今年の話題:韓流ブーム

今更この話題を取り上げる必要もないと思ったが、ちょっとネタ切れの感があるので、今日はこれで勘弁を。
ハッキリ言って、僕はこの「韓流ブーム」と呼ばれるあの現象が、大っ嫌いである。なぜ嫌いなのかは自分でもよくわからないのだが、朝からあの作られたような気味の悪い笑顔を見るだけで、虫酸が走る。そして、それを見てキャーキャー騒ぐ中年の女性を見ると、腹立たしささえ覚える。多分、韓流スターが嫌いなのではなく、それに群がり奇声を発する、あのオバちゃんの気味悪さが嫌いなんだろうと思う。
念のため言うが、これは嫉妬ではない。純然たる嫌悪感である。ただ、今日はこのブームを、僕なりに客観的に分析してみたいと思う。
思えば韓国ではついこの間まで、日本語で唄われたCDの販売が禁止されていた。「日本文化開放政策」として、韓国政府がこういった文化の開放に取り組んだのは、つい最近のことなのだ(詳しくはこちら)。今回のこのブームは、必ずしもこの政策とリンクしているというわけではないだろうが、双国にいろいろと文化的な影響を及ぼしたことは間違いないようだ。その代表例が「韓流ブーム」であろう。


このブームの火付け役は、「冬のソナタ」といわれている。僕も妻に付き合う形でドラマを観たが、普通ではあり得ない強引なドラマの設定には、もはや失笑に近いものすら感じてしまった。幸いにもうちの妻は、ドラマに熱中する程度で収まったのでまだ良かったと思っていたが、先日真顔で「ヨン様の写真集買おうかなぁ」などと言い出したので、「頼むからやめてくれ!」と懇願したところである。ちなみにこの写真集は税込み14,700円。僕がPrinceに注いでいる金を考えるとあまり妻のことは言えないが、にわかに沸き上がったこのブームで15,000円近くも出費するというのは、あまりにも危険すぎる。ちなみに僕は、Princeファン歴17年。急造ファンではないので念のため。
…実は妻は、写真集を既に購入済みで、「冬ソナ」ファン二人(妻の母親と妹)を抱える実家に隠し置いているのかも知れないが(笑)。
さて、そんなことはさておき、テレビも新聞も週刊誌も、ペとかチョンとかいうカタカナの名前が踊る。誰が決めたか知らないが、いつしか四天王なる面々も登場することとなり、オバちゃん軍団は、そんな韓流スターが来日するたびに、右を向けばキャー左を向けばキャー、手を振った日にはギャーギャーと、まさに我を忘れた状態。さらに、「○○様〜♪」と絶叫したかと思えば、舌の根も乾かぬうちに今度は「××様〜♪」。もう、お前こそ一体何様なんだと目を覆いたくなるばかり。
裸体の写真集を出せばバカ売れし、CMに出ればその商品がヒットし、CDやDVDを発表すれば売上げを伸ばし…と、日本の芸能市場はもはや韓国人に支えられているようなものである。あの「通販生活 04年秋号」では、ヨン様変身グッズなるモノまで登場する始末(あまり売れなかったらしいが)。こうなるともう、ただただ笑うしかない。
この韓流ブームのターゲットとなったのは、言うまでもなく中年女性である。それも、子育ても一段落し、時間や収入にもゆとりが出てきた中流以上のオバちゃんがターゲットである。韓国に何度も足を伸ばす、その行動力そして財的余裕。こうなると嫉妬に近いように思われるのだが、僕なんかは、そんなに韓流が好きなら、いっそのこと家族を捨てて韓国に移住したらいいじゃないか、と思うのだ。
もう一つの案として、日本海沿岸には韓国から流れ着いたと思われるハングル文字の書かれた容器や、その他いろんなモノが漂着しているので、是非その「韓流」とやらを感じるためにも一度拾いに来ていただきたい、と思う。ゴミは減るし韓流文化に触れることもできる。それぐらい社会奉仕したってバチは当たらないだろう。これぞまさに一石二鳥、なんてな。
…イヤ、ちょっと待て。
これはきっと、これまで家事や子育てに明け暮れたオバちゃん軍団の、夫に対するプチ反乱みたいなものだ。さらにこの現象は、歳末セールで我先にとワゴンに群がる、あの状況と極めて似ていると言えよう。つまり、人が集まりだしたところは「取りあえず覗いてみる」という群集心理が生み出した、いわば「興味本位」のブームであると言えないだろうか。
しかし、である。
そう考えると、たまたまドラマに熱中したオバちゃん軍団に支えられたこのブームが、未来永劫続いていくのだろうか。熱しやすく冷めやすいのは日本人の特性でもある。かつて大々的にブームとなりそして葬り去られていったモノが、どれだけあることか。オバちゃん軍団が巻き起こしたこのブームも、ひょっとしたら間もなく飽きられてしまい、今度は違うモノに目が向けられる可能性だって十分あり得る。その理由の一つとして、わかりづらい名前を挙げたい。韓流のタレントの名前には、チャンにチョン、ファンにヨン、やたらと「ン」という文字そして半濁音、小文字の入った読みが多い。僕なんかは、こうなってしまうと全く区別がつかないというか、実際「冬ソナ」に登場したあの二人くらいしか名前が出てこない。そんな名前も聞き分けできるオバちゃんの能力。そんな能力があるくらいなら、何曜日が何のゴミの日か暗記することや、砂糖と塩の分量を間違えずに料理することくらい、朝飯前だろう。
一大市場として急激に成長したブームは、この先一体どこへ向かっていくのだろう。そして、ブームが去り、行き場を失ったオバちゃん軍団はどこへ矛先を向けるのだろう。もしこれが一過性のブームではなく社会現象だというのであれば、その違いを是非ともご教示いただきたいものだ。

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