官公庁は認識が甘い。

弘前市ソフト無断複製 - PC用 賠償金2700万円で和解へ(2009年8月26日  読売新聞)

弘前市は25日、複数の職員がパソコンのソフトウエア計697本を無断で複製し、業務に使用していたと発表した。市はソフト制作会社側に約2680万円の賠償金を支払うことで和解協議を進めており、9月市議会に承認を求める議案を提出する。

市企画部情報政策課によると、2007年12月と08年2月、それぞれソフト制作会社の代理人を務める法律事務所から、「ソフトが不正に使用されている」との指摘があった。

市で調査した結果、調査したパソコン1215台のうち593台で、ワープロソフトや表計算ソフトなど15種類、計697本の無断複製が判明。合併前の旧弘前市、旧岩木町、旧相馬村庁舎のいずれでも確認されており、02年頃から行われていたとみられる。

市は、職員らが著作権侵害の認識がないまま、正規にソフトを購入していないパソコンにもインストールしたとみており、組織的な無断複製は否定した。

賠償額は、本来の代金の1・5倍で算出。無断複製したソフトの制作会社は国内4社、アメリカ4社の計8社で、このうち、ジャストシステム(徳島市)の「一太郎」が583本と、全体の83%を占めていた。

市は28日、課長級職員を集め、法令順守の徹底などを周知する方針。相馬市長は「市民の皆様に心からおわびし、再発防止に向け、ソフトウエアの管理体制の強化を図りたい」とのコメントを出した。

今日は自戒の念を込めて訴えたい。

最近このPCソフトの「無断複製」が官公庁で行われているという実態が明らかになっている。
弘前市がこのような形で明らかにしたのはまだマシな方で、我が社を含め、恐らく県内の他の自治体においても、このような無断複製が行われているという実態を把握していないのではないかという疑問を呈しておこう(青森市はこういったことのないよう、管理が行き届いているらしい)。

ここでいう無断複製というのは、いわば一本のソフトを使い回しすることを指していることは言うまでもないのだが、官公庁の中では、「無断複製」=市販のCD-R等に複製する、という意味に捉えている人たちが非常に多いようだ。

そもそもこういうシステム管理に対する甘さがあるというか、ウィルス対策や不正侵入の防止など、外部からのアクセスに対しては過敏でありながら、内部統制が機能していない。つまり、システム管理に関するコンプライアンスが、末端まで浸透していないということが挙げられる。

このような認識の甘さ、根本的なことがこれまで問題視されていなかったことこそ、非常に由々しき問題ではないのだろうか。それとも、所詮対岸の火事だと思っているのだろうか。早急に対応する必要があるはずなのに、何故今まで有耶無耶になっているのか、不思議でならない。

我が社でもようやく内部調査が始まったようだが、少なくとも、某社の文書作成ソフトが、人数分購入されている、あるいはライセンス購入している部署は、これまで一ヶ所しか見たことがない。

おそらく今後実態は明らかになっていくものと思われるが、こういう膿は、悪化する前にすべて出し切った方がいい。

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