Category Archives: 評論家気取り

限りなく0に近い勝ち点3 日本−北朝鮮戦をTV観戦して

事前にお断りしておきますが、私はかつてサッカー選手だったわけではありませんし、熱烈なサッカーファンでもありません。
しかし、昨晩は熱くなりました。「日本代表」という言葉に、日本人としての魂が揺さぶられたのでしょうか。それとも…。
さて昨晩は、そりゃもう気もそぞろの状態で、とにかく早く家に帰りテレビの前に陣取ることばかり考えていたのですが、仕事の関係もあり、家に着いたのはキックオフから既に30分近く経過した頃でした。スコアボードは1-0でしたが、その時点での試合の流れを見る限りでは、明らかに北朝鮮ペースで、まるで1点はハンデキャップでもらった、そんな錯覚にさえ捕らわれるような試合展開が繰り広げられていました。

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一場靖弘という男に苦言を

何としても獲得を目指す複数の球団関係者から、スカウト活動の一環として金銭を授受していたとして、プロ野球界を震撼させた「一場騒動」。
この時点で一場は、普通であればプロ野球、いや野球そのものから身を引くべきであったと考えるが、結果として関係した球団オーナーが辞任に追い込まれる中、本人は一応反省した素振りを見せながらも「プロ野球で活躍の場を」などと訴え、まさに自分本位の「自己チュー」的な人間ぶりが垣間見えた。通常で考えれば、野球界そのものから永久追放されても何の不思議もないのだ。
ところが、設立間もないために選手層が手薄な楽天と、「プロ野球で活躍を」という一場の思惑が見事に合致し、楽天はあれよあれよの間に自由獲得枠で一場を指名してしまった。
球団は「エース級の逸材」と獲得を喜んだが、まだ球団で実戦すら積んでいない一新人選手が、今度は球団社長や監督を横にしながら、「小さいころから日本で活躍し、メジャーリーグに挑戦するというのが夢でした。楽天で結果を残してメジャーリーグに挑戦できたらいいと思っています」と嘯いたという。

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プレーオフと新球団参入問題

後者に関しては、既に何度か触れているので、今更ここで語ることもないような気もするのですが、改めて「青森県に住む者」という立場からこの問題を斬ってみたいと思います。またこの話かよ…と嘆かないで下さい。
まず、プレーオフ。最初は「ホントにうまくいくのか?」という声もあったようですが、白熱した試合展開が繰り広げられたこともあり、意外なほど盛り上がりました。結局勝者は西武。日本シリーズは、就任1年目の伊東監督率いる西武と、こちらも就任1年目の落合・中日との、「1年生対決」が見られることになります。王ダイエーは、シーズン最高勝率をマークしながら、結局あと一歩のところでパ・リーグ制覇がスルリとこぼれていきました。本県には、ダイエーは数店舗存在するのですが、西武系の直営デパートがありません。恐らく便乗セールという形でセールは行われるとは思いますが、やはりダイエーが優勝した時に直営店舗で行われるそれとは比較できないくらい、小規模なもので終わりそうです。
また、ダイエーに関しては時同じくして、親会社の再建問題が風雲急を告げる事態となり、いよいよもって「身売り話」が本格化するのでは、そんなイヤな予感も付きまとっています。
ふと思いました。現在新球団設立を争っているライブドアと楽天。最終的に、一方には新球団設立を認め、一方にはダイエー球団購入権を認める。そんなウラの筋書きがあるんじゃないか、と。いや、そんなことを勘繰りたくなるほど、ダイエーは球団存続の危機に瀕していると言っていいのではないでしょうか。
ところで、新球団設立を巡る動きについては、既に2社の代表が東北各県を行脚していますが、実は青森県だけまだ訪問がなく、協力要請がありません。これは恐らく地理的要因もあると思うのですが、もう一つの要因として、県の反応が極めて鈍かったということもあると思います。今日になって、ようやくライブドアが来青、14日には楽天が来青し、協力を求めるとのことですが、何を今更…といった感も否めません。隣県の秋田県では、既に寺田知事が率先して「こまち球場」を無償提供するといった話をしたり、庁内連絡会議を立ち上げるなど、非常に積極的な取組が見られるのですが、本県ではそういった話が全く聞こえてきません。
なぜか。
答えは簡単。県が財政難で、数十億とも言われる県営球場の改修費用を捻出できないからです。
実は、県営球場は新たに作られるはずでした。ところが、3塁側スタンドを作っている途中に、次々と歴史的な出土品が発掘され、結局球場建設は中断。その後その跡地は、「三内丸山遺跡」として全国的に有名となりました。しかしその代償として、新球場の建設は困難となりました。
知事は、この間閉幕した10月議会において「青森でプロ野球を観たい」という感想を述べたものの、その具体案については示しませんでした。業を煮やした議会側が、知事にプロ野球の誘致を要望する始末。
また、知事は「県予算がないので民間から寄付を募る」、というようなことも言っていましたが、仮に改修が決定した場合、寄付ではなく半ば強制的にその資金を(それも特定の企業から)集めることになるのではないかという気もします。子供達にプロ野球を見せたい、という声も議員の中から聞こえてきますが、本気でそう思うのであれば、県民から100円でも500円でもいいから、土下座してもプロ野球誘致のための協力を求めるという姿勢が見たい。そういう積極性があってもいいような気がするのですが、議会の最中も取りあえず言ってはみたものの、話題となっているから取り上げてみた、という感じで、結局のところは他人任せといった雰囲気です。単純計算で、県民145万人から100円集めれば、1億45百万円となります。改修費用からすると微々たる金額かも知れませんが、そういう善意は県や議会が県民に説明し、理解を求めてもいいんじゃないか、という気もします(もちろん募金ですから、払う払わないは別ですが)。でも、誰からも「本気の姿勢」が見えないのです。
県財政が悪化していることは周知の事実。非常に厳しい財政運営を強いられていることぐらい、誰でも知っているのです。だからといって、この案件を「予算がない」という一点張りで消極的に有耶無耶にしていいのか、という気がします。こういう状況から、いかに予算を捻出するかが知事の手腕の見せ所ではないかと思うのです。
「青森でプロ野球を観たい」
この言葉が口から出任せでないのであれば、それくらいの気合いを見せて欲しいものだ、と思いました。
現段階で、東北6県の中では既に大きく遅れを取っている青森県。結局、宮城・仙台を拠点とする新球団の設立が仮に決定しても、青森県内でプロ野球の試合を観ることができるのは、はるか遠い遠い先になりそうです。
個人的には、2社との面談を終えた知事が、どういう「感想」を述べるのかに興味を持って見てみたいと思います。
全く。何が「スポーツ立県」なんだか…。

先行き不透明のプロ野球

いつものことながら、居酒屋で出された干涸らびたお通しのような、面白みも旨味もない話を。
というか、いつか書こうと思っていたが、この件に関してはようやく一段落しそうなので、一気に書き殴らせて頂く。
プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)との間で一定の合意に達したということで、今週末のスト回避、そしてようやく収束に向かいそうな気配のプロ野球問題。一部新聞では、古田選手会長が勝った、みたいなことを書いている記事もあったが、それはちょっと違うのではないか、という気がする。そもそもの発端は、急に持ち上がったオリックスと近鉄の合併問題であり、結局この点に関しては、凍結あるいは延期という回答を得ることができず、来季から近鉄という球団は消滅するという現実を突きつけられた。これまでの協議の過程、スポークスマンそして協議の調整役としての古田会長は、見る者に「かわいそうだ」という印象を与え、株が上がった。しかし、昨日の古田会長は明らかにホッとした表情で記者会見に臨んでいた。が、その横ではオリックス・三輪選手会長そして近鉄・礒部選手会長が、目を真っ赤にし、涙ながらにファンに謝罪した。これが今回の騒動の全てを物語っているのではないだろうか。
もっともこの点に関しては、球団合併を認める代わりに、来季からの新規球団の参入を検討するということで、問題解決の方向に向かっているようにも見えるが、新規球団の参入に関しては、今後の紆余曲折が予想される。
名乗りを挙げているのは、ご存じ「livedoor」と「楽天」。「シダックス」の名前も挙がったが、恐らくこちらの参入の可能性は低いだろう。正直、livedoorであれ楽天であれシダックスであれ、いずれの企業が参入しようが別に興味はない。というか、単なる「数あわせ」のための参入を認めるくらいなら、最初から新規参入など認めない方がいいのだ。
なぜここまで僕が不快感を覚えるかというと、まずはlivedoorのこれまでの経過に疑問を感じるということ。そして、あからさまな楽天の参入表明。
というのも、当初livedoorは「本社を大阪に移転してでもプロ野球に参加したい」と言っていたのだ。それが今はどうだろう。大阪府知事に「そこまで言うなら先に本社移転するくらいの気概を見せろ」と言われ萎縮、結局いつの間にか大阪での新球団設立構想は立ち消えしてしまった。「野茂の所有球団の話」はどうなったのか。はて…と思っていたところに今度は「楽天」参入表明のニュース。既にヴィッセル神戸を所有していることから、球団を所有することも難ではないという見方がされる一方で、今回の参入表明はlivedoorに対する当てつけ、という私見を感じざるを得ない。
それが顕著に現れたのが、両者がぶちまけた「仙台本拠地」構想。かつてロッテが仙台に拠点を構えていたことがあったが、以降東北に拠点を置く球団は存在しなかった。そういう空白地を埋めるために仙台…かといえば、そうではないようだ。livedoorの社員が話していたが、彼らは単に新球団の「目玉」として、東北高校のダルビッシュ投手を獲得したいという。この点、どうも短絡的というか安直というか、結局目先のことしか考えてないんだなぁという気がする。「ファンありき」が心底伝わってこないのだ。
それは、楽天も同じ。なぜ急に仙台本拠地構想を掲げたのか、真意を測りかねる。ここまでくると、単なるlivedoorに対する嫌がらせだろうとしか思えない。
マスコミの間では、どちらかといえばlivedoorが不利、楽天有利とも言われているようだが、これは要するに「根回し」の巧い下手の問題であり、(世論に多大なる影響を与えるマスコミを含め)誰を味方につけるのか、ということだけで球団設立に動いているようにも見える。
さて、思うままに好き勝手ここまで書いてきたが、これまでの経緯と問題点を整理したい。
1.NPBと選手会は一定の合意に達し、今後のストは回避された。
2.新球団の参入は来季から認められそうだが、近鉄とオリックスの合併も決定した。
3.減る球団は1チーム、参入表明した球団は2チーム。
4.NPBの瀬戸山委員長はマスコミやファンの矢面に立っているが、彼はロッテの球団代表であり、いわば仲介役のような存在。
5.中日の選手会は、昨日の会議途中で退席、「あと15分ほどでまとまる」と言ったが、結論が出たのは6時間後だった。
6.近鉄とオリックスは、やる気が失せたのか既にパ・リーグの5位と6位が確定している。
7.合併問題然り、スト問題然りで、いずれのケースも結局ファンの声が届くことはなかった。
8.新球団設立を表明した2社は、いずれも仙台本拠地を希望。
9.仙台・宮城球場は老朽化が進んでおり、仮にフランチャイズが決定した場合、改修は必至。
こうやってみると、各球団の思惑や選手会、NPBそれぞれの意識に温度差があるようにも思われる(もちろんそれは、年齢的な問題もあるだろう)。急に本拠地構想をぶつけられた宮城県知事や仙台市長も困惑しているようだが、下手をすると「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということにもなりかねないとして、事態の推移を静観する構えのようだが、正しい選択だろう。こういう場に、政治的介入はあってはならない。また、楽天は「うちの球団に優先的に球場を使わせてくれたら、球場の改修費用を出す」とのことだが、これではエビでタイを釣るようなもの。また金が物言う事態になってしまうのではないだろうか。
「収束だ」とは言いながら、これから解決しなければならない問題は山積しているのも事実であり、再びNPBと選手会が衝突、ということだってあり得ないとも言えないだろう。
何より皮肉だったのは、それまで客の入りが悪かったのに、ストを決行した直後の試合は、どの球場も軒並み満員に近い状態だったということ。これなら、客の入りが悪くなったらストを起こせばいい、なんて声も聞こえてきそう。
そうは言ってもやはり気になるのは今後の展開。NPB側は公平かつ透明性の高い審査を行うとしているが、結果的にlivedoorと楽天の参入も認める一方で、宙に浮いているもう一つの合併も進めたい、そんな急転直下の事態だけは避けて欲しい。そして、ここまで来たのであれば、livedoorも楽天も、とことん争って欲しい。
「うちはやっぱりやめます」こそが、野球ファンに対する冒涜とも言える行為だから。

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球技で金メダルを取れないのはなぜだ。

もういい加減オリンピックの話も飽きたかも知れませんが、お付き合いを。
金メダルを至上命題としてアテネ五輪に臨んだ長嶋JAPAN。結局銅メダルに終わりました。監督代行の中畑ヘッドコーチは、「全て私の責任。責任を取りたい。」と言ったようですが、所詮各球団からメンバーを選出して作られたプロ選抜チーム、帰国すれば解散となるだけに、一体どんな形で責任を取るのかワケわからん、といった気もしなくもないですが…。あるコラムでも読んだのですが、コーチも選手もマスメディアも、「長嶋JAPAN」に固執しすぎていた、という気もします。「長嶋」の看板だけで金メダルを取れるほど甘くはないっていうことでしょう。少なくとも、予選リーグは1位だった。キューバにも歴史的勝利を収めた。でも終わってみると「銅」だった。「銅」でよかったね、という風潮が蔓延っているのが非常に気にくわないのは、彼らが「プロ」だから。野球でメシを喰っているわけですよ。いわば、商売道具なわけですよ。確かに他の国でもマイナーリーグの選手はいました。でも、全員プロで固めたのは日本チームだけではなかったでしたっけ?そんなわけで、僕は帰国した彼らが何と発言するか、ちょっと注目したいと思います。「最後に銅が取れてよかった」なんて言ってる選手もいるようですが、言語道断。ペナントレースでAクラス目指すのとは事情が違うんだよ!「勝てなければ球界から身を引く」…それくらいの気負いを持って臨んでもよかったんじゃないか、という気がしてなりません。
もっとも、球技に関しては、ことごとく期待を裏切ったというか、何か大したことないなぁ、という印象を抱いたのは僕だけではないはず。今回の野球然り、女子ソフト然りで、金メダルを取りに行くという気負いが強すぎたのかも知れません。ただ、その理由を考えてみると、これは一目瞭然。野球で言えばキューバ、ソフトで言えば米国と、強いチームに勝つことばかりを考え、自分たちも追われている立場にあるということを忘れていたんではないかと思われます。野球もソフトも同じ国(豪州)と2度対戦し、2度とも敗れました。要するに、上ばかりを見ていたので足下を掬われた、というのが適切な表現ではないかと思われます。実のところ、相手チームから研究され尽くした感も否めない。まぁ、もっと視野を広めて戦術を考える、勝てるチームには必ず勝つ戦術を、これからの課題となるでしょうね。もっとも、他の球技に関してもパッとしなかった。
男女のサッカー。女子は及第点かも知れないけど、男子はいくら強豪揃いのブロックとはいえ、ボロッボロ。相当惨めでした。
メダルが取れる可能性なんてほとんどないに等しいのに、テレビだけがはしゃぎすぎた女子バレー。ある日たまたま試合を見ていたら、「どうも実力が発揮されませんね」という解説がありましたが、実はアテネ五輪での戦いこそが本当の実力であって、逆に日本で行われた最終予選は、単なる勢いとフロックで勝っただけではないか、そんな気さえしてきます。それだけ萎縮していたし、覇気がなかった。
バスケ、ホッケーは…まぁ、今回参加することに意義があるということで。ホッケーなんて、得点が入っただけで大騒ぎでしたしね。
こんなところで何を言ってもしょうがないワケですが、フィジカルや筋肉トレーニングも大いに結構ですが、肝心な「玉」をもっといじりなさい、と言ってあげたい。
いよいよ佳境を迎える五輪、水泳然り柔道然りレスリング然りで、身体一つでメダル獲得、というのが多いです。反面、道具(器具)を使う競技は、確かにそれなりの成績は残してはいますが、期待に沿ったものではないと思うのです。
開催日数も残りわずかとなり、焦点は、日本があといくつメダルをメダルを取るか、ということに向けられているようですが、僕個人としては、どんな意外な選手がメダルを取るか、というところに注目してみたいと思います。