2014.09.02 大澤誉志幸『渡り鳥ツアー/夏の陣 -其の壱-』

大澤誉志幸が弘前市大町にあるRobbin’s Nestにやってくる、というのを知ったのは、半月ほど前、Facebookである方がリンクをシェアしたことがきっかけだった。

あの大澤誉志幸が、弘前にやってくる!!家から自転車で10分の、Robbin’s Nestにやってくる!
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実のところ彼のライブを観たのは、2003年に大阪で行われた「LIVE EPIC 25」(エピックレコードジャパンの創立25周年を記念したイベントで、レーベルに所属していた歴代アーティストが出演した。)が最初で最後。(しかもその時も4曲ぐらいしかやらなかった。)
ちょうど80年代中頃から後半にかけての多感な時期に彼の音楽を聴き、そしてここ数年再び彼の音楽を通勤のお供にしている僕としては、これはもう、絶対に外せないライブだと思った。
いてもたってもいられなくなり、会場であるRobbin’s Nestに即電話を入れて、チケットを確保した。

9月2日。
仕事の方は1時間だけ休みを頂き、帰路に就く。一旦自宅に戻り、Robbin’s Nestには18時30分過ぎに到着した。

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玄関の前で名前を告げ、4500円(チケット代4000円と1ドリンク代500円)を支払い、中へと進む。

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店を訪れるのは今回が初めてなのだが、一度だけ中を覗いたとき、そんなに広くないという印象があったため、どこか別の会場でもあるのだろうか、と思ったのだが…。

中に入ると、テーブルが取り払われ、背もたれのない丸椅子が、30個ぐらい置かれていただろうか。ステージの上にはギターが2本とベースが1本、そしてマイクが置かれている。「そんなに広くない」と思ったまさにこの場所が、ライブ会場だった。

受付の際に「前の方から詰めてお座りくださいね」と言われたことを思い出した。
まだ会場にやってきた人の数はまばらで、正面ど真ん中の最前列が空いている。
さすがにそこに座る勇気はなく(というか、そこに座るとステージ全体が見えないかな、と。ついでに言えば、最近老眼気味だし。笑)、最前列の椅子は後で来るであろう他の方に譲ることにして、2列目の真正面の席を確保した(…が、結局その席に人が座ることはなかったので、僕の席は事実上の最前列、ということになった)。
手の届きそうなところに置かれた譜面台。
ドリンクのチケットをレーベンブロイに交換し、独りで喉を潤す。周りを見渡したところ、今のところ知り合いの方は誰も来ていないようだ。
19時を過ぎた頃には、徐々に人が増えてきた。男女比は半々ぐらいだが、年齢層はバラバラといった感じ。レーベンブロイを飲み干していた僕は、知り合いを一人見つけ、2杯目のギネスに突入。

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(奥に見える椅子と譜面台、そしてベースが、ステージとの距離感を物語っています。)

開演時間の19時30分前には、他の知り合いの方のお顔ももちらほらと見えるようになり、僕の前にある特等席を除いては、ほぼ椅子が埋まっていた…。

↓↓↓↓↓【注意】以下ネタバレあり!!
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19時40分。突如沸き起こった拍手とともに、大澤氏本人がベースのK.INOJO氏を従えて遂に登場!
おもむろにステージに上がり、あの独特なしゃがれ声で観客に挨拶を送る。
「大澤誉志幸でございます。この弘前に、初めてやって参りました。今晩は楽しんでいってください。最後までどうぞよろしく!」

そんな挨拶とともに始まった1曲目は、何と吉川晃司への提供曲「LA VIE EN ROSE」だった!!
そして続く2曲目は「STOP&ギミーラブ」!
嗚呼、何て危険な退屈…じゃなくて何という贅沢!!

3曲目は、あまり馴染みがなかったためか、観客もちょっと戸惑った感がありありだった「誰にもわからない」(笑)

そして、合間に挟むMCもまた面白いんだわ。

「大した宣伝もしていないのに、よくぞこれだけの方がお集まり頂きました。ライブハウスの方のおかげでございます。」
「北海道から始まった渡り鳥ツアー、札幌で2デイズ、そして函館でライブをやりまして、カーフェリーで本州、この青森にやってきました。昨日はですね、羽休めということで温泉に泊まりまして。蔦温泉でしたっけ…あ、皆さん知ってますか。いい温泉ですねぇ。湯守っていうんですかね、ホントに素晴らしい温泉でございまして。」
「おかげさまでこのツアーも3年目に入りまして。私もですね、松田聖子や中森明菜、あ、復活して欲しいですね中森明菜さん、あと小泉今日子とか、色んな方に楽曲提供しましてね、数百曲になるんですかね、その印税があるんでこんなこともできるんですね。」
「最近は音楽が非常に厳しい状況に晒されてまして。その中でまた教授、あ、坂本龍一さんね、が病気になっちゃったり、氷室(京介)くんがやめるやめないって騒ぎになったり。」
「僕も昔は戦っていたんですけどね、55才を過ぎたあたりから、音楽を楽しむ方に回ったんです。まあ、昔そこそこ売れてましたんでね。大澤誉志幸だ!ととんがっていた部分もかなりあったんですが、もう別に戦わなくてもいいかな、と。」
「こうやってライブで全国各地色んなところを回って、うまいもの食ってるわけですよ。佐賀はヤバかったですね。佐賀牛。ライブハウスの方に連れて行ってもらったんですけどね、一見さんお断りの店だったんですね。壁を見たら清原とか、桑田とか、安倍首相とか、凄い人たちの写真がずらりと並んでるわけですよ。うわー、俺、こんなところ連れてきてもらっていいのかなって。多分3万か5万ぐらいしたんじゃないですかね。まあ、全部ごちそうになったんですけど。」
「一宮ってところがあるんですけどね。岐阜かな、名古屋の方。そこでは、ファンの方が泊まってくださいってね、で、うちら二人、ライブの後にホントに泊めてもらったんだよね。」
「奄美大島に呼ばれましてね、是非来てくださいって。で、奄美大島に行ったときにですね、あそこ特区になってるんですね、黒糖焼酎の。ライブが終わった後に地元の方から公民館みたいなところに呼ばれまして、それ飲むわけですよ。朝4時まで。」
「台風が来るじゃないですか。今、奄美大島に台風が再接近してます!なんてテレビで大変そうにリポートしてるとき、地元の人たちは公民館に集まって黒糖焼酎飲んでるんですね。」
「奄美のライブは、俺の歌知ってるの?っていうぐらいの大勢の老若男女が集まりまして、で、「晴れのちBlue Boy」を歌ったとき、あの曲の中に「言いたいことはヤシの実の中」という歌詞があるんですが、そこになったら大合唱だったんですね。おお!みたいな。」
「昔、Seriouus Barbarianっていう3部作のアルバムをエピックから出したときにですね、まああの時は会社とぶつかりましてね。お前何も売れてるんだからそんな変なの出さなくてもいいじゃないかと。まあ、俺もその頃はとんがってましたからね。俺もミュージシャンですから、これだけはやらせてくれと。で結局、Ⅰで1,500万、Ⅱで1,500万、Ⅲで2,000万だったかな。使っちゃいまして。まあでも、好きなミュージシャンともやらせてもらって、よかったですよ。」
「大澤も57才になりましたが、昔からの悪癖は治っておりません。こんなのもやれるんだよっていうことで…。」
「また来年、弘前来ますんで、その時はお友達ご家族ご親戚関係も是非ご一緒にどうぞ。大澤誉志幸57才、結構凄いぞ、なかなかやるぞっていうのを、Facebookなんかで呟いてくださいませ。」

続いて、全部拾ったわけじゃないんだけど、演奏した曲を幾つか挙げると…。

「その気×××」
「フランス海岸」
「ガラス越しに消えた夏」
「おまえにチェックイン」(←ここで観客総立ちに)
「No No サーキュレーション」
「そして僕は途方に暮れる」で本編終了。
直後のアンコールは「ゴーゴーヘブン」で全編終了。(21時20分頃)

この他にも「ろべかる」とか「FUTURE A GO GO」とか、他の公演でも演奏している曲を含め数曲演奏していたはず。

まあ、「Kiss & Kiss(宵闇にまかせて)」とか「一人きりアベニュー」とか個人的に聴きたいなぁ、と思った曲は演奏しなかったけど、ギターの6弦全部が目で見えるような場所からお姿を拝むことができたので、これ以上贅沢言わないっす。
で大澤氏、これがまたギターがうまいんだわ。もう、顔よりも指先の動きをずーっと目で追っていた感じ。
時間にしてみれば2時間足らずだったけど、4,000円でも申し訳ないぐらいの内容。

心から楽しませてもらった、充実のライブでした。来年ホントにまた来てくれたらいいなあ。

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