相撲協会の体質

今日は何だか、素朴な疑問ばかりが沸き起こってしまった。多分これは、皆さんにも賛同して欲しいという大きな期待を抱いてのことだと思う。

土俵の根幹に捜査の手=危機意識問われる相撲協会?力士死亡
(時事通信社 – 02月07日 17:02)

昨年6月、大相撲の時津風部屋で序ノ口力士、斉藤俊さん=当時(17)=が急死した事件は7日、元時津風親方(元小結双津竜)と兄弟子3人の逮捕に発展した。プロ競技で指導をめぐって刑事事件が立件されるのは極めて異例。力士育成という大相撲の根幹に捜査の手が入った。

日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)は同日記者会見し、「まことに遺憾であり残念でならない。今後このようなことがないよう指導していきたい」などと述べた。兄弟子3人の処分は捜査当局の判断を見ながら協議するという。

相撲協会員の不祥事には、1995年に二所ノ関親方(元関脇金剛)がマージャン賭博の容疑で現行犯逮捕された例などがあるが、協会の本業である力士の指導で逮捕者が出た例はない。

相撲協会は昨年10月の理事会で、協会の名誉を失墜させたとして時津風親方を解雇。兄弟子3人は昨年11月の九州場所と今年1月の初場所を全休し、協会は捜査の推移を見守っていた。

警察が動き始めてから慌てて動き出した相撲協会。こういうことを言っては非常に失礼だけど、相撲の世界しか知らないあの人たちには、何がいいことで何が悪いことなのか、何が常識で何が非常識なのかという基本的な部分が、どこか誤って伝承されているような気がする。


端から見ると暴力行為でしかありえないことも「しごき」の一言で片づけられてしまう相撲界。先輩後輩という関係だけで過度のいじめが起きても、「かわいがり」や「しつけ」の一言で片づけられてしまう相撲界。
たとえ死に至らしめても、指導の一環だったと隠蔽してしまおうとする体質。
「息子のように可愛い弟子」などと、よくヌケヌケと言えたものだと思う。

そういえば中学時代、1年下級のヤツが相撲部屋に誘われて入門したんだけど、大した結果も残せぬまま、10代の若さで急死したことを思い出した(心不全だった、とのこと)。

もう20年ぐらい前の話なので今更ほじくり返すのもおかしな話だけれど、まさか、と思ってしまう。
もし今回の一件が氷山の一角だとしたら、関取になれぬまま命を落とした彼もひょっとして…。

朝青龍の騒動の時もそうであったが、北の海理事長の危機管理のなさ、無責任ぶりにも、本当に協会を取り仕切る手腕があるとは到底思えないし、噂では黒い金で理事職を手に入れるという今の親方連中にしても、結局「名誉職」としての待遇が欲しいだけなのだろうか。
外部からの人材を頑なに拒み続ける相撲協会。そういう意味では、相撲協会こそ伏魔殿の最たるもの、といってもいいかも知れない。

理事長の「遺憾だ」という言葉も、ただ一枚の紙切れに書かれた言葉を棒読みしているだけで、まるで心から発せられている言葉とは思えない。
切り落とす髷もない頭で、一体、どうやって落とし前を付けるつもりなのだろう。それとも、世論に押されてまた、慌てて3人の力士を廃業させてハイ終わり、ということにするつもりなのだろうか。

しかし、みんなが口にしているように、相撲協会のぬるま湯体質は一体何をもって改善の方向に向かうのだろう。休場明けの朝青龍を見るために、物珍しさだけで国技館に集まった観客を見て、相撲人気がV字回復したとでも思っているのだろうか。

恐らく、外部から人材登用したところで、排他的な扱いをされることは目に見えている。
相撲協会にモノ申すことができる横審の忠告さえも聞き流してしまう相撲協会。

この協会は、本当に堕落している。結局、誰が理事長になっても何も変わらないということだろうか。

何を言っても責任逃れ、誰がやっても何も変わらない。
そういう点、国を司る「何か」に似ている気もする。

2 thoughts on “相撲協会の体質

  1. shuqoo

    いろいろ同感です。相撲王国とも称される青森ですから、ちゃんとしてほしいですね。
    とにかく今回の一件を一つの部屋の問題にしようとしてる協会の態度がよくないと思います。
    「そこだけ」のはずがない。
    きっと相撲界全体の話のはずなのは推して知るべし。
    だからこそ、事件が起きた時に過去の事例を洗い出して、そういう体質があって事件に近いこともあったなら(個人的にはあると思ってます)、それを処分し、反省して、それで初めて相撲界の新たな第一歩が踏めるはずだと思うんです。
    たぶん理事の偉い人たちは相撲界全体の話だから、協会から各部屋に強く言えないんでしょうね。自分もやってたでしょうし。
    「国技」を返上した方がいいのでは。

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  2. nonvey

    もはや「国技」としての体裁は完全に崩れたといってもいいでしょうね。
    話は逸れますが、貴乃花にすがらなければならない現状も何だか情けないし、そういう発想しか出てこない協会の思考も旧態依然だし。
    この一件で膿を出し切るということは、まずありえないのでしょう。少なくとも、今の相撲界に「相撲を昔みたいに復興しよう」という考え方は乏しいような気がします。
    残念だけど。

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