テロ支援国家指定解除と日本の対応

北朝鮮が核申告へ=テロ指定解除迫る?6カ国協議(6月26日9時0分配信 時事通信)

【ソウル26日時事】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で、焦点となってきた同国による核計画の申告が26日中にも行われる見通しだ。米国はこれを踏まえ「極めて速やかに」(ペリノ大統領報道官)北朝鮮のテロ支援国指定を解除する手続きに踏み込む。拉致問題を抱える日本は厳しい立場に追い込まれることになる。
ブッシュ米大統領は25日、福田康夫首相と電話会談し「拉致問題を忘れない」と強調。指定解除に向け日本側に配慮を示した形だ。

米国は、北朝鮮からの申告後、ただちにテロ支援国家からの指定解除に着手する、とな。ううむ…。

いつも思うことだが、何故北朝鮮の問題で、日本は他の国と歩調を合わせなければならないのだろう。特に、米国の顔を窺いながら外交を行うということは、第二次大戦以降ずーっと続いてきた事ではあるが、この辺で一発「米国離れ」しなければならないような気がしてならない。

結局のところこの6カ国協議にしたって、米国と北朝鮮の「対話」に他の国が巻き込まれているだけの話であり、板挟みとなっている中国、存在だけは示しておきたいロシア、どっちつかずの韓国、そして米国にべったりの日本と、果たしてこの6カ国が協議したところで一体何になるのか、と思うのだ。

そもそも、ここでも主導権を握りっぱなしの米国。「テロ支援国家」にしたのは米国であり、それを解除するのも米国である。ハッキリ言えば、勝手にどうぞ、というお話しである。

ブッシュ大統領は、我こそが地球全体の統治者と言わんばかりの暴君ぶりを相変わらず見せつけているようだが、福田首相もこのあたりで「拉致問題の解決の糸口が見えないうちは、協議には参加しない」ぐらい強い態度で臨んだ方が、ご自身の支持率含めいろんな方向に(いい意味で)波及すると思うんだけどねぇ…(笑)。

少なくとも日本は、北朝鮮という国を挙げての「テロ」の被害者なのだ。核の問題と拉致の問題。一見すると全く異次元の問題にも見えるが、「テロ」という共通項がそこにはあるはずだ。

北朝鮮のテロ指定解除は、前々から報じられていたことであり、もはや既定路線であることは間違いない。
しかし、これまでもウソと虚構とパフォーマンスだけで塗り固めてきた国が、いくら「核申告」をするからと言って、「核放棄」を本気でやるとは思えない。

「拉致問題を忘れない」というブッシュ大統領の言葉は、その場しのぎの逃げ口上にしか聞こえない。日本は、もっと毅然とした態度で外交すべきだ。

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