Category Archives: 地元の話

久渡寺こどもの森自転車道の状況がかなり酷かった件

先日、台風18号の影響で弘前市を襲った大雨については、報道でも結構取り上げられていたようだが、とりわけ一部の地域における冠水被害が酷く、リンゴ農家が今年の収穫を諦めざるを得ないような惨状が大きく報じられていた。

ラン仲間であるK子さんが、直後に弘前市の土淵川に沿って設けられた久渡寺こどもの森自転車道をランニングしていたところ、一部区間がかなり酷い状況になっている、ということを呟いていた。

久渡寺こどもの森自転車道と言えば、僕のお気に入りのランニングコースの一つ。自宅からだと折り返し地点である久渡寺駐車場までの約10キロ緩く上り(ただし、最後はかなりきつい上りだが)、帰りは緩く下るという往復約20キロのコース。たまに遭遇する蛇さえいなければ、かなり気持ちよく走れるコースだ。

来週の大会前の最後のジョギングを兼ねて、どれぐらいの状況なのかこの目で確かめたい(ついでに言えば、今月の走行距離を少しでも200キロに近づけたい)と思い、往路は県道新寺町久渡寺線をひたすら上り、帰りは自転車道を通って下るコースを走ってみたのだが、その惨状に閉口するしかなかった。
ちなみに今日の走行ルートはこんな感じ。
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自転車道に入ったのが約8キロ地点。そこから約1キロ進んだあたりで、異変があった。

ちなみにこんな感じでバリケードが置かれているんだけど、これだと通っていいのかダメなのか、よくわからない。
久渡寺こどもの森自転車道

すぐに異変。川の横に設置された柵がなくなり、舗装が根こそぎ剥がれている。
久渡寺こどもの森自転車道

リンゴ畑も、護岸からえぐられている。これは酷い…。

久渡寺こどもの森自転車道

リンゴ畑には大量の土砂。

久渡寺こどもの森自転車道

程なく、川の水量が増していることに気付く。よく見ると、土砂が堆積して川の流れが完全に変わっている。

久渡寺こどもの森自転車道

まだ若いリンゴの木が、根こそぎ持って行かれたらしい…。

久渡寺こどもの森自転車道

更に先に進むと、パワーショベルが一台。そしてその先は、何と山が崩れて完全に道が塞がれていた…。

久渡寺こどもの森自転車道

やむなく来た道を折り返し、迂回した、という次第。

気分が萎えたので、その足でりんご公園に向かったが、結局気分はあまり晴れなかった。
まあ、今月の走行距離があとちょっとで200キロに届かなかった、というのも一つの要因かも知れないけど(ウソ)。

実はこんな場所が弘前市内に点在しているらしく、それを考えると、この間の台風18号の被害がいかに甚大だったか…。しかしこれだと、復旧までにはしばらく時間が掛かりそうな気配。年内、雪の降る前の復旧は無理かもな…。

日展青森展を観賞してきた。

青森県での開催は6年ぶり3回目となる日展移動展が、弘前市の青森県武道館で7月7日まで開催された。
初めて本県で日展が開催されたのが10年前で、これまで開催された二度の移動展は、僭越ながらうちの父が相当尽力したのだが、その父も5年前に他界。しばらくの間日展の移動展を本県で観賞できる機会がなかったのだが、県内で最大のシェアを誇る東奥日報社が主催となって、ようやく開催の運びとなった。
ここで父がどれだけ尽力したかを語っても父が帰ってくるワケもないので、この事については一人で落涙するにとどめることとして、今回も日本画、洋画、彫刻に工芸、そして書がところ狭しと並んでいた。
最終日ということで観賞に訪れたお客さんも大勢いたのだが、何せこの日は非常に暑く、作品の管理上の問題から、館内の冷房は必要最小限にとどめられており、非常に暑さを感じた。
しかし、展示された作品はどれも本当に素晴らしく、特選作品が並んだブースはどこも混雑していた。
多分、時間が許すことならば、3時間でも4時間でも平気で観賞していられると断言できる、それぐらい素晴らしかった。
僕の観賞方法は、まず遠目で全体の構図を眺め(特に額縁も含めて一つの作品なので、全体像を掴む)、それから近くに寄ってディテールを眺める、という感じ。
ところで皆さん、洋画と日本画の違いってご存知ですか?画風が洋風だから洋画、和風だから日本画、なんて思っていないですよね。(笑)。
これ、簡単に言えば使う絵具が違うんでだそうだ(洋画は油絵具など、日本画は水墨、岩絵具なんていうのが使われているのだそうです)。
ただ、僕みたいな素人さんがその明確な違いを観賞しただけで理解できるかと言えば難しいお話で、実際会場ではその違いを見極めることはできなかった。
日本画の中では、生前、父が物凄く懇意にしていた大阪府の 村居正之先生の作品「洸」、これがちょうど内閣総理大臣賞の隣に展示されていたのだけれど、誰もが思わず足を止めてしまう、そんな深い紺碧の色が相変わらず素晴らしかった。
彫刻は、妻とも話をしていたのだけど、多分、一つ一つの作品がバラバラに展示されていれば、きっとその素晴らしさに感動するのだろうけれど、まとまって展示されると、何かマネキンが並べられたような、そんな感じ。
そして最大の難所、書のブースは、やっぱり何が書いてあるのか読めなかった(爆)
ということでだいぶ端折りながら約1時間半に渡って作品を観賞。
いや、ホントに何時間居ても飽きないし、何度見てもまた新しい発見があるんだよね。
そんなことで、父の想いを胸に秘めながら、じっくり観賞。
またお目にかかれる日を楽しみにしています。

遂に100センチ超え…

弘前市の積雪が、午後4時時点で101センチと、大台を超えてしまった。24時間で積雪が30センチ(14時から16時までの2時間で10センチ)も増えたことになり、異常事態に陥っている。

猛暑だった年の冬は雪が多い、というのが通説だ。確かに去年は猛暑だった。が、弘前でこの時期に積雪が100センチを超えるというのは、ちょっと考えられない。

関東地方の人には申し訳ないが、たかだか5センチ10センチの雪で「大雪だ!」と騒いでいるのが、ちゃんちゃらおかしいってものだ。

しかしこうなると、いよいよ市民生活に相当支障が現れることが懸念される。交通障害、物流への影響、農作物、とりわけリンゴへの被害など…。

豪雪対策本部を設置/弘前と鶴田(1月17日付けWeb東奥)

弘前市は17日午前11時、葛西憲之市長を本部長とする豪雪対策本部を設置した。通学路の安全確保、自力による除雪が困難な高齢者・障害者世帯への支援、リンゴ樹の枝折れ被害の予防対策などに万全を期す。対策本部の設置は2年連続。

今週初めの天気予報では、今週は比較的気温が落ち着き、プラスとなる日もある、という予報だったはずだ。しかしそれは、悪い方に外れた。

今日から向こう一週間の天気を見ても、気温はプラスになる日もあるという予報ではあるが、その精度を示す信頼度が、20日の日曜日ですら「C(確度がやや低い予報)」と、最も低くなっていることを鑑みても、気象庁を悩ませる気象状況が続いていることが窺える。

まだ1月半ば。あと3か月もすれば、いずれ消えてなくなることが明らかなこの雪に振り回されていること自体に、かなり辟易している。致し方ない事とはいえ、この先も降雪が小康状態になることを期待するのは、かなり難しそうな気配だ。

弘前市職員企画提案の映画先行上映会に行ってきた。

「りんごのうかの少女」初上映

弘前市職員の企画として制作された短編映画「りんごのうかの少女」が28日、同市の中三弘前店8階スペース・アストロで開かれている「弘前りんご映画祭」で初めて上映された。上映を前に横浜聡子監督や主役を務めた同市のご当地アイドルグループ「りんご娘」のときさんらが舞台あいさつを行い、詰めかけた約180人を沸かせた。
(10月29日付 Web東奥)

仮称「りんご農家の少女」から「りんごのうかの少女」とひらがな表記に改められた理由はわからないのだが、僕も応援団の一人としてこの映画の先行上映会に足を運んだ。
18時30分開演ということで、18時頃に会場に向かうと、既に人だかりができていた。あとで気づいたのだが、この方々は実は整理券を頂いてやってきた人たち。僕は「応援団」として先に1万円出資していたので、先に入場することができることにしばらくしてから気づいた。

ふと目をやると、昨日に引き続き弘前市長と遭遇。市長を先導していたのは、この映画の制作に深く携わった弘前市職員のT内君だった。彼とは中学以来の付き合い。高校3年の時は同じクラスとなり、僕にとって気の置けない畏友の一人だ。

結局整理番号30番までの人が入場したときに、これはおかしいと思い係員のところへ事前に渡されていた入場券を提示すると、「どうぞどうぞ」とすんなりと会場に通された。

受付では、黄緑色のバンダナを「プレミアムグッズ」として手渡された。
会場は既に多くの席が埋まっている状態だった。
ちょうどT内君がカメラを片手に立っていたので、背後から声を掛ける。ビックリした表情で「おう!」と喜色満面の笑みを浮かべるT内君。とはいえ、まだ仕事中だろうから、立ち話もそこそこに席に向かう。
座席は既に9割ぐらいが埋まっていて、結局後ろから2列目の左隅に席を確保した。会場を見渡すと、知っている方々がたくさん座っている。

18時30分を5分ぐらい過ぎた頃、MCが開会を告げ、弘前市長が登壇し、挨拶。続いて、この映画の「応援団長」を拝命したS藤君が登壇。なぜか頭を丸めていたS藤君も、実は高校時代の同期。

そもそもこの映画は、弘前市の若手職員提案事業としてスタートした。弘前市が準備した制作費は200万円で、資金が不足しているというのが現状なのだそうだ。今日の先行上映の後、来年4月から全国で公開する予定で、国内外の映画祭にも出品したいと意気込んでいるとのことだった。

そして、その若手職員の中心人物が前述のT内君で、この他に同じく高校同期のY内君も携わっている。更に、事業をバックアップしているのは、青森県から弘前市に出向中のY本課長。こちらも高校の同期。そして、この映画の制作は、ご当地アイドルで名を馳せたりんご娘を抱える「リンゴミュージック」、この代表取締役は、これまた僕の高校同期のT川君なのだ。

こうなると、この映画そのものが僕の高校時代同期だった連中の手によって制作されているような、そんな気分に駆られていた。そしてその思いは、映画を観て更に深まることに…。

さて、会場にはこの映画を監督した横浜聡子監督と、主演を務めたりんご娘のときさんが登場。この日一番の拍手が送られる。二人の挨拶の後、花束が渡され、集合写真の撮影。
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会場が暗くなり、いよいよ上映が始まった。

…約30分の上映内容、ネタバレになるので具体的には割愛するが、観ていて「!!」だったのが、これまた高校の同級生が出演していたり、これまた他の同級生の奥さんと子どもたちが出演していたり、とにかく僕にとってはビックリだらけの映画だった、ということだけは断言しよう。

エンドロールに続々登場する同級生、同期生、そしてその家族の名前…何なんだ!?この映画(笑)。

ちなみに僕も、応援団として1万円の出資をしたので、このエンドロールに名前が載るのだそうだ(笑)。

映画を見終えて帰宅すると、T内君からお礼と感想を求める電話が入った。褒め称えてばかりいても仕方がないので、観ていて気になったところを掻い摘んで伝えた。これから4月の上映に向けて内容をブラッシュアップするようなので、そこで修正されるといいな、とか思ったり。

ということでこのご時世、1万円というお金がいかに高額であるかは重々承知の上で、弘前市在住の応援団の一人という立場で、もしよろしければ、弘前市を全国…いや全世界に発信するため、映画に出資していただければと思います。みんなで弘前市を盛り上げましょう!

詳しくは、こちらを御覧下さい
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社会実験を斜に構えて眺める。

7月15日に引き続き、8月19日、弘前市の「中心市街地」である土手町においてトランジットモールを活用した社会実験が行われた。具体的な内容は、以下のとおり。

【実験内容】
■トランジットモール
トランジットモールとは、バスなどの公共交通以外の一般車両の通行を制限することによって、歩行者や自転車のための空間として開放する街路のことで、安全で快適に街歩きを楽しんでもらおうとする試みです。
今回は中土手町交差点から下土手町交差点までの土手町通りで実施します。
トランジットモールにより車道の一部は歩行者に開放するとともに、広くなった歩道では商店街によるオープンカフェや均一セールの他、はしご車体験やミニSL試乗会などの場に利用され、魅力的で賑わいのある沿道空間となります。

■臨時路上駐車場【無料】
また、土手町に来街しやすいように、隣接する都市計画道路3・3・2号の「弘前郵便局」から「まちなか情報センター」までの片側2車線のうち、各1車線を活用して臨時の無料駐車場を設けます。なお、市役所土手町分庁舎駐車場も併せて開放しますのでぜひご利用ください。

(出典:弘前市都市計画課HPより。下線部は投稿者による。)

この日、午前10時から中土手町~下土手町の一方通行は1車線のみに狭められ、路線バス専用レーンとなった。

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事前に立て看板などで周知はしていたものの、松森町方面から上土手町に向かう通りは断続的に渋滞が続いていた。しかもこの日は、弘前駅前でも交通規制が敷かれていたため、この界隈は結構渋滞が酷かったようだ。

さて、1車線になった中土手町~下土手町の車道には、歩行者や自転車が通行するレーンが設けられ、往来がしやすいようにされたのだが、実際歩いてみると、やはり歩道を意識して歩かざるを得ないというのが正直なところで、車道に設けられたレーンを歩いている人の姿はあまり見られないように思えた。

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ちなみにこの日の弘前市は午前中から気温が33度を超え、午後には今年初めてとなる35度まで気温が上昇、5年ぶりの猛暑日となってしまった。正直、歩行者にとっては安全で快適に街歩きを楽しむというよりは、熱中症にならないよう日陰を求めつつ、一刻も早く涼しい建物の中に入ってしまいたい、という心境だったのではなかろうか。

少なくとも、歩道が広がったことで弘前市の言うような「魅力的で賑わいのある沿道空間」が創出されたかと言えば…。うーん…どうなんだろう。
見た感じでは、店舗によって取組にムラがあるような気がしてならなかった、手厳しい言い方をするならば、賑わい創出という折角の機会にもかかわらず、我関せずの店舗も少なからずあったのではないか、ということだ。

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そしてもう一つ。この社会実験でふと疑問に思ったことが、都市計画道の一部を無料駐車場として開放していることだった。
はて…この道路は、こういう活用を実験するために作られた道路だったのだろうか…。

この道路を含め、土手町を巡る街づくり・活性化に関しては、今から3年前、生意気にもこんなことを書いていたので参考まで。

休憩所(2009年1月20日付け「kacolog from nonvey」より)

この記事の終わりで、今回の実験みたいなことを恒常的にやればよい(砂利道か土の道にして交通量を減らす)、みたいなことも書いてまして…ハイ。

さて。ちょっと斜に構えて。
アクセスを良くするために新しい道路を開通させます、という方便と、賑わいを創出するための社会実験として、一部交通規制して無料駐車場として開放します、という方便。

何だろう、何かが矛盾していないだろうか?

この都市計画道が開通してから8年が経過し、「土手町へのアクセスが良くなった」という声はどれぐらい上がっただろうか。土手町へのアクセスというよりは、単なる「抜け道」になっていないだろうか。少なくとも、車輌にとっては。

昨日も、弘前市の職員なのか、暑い中歩行者からアンケートを集めていたが、本人が目の前で見ている中でのアンケートはなかなか書きづらいものがあり、結局のところ意に反した内容を回答してしまったような気がする。それはともかく、アンケート結果を踏まえ、市としては、そこからどういった賑わいを創出することができる、と導くのか…。

二兎を追う者は一兎をも得ず。

中心市街地の活性化と街づくりは、一見すると分離不可分のようにも思えるが、方法を間違えると、当初の思惑と全く相反する事態を招きかねない。
双方が共倒れになることだって、あり得るだろう。

どの地域にも共通して言えることだが、ハッキリ言って、かつての中心市街地(商店街)に以前のような賑わいを取り戻すことは出来ないと思う。理由は3つ。

(1)そもそも人口が減少していること。
(2)その中にあって商店主が高齢で後継者もなく、事業の継続が困難となっていること。
(3)郊外への商圏の広がりやインターネットの普及により、よほど個性や特色のあるものでない限り、従来型の商売(来るもの拒まず的な殿様商売)では太刀打ちできないこと。

手段や方法さえ間違わなければ、一時の賑わいを創出することができることは、今回の社会実験でも明らかになったはずだ。あとは、それを持続させる方策としてどのような手を打てばよいか。ただ、間違えても、昔のような活況を取り戻すんだ!なんていう意気込みは捨てた方がいいと思う。

10月にもこの社会実験が行われるようだが、この実験から何が明らかにされるのかを、楽しみにして待ちたい。

まさか、「土手町の歩行者の数が増えました。」なんていう実験結果が明らかにされるようでは、この実験は最初から体を為していなかった、とバッサリ斬り捨てたいと思う。

…と、今回はかなり穿った見