひょっとしたらそれは、失敗の上に成り立った「前例」なのかも知れないのに。もちろん、住民の血税で全てを賄っている以上、失敗は決して許されないというのが大義名分である。しかし、失敗から生み出される教訓には、もっと大きな意味が含蓄されているような気がしてならない。失敗を恐れず、失敗を認めること。そして、そこからどう学んでいくか。何度も同じ過ちを繰り返すJR西日本や日航の関係者、前例ばかりを踏襲する役所の人たちには、本に穴が空くほど読み通して欲しい一冊。
読みかけの理由:身につまされる内容に触れ、そこから先に進めなくなってしまった…。でも、大丈夫。必ず読み通します。

4594049664 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜
リリー・フランキー

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リリー・フランキー『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』
僕は、文芸本をあまり読まないが、ふとしたきっかけで購入したこの本(某「ち」さん、本当にありがとう)。どこにでもいそうなオカン。ちょっと風変わりなオトン。ありふれた日常の風景。そして、多くの人が経験しなければならないであろう「親の死」。僕はまだ両親が健在で、しかも長い間同居を続けているのであまり感じなかったことだが、この本を読んで改めて、自分が無意味に齢を重ね、そして父母が老いていることを痛感した。この世に生を受けたのは、父母がいたから。父母に、感謝の言葉を伝えたことはありますか?正直、僕はないです。
これまで、本を読んで涙したのは2度だけ。でも、この本が「3冊目」に加わることは確実。
電車の中でずっと読み続けていたが、何度涙をこらえたことか。周囲から見ると、いい年扱いて本読みながら涙する自分が「ちょっとおかしな人」に見えたかも知れない。ただ、今年読んだ(読んでいる)書籍の中で、一番のお勧め作品になるのは、どうやら間違いなさそうだ。
読みかけの理由:いよいよラストシーンが近づくにつれ、号泣しそうな気がして、電車の中で読めなくなった。
実は、読みかけの本があれば、聞きかけの音楽もあり。
嗚呼、なんでこんな中途半端なんだろう(凹)。

4 thoughts on “読みかけの本3冊

  1. けいこりん

    私も今読みたい本をさがしています。
    参考にさせていただきますね。
    フィクションより事実を読みたい気分のとき。
    事実より軽く読みたい気分ってありますよね。
    自分が今どんな本を求めているのかって気づくのは難しいです・・・。

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  2. nonvey

    実はこの投稿の後に「東京タワー」を読み終えたのですが、最後は涙なくして読むことができませんでした。悲しく、熱くなる。そんな作品です。今年一番のお奨め。

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  3. けいこりん

    「東京タワー」映画を見たのでその後本を読むのはどうかな〜と思い、まだ読んでません。
    映画のラストでも泣きましたょ。
    黒木瞳みたいな40代になりたいです・・・・。
    ステキすぎですよねっ

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  4. nonvey

    そうか…「東京タワー」って映画の方になっちゃうんだ(苦笑)。ええと、映画になったのは江國香織さんが書いたモノで、リリーさんの「東京タワー」は全く別物なんです。
    なおさら読んで頂きたくなりました(笑)。

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