第2回遠征結果

8月6日から7日にかけて、太平洋→陸奥湾と【釣り遠征】に出かけて参りました。根魚掃除の旅。参戦者は「FC釣王(←これ、知らぬ間に僕もメンバーになっていました)」の3名と私。遠征先は、下北半島の付け根に位置する上北郡六ヶ所村。六ヶ所村を訪ねたのも初めて、太平洋で釣りをするのも初めてと、初物づくしの今回の遠征。大体こういうときはうまくいきません。そうそう、六ヶ所村といえば、核燃料再処理施設や関連施設のある村で、県内唯一の不交付団体(国からの交付税交付を受けない自治体。財政力指数がなんと1.9!)。遠くには、巨大風車が不気味に立ち並んでいます。ちょっと異様な光景です。
閑話休題。
初日にアタックしたのは、むつ小川原港の沖堤。高さが約7mもあるという巨大堤防、漁船で渡してもらったのですが、堤防に上がってみると、片側2車線の道路でも余るくらいの幅がありました。さすが太平洋…規模が違います。いや、これも再処理燃料が海上輸送される影響なのかも知れません。うねりもハンパではなく、潮が堤防にぶつかって渦巻く光景を目の当たりにしたときは、純粋に「怖い」と思いました。午後3時過ぎからスタート、仕掛けはブラーにアオイソメだったのですが、小物のマゾイが数匹、アイナメとメバルを足して2で割ったような魚が1匹釣れる程度。午後8時まで粘ってみましたが、最終的な釣果としては、お持ち帰りできそうなのはドンコが1匹のみと芳しいものではなく、ほろ苦い太平洋デビューとなってしまいました。ちなみに、同行者の友人S氏、メタルジグ(いわゆるルアー)で20センチ大の鯖をバンバンと釣り上げ、その鯖を追ってきた全長1m近くのイナダ(ブリの出世前)に仕掛けを力一杯持って行かれるというアクシデント(?)に遭遇、さらには見たことのない30センチオーバーの黒メバルを釣り上げるというシーンも目撃しました。
その晩宿泊したのは、六ヶ所村にある「ホテル市原クラブ」。正面看板はクラブの「ク」の字が剥がれ落ち、「ホテル市原 ラブ」になっていました(ラブホテルかよ!)。「ホテル」と言うには程遠い設備、風呂トイレは共同、なぜかコインランドリーも設置されています。
部屋に入ってみると、タオル歯ブラシもない、殺風景な8畳の畳敷きでした。想像はしていたのですが、部屋に置かれていた「案内」を読んで納得。
「ここは、働く人のための旅館です(ホテルじゃねえのかよ!)。午後10時以降は、廊下での話し声、テレビの音量、電話の声に気をつけましょう。」なるほど…長期滞在の作業員向けのホテル、いや旅館だったというわけですね。と、気が付いたのは午前1時過ぎ。おっと、明日に備えて寝なければ…。
7日朝。夕べ食べた、「ニンニク焼き」の影響で目が覚めました。睡眠時間5時間。風呂に向かうと、大浴場は大浴場なのですが、浴室が一つしかありません。聞くと、どうやら女性のお客さんはお断りしているらしいのです。今どき珍しい旅館です。
朝食は、それなりに食えました。いや、腹に詰め込んだ感じ。これで4,425円。破格です。でもここのオバちゃん、電卓を叩いているにもかかわらず、結局4人全員の会計を間違えました(^^;;;;
この日は、主戦場でもある陸奥湾に戻ります。平内町清水川にある清水川漁港沖堤。沖堤といっても、陸からは約200mしか離れておらず、その気になればゴムボートで渡れる距離にあります。青森市では、ねぶたの会場運行と花火の打ち上げが行われるため、開始時と終了時の混雑を回避して弘前に向かわなければならず、19時に納竿することに決めました。
渡してくれるのは「北島渡船」。これで4度目となりますが、ここで私が狙うは一つ。「タケノコメバル」という魚です。オーナーに聞くと、ここ最近はパッとしない日が続いているとのこと。特に投げ竿によるカレイは全く期待薄とのことで、投げでの大物を狙っていた二人はガックリしていました。
既に堤防東側に渡っている先客がいるので、西側に陣取ります。聞くとその客、陸奥湾のタイを狙って1キロもイソメを購入し、勇んでやって来たのですが、船の故障で出港できず、やむなくここで釣りをしているんだとか。かわいそう、というより惨め…。
西からの風が強く、仕掛けが流されていきます。さらに日差しが強く、暑い。ジリジリと肌が焼けて行くのがわかります。
10〜20センチのアイナメがちょこちょこ釣れ、そこそこ「遊ぶ」という感じでしたが、昼前後になると、ピタリとアタリがなくなりました。嗚呼、辛抱タイムに突入。さらに、ちょうど軽めの昼食を済ませたばかりなので、睡魔が襲ってきます。
…ハッと気が付きました。竿を持ったまま、防波堤の上で横になっていました。約20分くらい眠っていたのかも知れません。友人S氏は、40分も竿を握りしめたまま眠っていました。両腕が真っ赤になっていました。
15時頃、東側のお客さんが撤収しました。これでこの堤防は、我々の独占状態に。いい加減西側の小物釣りに飽きたS氏とT氏が、東側に行ってみる、と向かいました。とはいえ距離にして約400m以上はあるであろう堤防。往復するのは相当億劫です。
ところが約10分後…東側から、何かを持ってくるT氏の姿が。何とその手には、30センチ超のタケノコメバルが…。目が点とはまさにこのこと。それを見た瞬間、西側で粘るのがバカバカしくなりました。ポイントを聞き、竿を握りしめ、西端から東端へ小走りです。
「絶対釣ってやる…」
東側では、友人S氏が粘っていました。が、パッとしない様子。「アタリはあるんだけどさぁ…」とぼやいています。再びT氏がやってきました。「その辺の穴を狙えばいいよ。」 その言葉を信じ、ブラーを投げ入れた直後でした。ガツンというアタリ。フッと竿を煽った瞬間、糸が横に走っていきました。「来たっ!」その時点で、なぜかタケノコメバルであることを確信した私。上がってきたのは、29センチのデップリとした魚体でした。

(写真)刺身になる前のタケノコメバル。
これを釣りたかったのだ!!もう、これだけでもう満足です。悔いはありません。結局その後は、お迎えのやってくる19時直前に、T氏が仕掛けを切られたというポイントと同じような場所で、ガツン!というアタリとともに大きく竿が撓ったのですが、結局持ちこたえられることができずに仕掛けを切ることになりました。そういや、前回もここで同じような事があったような気が…。
納竿後、陸に上がり魚の選別作業。各々釣り上げた「これだけはキープ」の魚と、「適当に分けよう」という魚を袋に詰め入れ、クーラーに押し込んで弘前に戻りました。途中遠目に花火を見ながら。
翌朝。日焼け止めクリームの塗り損ねた腕時計の周りが真っ赤に腫れ上がっていました。クリームを塗らなければ…考えただけでゾッとする二日間の釣行でした。

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