今年の沖縄旅行顛末記

毎年恒例となったこの時期の旅行。
夏期休暇を早めに取得し、本格的な夏休みシーズンで混雑する前に夏を満喫してしまおう、という魂胆。
これで何度目になるのかは忘れてしまったが、今年の夏も沖縄に行くということは、弘前に桜前線がやってくる遥か前に決まっていた。
以前は9月になってから訪れることが多かったんだけど、台風の遭遇率が高いということで、数年前から7月の早い時期、それも平日に出発するのが常態化しつつある。
さて、今年はというと、かつて「嵐を呼ぶ夫婦」と呼ばれていた頃に再び戻ったらしく、天気予報はなぜか僕らの出発する辺りから天候が不安定となり、しかもかなり強い勢力の台風7号が先島諸島に接近するとの予想。もし北寄りに進路を進んだ場合、沖縄本島も暴風域に入るという予報になっていた。
7月10日、曇り空の青森空港。
朝イチの羽田行は予想通りとても空いていて、かなり空席が目立つ。出発時刻の数分前には扉が閉められ、定刻通り出発。弘前付近の空を上昇しながら、一路羽田へ。
9時25分に羽田空港に着陸、乗り継ぎの手続きを済ませ、沖縄那覇便の搭乗口へ。
相変わらずここだけは、どこか浮かれた人たちがあちらこちらから集結しているらしい。もちろんその中の一人として、浮かれ気分で搭乗。11時05分、珍しく定刻通り出発。席は満席とはなっておらず、しかし水曜日ということもあってか、浮かれた人たちよりもビジネス客の姿が目につく。
機長のアナウンスでは定刻より5分早く到着、とのことだったが、どうやら混雑する時間帯だったようで、沖縄上空を1度旋回したあと、結局5分遅れで那覇空港に到着。
空港の外に降り立つと、相変わらず暑い空気が全身をモワッと包む。
ああ、今年もまた来られたことに感謝。
予約していたレンタカーを借り、いざ!
…ここで沖縄あるあるを幾つか。

・沖縄自動車道を走る車は、軽自動車か「わ」ナンバーの車(レンタカー)が圧倒的に多い。

・地元の車は、高速道路でもお構いなしに窓を全開。

・那覇市内で多く見かけるのは、バイク。それもスクーターだけでなく中型が多い。

・そしてこのバイク、恐ろしいぐらいスルスルと車の合間を縫って走っていく。正直、怖い。

・FMラジオの周波数が、まるで安定しない。

さて、この日から3泊お世話になるリザンシーパーク谷茶ベイ。実は初めて宿泊するホテルなのだ。
ロイヤルプランということで、10階の専用フロントでチェックインを済ませ、部屋へ。窓の向こうに広がる東シナ海は、夕陽でオレンジ色に照らされていた。
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この日の夕食は、ホテルの向かいにある居酒屋琉球亭を予約していたので、時間に合わせて来訪。
オリオンビールで喉を潤し、サービスの海ぶどうに舌鼓を打ち、初日の日程終了。
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7月11日午前4時30分。
青森とは日の出日の入りの時間が1時間以上も違うせいで(沖縄本島の方が日の出が遅い)、この時間になっても辺りは真っ暗。そんな中一人ムクリと起きあがった私、一つ目の目的であった念願の沖縄ランを敢行。
早朝、周囲が暗いとはいえ、国道58号は車の往来が比較的多い。
気温は既に25度を上回っており、水分補給は必須と確信、手には水のペットボトルを握りしめて、おもむろに国道を南下してみた。恩納村は中西部に細長く(約27キロ)広がった村で、あちらこちらにリゾート系ホテルが建ち並ぶ。ランニングのルートの起伏はそれほどでもないが、既に暑い空気が全身にまとわりついてきて、普段より大量に発汗しているのが走っていてもわかった。
南下する途中、右手には、これから朝焼けに照らされるであろう東シナ海が広がっている。
結局約50分ちょっとの時間を掛けて往復で約10キロ弱を走り、まずは目標達成。
気持ちいい。うん、実に気持ちがいいぞ、これは。
部屋に戻ると、妻が起きていたので、そのまま朝食会場へ。天気予報によると、台風7号の接近によりこの日の午後から天気が荒れ模様になるかも知れないということだったので、早め早めに活動することにしていたのだ。
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午前中はホテルのビーチで一泳ぎし、その後、ホテル内でランチ。まだ雨が降る気配がないので、車で北上してみることにした。
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本島の周りには幾つか橋で渡ることのできる島があって、今回はその中の一つ、瀬底島を目指してみた。
名護市から本部町に抜け、町の中心部に入る手前に、その島と橋は忽然と現れる。瀬底大橋と瀬底島。
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橋を渡ると駐車場があるので、そこに車を停めて橋を歩いてみる。いよいよ風が少しずつ強くなってきているようだが、水色の海と空、そしてアクセントのように広がっている雲がとても綺麗。
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せっかくなので島内をドライブしてみようと思ったんだけど、思いの外小さな島で、しかも道路が狭隘であったため、結局ビーチの手前で引き換えしてきた。
この時、何やら建築中なのか何なのかよくわからない巨大な建物を見かけたのだが、まるで途中まで手の付けられた廃墟のようだったので、そこにいた警備員の人に何の建物なのか聞いてみると…。
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「リゾートホテルが建つはずだったんですけどね、ダメになっちゃったんですよ。リーマンショックの影響で…それから7年ぐらい、手が付けられずこのまんま…。」
恐らく今後もこの建物は撤去されることなく、このまま廃墟として建ち続けるのだろうか。
この島に観光リゾートの陰を見たような気がして、何だかやりきれない気分になった。
その後再び元の道を戻る。目指すは名護市内にあるオリオンビールの工場に隣接する、オリオンハッピーパーク。
イヤ、何てことはない、工場見学の後にビールを試飲させてくれるっていうので、妻にお願いをして運転を代わって貰おうと…(笑)。
…とその前に、「天然記念物」と書かれた看板を発見。
看板には「塩川」と書かれている。
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何となく想像はついたが、車を停めて川のある方に向かってみると、岩の切れ目から水が流れ出ていて、それが溜まっているところに、海水魚が泳いでいた。
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後になって知ったのだがこの川、実は凄く不思議な川だったらしい。
塩川(沖縄県) 出典:ウィキペディア

まだまだ沖縄には知らないところがたくさんある。
ということでお楽しみだったオリオンハッピーパークへ。
見学の予約をしていなかったため、30分以上待たされることになったのだが、この工場見学がまた結構楽しかったり。
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知っていますか。少なくとも青森県で時々販売されているオリオンビールには、缶の上部にある三つ星の上に「Asahi」と書かれているんですね。
オリオンビールとアサヒビールは業務提携していて、沖縄県内で販売されるアサヒスーパードライの製造、というか缶詰めを、オリオンビールの工場で行っているんだそうだ。
ということは、こちらで販売されているオリオンビールは、本州にあるアサヒビールの工場で缶詰めを行っているんでしょうね、きっと。
ということで、約30分間の「社会見学」を終え、無事にできたてビールを試飲♪
しかも、見学で一緒になったもう一家族の方が、「1杯で充分」ということで、2枚割り当てられた試飲券の一枚を僕にくれたので、都合3杯のビールを試飲することに…いやぁ、すいません。気持ちよく酔っ払いましたわ。
で、妻の運転でホテルに戻ろうと思ったのだが、天気もまだいいので、少しドライブ。
ホテルから約5キロ離れた物産販売店、「おんなの駅」にて色々食材を物色して、この日の夕食はこれで済ませることに。これがまた、結構いいものがあるんですな。
部屋に戻り、大分風が強くなってきた外を散策して、未だ明るい19時前から部屋にて夕食。
ちなみに。
ホテルの部屋に備え付けられた冷蔵庫内、実は全て飲み放題(!)なんですね。
しかも、毎日補充してくれるというサービス付き。この件については、また後で。
ということで、この日もすっかり沖縄を堪能して、ぐっすりと眠ったのでありました…zzz
7月12日午前4時30分。
天気予報では、この時間には先島諸島に台風が大分接近しており、沖縄本島も強風域に突入しているとのこと。しかし、この日の朝も無性に走りたくなった私、またしても一人先に起床し、ホテルから外に出ると…。
おおっ!!物凄い風が吹いていて、走れるかな…。と思ったけど、雨も降っていないし行ってしまえ!と強行。
昨日とは違うルートを走ろうと、一旦北上して国道58号のバイパスに回ろう、という魂胆だったのだが、ここで平面しか見ていなかった弊害発生。何と、国道のバイパスの交差点を目指して走った道路は、国道との立体交差。しかも側道もなく、バイパスに降りることができないという…。更に街灯もほとんどなく、強風吹き荒れるその道の怖いの不気味だのって…。結局Uターンして、昨日のコースへと戻ったのでありました…。
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大体1時間ぐらいで11キロちょっとを走行し、ランニング終了。
うーん、朝食が美味い!
この日は那覇市内から糸満にある道の駅に向かい、北上してアメリカンビレッジを訪問し、スーパーで土産物を物色しよう、という魂胆だった。
沖縄県内にはたくさんの土産物を販売しているけれど、スーパーで購入した方が安く手に入るものがたくさんあるのだ。
だから僕は、土産物屋で購入するのは必要最小限にとどめ、あとの土産は地元のスーパーで購入する、という手法を取っています。
…え?セコい?
いやいや、少しでも多く他の経費に回すための知恵なのであります(笑)
まずはお昼、念願の沖縄そば。
「ソーキそば」は骨付きの肉が載ったそば。個人的にはあの骨を取る作業が煩わしいので、最近はもっぱら三枚肉の乗った「沖縄そば(あるいはただの「そば」)」を注文するようにしている。
青森だと煮干しがガツンと聞いた中華が主流だけど、こちらは鰹だしが利いたアッサリとしたスープ。
でも個人的には、これも大好きなのだ。
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続いて、道の駅「いとまん」へ。この頃にはかなり風が強くなっていて、海も大分白波が立つようになっていた。
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結局何を買うということもなかったけれど、地元で採れる色んな野菜や果物を見ながら、目の保養。
ホント変わった野菜がいっぱい、それもこちらでは考えられないぐらい安価で販売されている。大体にして、ゴーヤが大袋に詰め込まれてたった120円って、考えられないっす。
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で、この後北谷町にある銀行に立ち寄って昨年に引き続き2,000円札の両替をして、近くにあるアメリカンビレッジ内のスーパー(イ○ン)で色々買い物をしたあと、更に一軒、恩納村内にあるちょっと気になる店へと足を運んだワケ。
ちなみにこれまで、風は強いものの雨には当たらず、台風接近というのにちょっと考えられない天気。
しかも、結構涼しかったり(といっても29度ぐらい)。
その気になる店というのが、自然素材でアクセサリーや小物を販売する「cocoloba」。
たまたまホテルに備え付けてあったガイドブックに掲載されていたお店で、見た瞬間妻も僕も「これは…」と息を呑んだという。
実際訪問してみると、店内に入った途端思わず息を呑んだという店で、すっかり心を奪われてしまった。
数点の小物を購入し、かなり満足して帰路に就いたのでありました。
7月13日午前4時45分。
いよいよ最終日。またしても目が覚めた。
もう完全に「走りたい」モードになっているのがわかる。
妻が目を覚ました。
「ゴメン、やっぱりちょっと行ってくるわ。」
妻はもう慣れっこになったのか、「はいはい」と二つ返事で送り出してくれた。
2日目に走ったルートと同じ道。ただしこの日は、長い間定宿にしていた「ルネッサンスリゾートオキナワ」まで往復しようと決めていた。
台風は徐々に離れつつあるが、吹き返しの風が相変わらず強い。時々身体を持って行かれそうなぐらいの風が吹く。
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折り返したあとは、仲泊地区にある堤防沿いの裏道を走る。痩せた猫がこちらを見て逃げ出す。向こうからやってくるおばちゃんにおじいちゃん、犬を連れたお姉さん、すれ違う人みんなと挨拶を交わす。
「おはようございます。」
挨拶を返す人々の瞳が、物凄く優しいんだ、これが。
つくづく沖縄が好きだなぁ、と思うのは、風土や食事が肌に合うというだけじゃなくて、きっとこういう人々の優しさに接することがあるからなんだと思う。
もう何度足を運んだか忘れたし、今後何度足を運ぶのかもわからないけど、ホントに素敵な土地だなって思う。
6時前に部屋に戻ると、妻は荷物を綺麗にまとめはじめていた。
この日は、午後に出発する飛行機に搭乗する前に、沖縄県立博物館・美術館で同日から開催されるジミー大西の個展を観に行くことに決めていた。
午前9時過ぎにチェックアウトを済ませ、ホテルを後に。お世話になりました。ありがとう。
午前10時前には那覇市内に入り、事前に下見をしていた沖縄県立博物館・美術館の駐車場へ。
かなり混雑していたが、たまたま一台の空きを発見、そこにスルリと車を停車した。
水色と白色が混じり合った空から、ジリジリとした暑さが降り注いでいる。
結局、一度も雨らしい雨に当たることなく、4日間を終えることになりそうだ。
何で沖縄に来てまでジミー大西の展覧会?と思われる方もいるかも知れないけれど、大体にしてこういう作品に触れる機会がないのだ。ちょうどこの日の展覧会を見る1週間前、弘前で日展を鑑賞したばかり。そういう意味では、歴史ある日展と対極する位置にあるジミー大西の展覧会を観覧できるというのも、我ながらなかなか洒落ているな、と勝手に思った。
実は、沖縄入りするまでこの展覧会があることを知らなかったのだが、部屋に届けられる地元紙を見て、妻が気づいたという次第。
その奇抜な色使いは、年を重ねる毎に成熟度を増していて、和製ピカソだとか岡本太郎の再来だとか、色んな評価をすることができるのかも知れないが、どこかしがないお笑い芸人だった頃を考えても、こんな才能が眠っているんだということには、ただただ驚嘆するしかなかった。
ちなみにこの日は、午後2時からサイン会も行われる予定となっていて、どうやらその気になれば先着100名の枠に入り込むこともできたようだが、あいにく出発の時刻に重なるため、断念(まぁ、サインを頂くほどのめり込んでいるわけでもないので。笑)。
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1時間ほど展示物を堪能した後、いよいよ帰路へ。
…とその前に、もう一食「沖縄そば」を喰っておこう、ということになり、レンタカー会社の近くにあるショッピングモール内で行われている「沖縄そば博」にて、妻と二人で都合3杯の「そば」をかっ喰らい、レンタカーを返却。
で、この時思ったこと。
やっぱり沖縄に出発するのは平日、それも週末に掛からない日に限る。
レンタカー会社では、手配を待つ旅行客でごった返していて、経験上、恐らく彼らは1時間以上ここで無駄な時間を過ごすことになるのだろう。
一方の僕らはといえば、空港に向かう送迎バスに難なく乗り込み、無事那覇空港に到着。
9割ぐらいの乗客を乗せた飛行機は、15時15分、定刻より20分遅れで那覇空港を飛び立った。
羽田空港での乗り継ぎもスムーズで、結局19時30分に青森空港に到着。ヒンヤリとした空気が、僕らを出迎えた。
さて、今回の旅行で学習したことを幾つか備忘録として。

・土曜日、特に三連休初日からレンタカーを手配すると、着いたその日から苦痛を味わうことに。だって、いくら早く空港に着いても、レンタカーがなければどうにもならない。バスやタクシーで移動するなら、別ですが…。

・市販の雑誌に掲載されている店舗のほとんどは有名店。到着してから手に入れる地元のガイドブック(ホテル等に無料で備付け)に良店多し。

・夕食の手配は出発前に。特に宿泊先での夕食を検討する場合は、出発前の事前予約は必須。

・宿泊した「リザンシーパーク谷茶ベイ」、選ぶならスタンダードより割高なロイヤルプランの方が結果として絶対にお得。コストパフォーマンスはもちろん、時間も無駄にならない。

また来年も行くことになるんだろうな…いや、ひょっとしたら今年もう一回!?(謎)

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