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#吉川晃司 「OVER THE 9」ツアー #仙台公演 (1)大事件勃発

1994年4月23日。29年前に開催された青森市文化会館でのライブ「My Dear Cloudy Heart」は、僕が観た最初で最後の吉川晃司のソロ公演だ。
東日本大震災後、復興支援を銘打って東京ドームで開催されたCOMPLEXのライブは2日連続で観ているし、その相方だった布袋寅泰のライブも、青森市の同じ会場と弘前市民会館で観ている。でも、吉川晃司のライブだけは、なぜか一度しか観ていない。
青森には全く来なくなってしまった吉川晃司。もう一度だけあの姿をこの目に焼き付けておきたい。

40代後半になった頃からその思いはどんどん強くなり、実は2020年の仙台公演を観に行こうと目論むも、チケット抽選に漏れて断念した。(もっとも、新型コロナの影響で公演そのものが延期となり、結局そのまま中止となった。)

そんな中、通算20作目となる新しいアルバム「OVER THE 9」が11月に発売され、これに伴う全国ツアーが行われることを知る。青森県は今回もツアーの開催地から外れていた。当の本人は2年前に心臓の手術をしているし、自分自身だって、いつどうなるかわからない。
行きたい!と思った時が行くべきタイミング。多分これを逃すと後悔するんじゃないだろうか。
ということで仙台公演の先行抽選にエントリー。これで駄目なら縁がないということなのだろう。ま、どうせ無理だろうけど…。

がしかし、予想に反してチケット当選の報が届いた。1月8日は、何が何でも絶対に仙台へ行かなければならない。来るべきその日に向け、予定を一切入れないために色々な物事を調整しつつ、感染対策はもちろん健康観察も念入りに行った。

そしていよいよやってきた1月8日。直前に色々あって結構ギリギリの状況に陥っていたが、後で頑張って挽回できるのであれば、今日この日を絶対に逃すことはできない。こういう機会を逃すと、次はいつやってくるか、わからないんだから。
思えば、こんな独り旅は何年ぶりだろうか。…ああそうだ、スカパラの仙台公演を独りで観に行った、2019年12月以来だ。

新青森駅始発のはやぶさ24号は、思ったよりも混んでいた。遅ればせながらの帰省を終えたと思われる家族連れも多かった。仙台に到着するまでの間も色々あったが、とにかく今日は、ライブに集中。
14時29分、仙台に到着。ふと思い立って、会場の仙台サンプラザホールへ向かった。ライブの開場は16時30分からだが、事前にツアーグッズの販売が行われていることを新幹線の車内で知った。まだ時間はある。せっかくなので、記念になる何かを購入しようと思ったのだ。

会場に到着すると、人影はまばらだった。各会場限定のチャームと、チャリティアイテムのアクリルスタンド、いつ使うのかもわからないスマホショルダーストラップを購入した。

チャームはご当地限定。会場名と開催日が印字されている。

ホテルにチェックインしたあと、ひと時の休息を取りながら、臨戦態勢へ。
会場までは仙石線で二駅(あおば通〜榴ヶ岡)だが、これぐらいの距離は余裕で歩ける。16時20分、会場への進出を開始。
16時40分頃に会場に到着すると、既に多くの人が列をなして入場していたが、思ったほどの混雑ではなく、割とスムーズに会場入りすることができた。今回は、前から8列目という信じられない良席。左端の方ではあったが、そんなのは別にどうでもいい。とにかく今日は、同じ時間を共有し、29年振りとなるライブに酔いしれ、余韻にどっぷり浸ることが目的なのだ。

しかし、席に座って程なく、周囲が何やらおかしな空気に包まれていることに気づいた。
「えーっ?同じ座席番号なんだけど!ありえない!」
「えっ?番号同じですか?なんで?」
何と、全席指定にもかかわらず、同じ座席番号のチケットを持った人が複数いるのだ。会場を見渡すと、あちこちで同じようなやりとりがされているらしく、狼狽する人が立ち尽くしているのだ。

すると、僕のところにも女性がやってきた。
「あの…すいません、座席番号同じですか?」
お互いが持っているチケットを照合すると、印字されている座席番号は紛れもなく一緒。これはどういうことだ?何が起きたんだ?

よく見ると、2階席は空席だらけだ。

ふと2階席を見ると、1割も埋まっていないことに気づいた。これは大変なことになったぞ…。
とそこへ、アナウンスが流れる。「本日は大変なご迷惑をお掛けしております。お客様の中でチケットの重複が発生しておりますこと、心からお詫び申し上げます。重複のチケットに関しましては、大変申し訳ありませんが、ファンクラブを優先とさせていただきます。ファンクラブの方は○社にて購入したチケットとなります。それ以外のお客様につきましては、大変恐れ入りますが、一度1階ロビーにお集まりいただきたく…」

嗚呼、自分はファンクラブのチケットじゃないので一度ロビーに出ろってことね。さっき声を掛けてきた女性に「良かったですね」と伝えると「席、あるといいですね。」と言われてしまった。
ロビーにあふれた人の数は軽く200人はいるんじゃないだろうか。殺伐とした空気が流れ、今にも騒乱が起きるんじゃないか、といった雰囲気…というよりは、諦めにも似た境地なのだろうか。行き場を失い、どうしたらいいんだろう、といった感じだった。

大変なことになった。

やがて係の人がやってきて説明を始めたのだが、拡声器も何もなく、フリーで話しているため、「聞こえない!」と叫ぶ男性が数名(うち一人は、係の人の目の前で叫んでいた)。
その時点でかなりげんなりしてしまったのだが、一番恐れていたのは、このまま騒乱が収まらず、公演自体が中止となること。それだけは、何としても避けて欲しい…。
するともう一人の係の人が、「本当に申し訳ありません!皆様には、チケットの最前列から順に二階席に移動していただきます」と説明が終わるか終わらないかのうちに、流浪の観客による大移動がスタート。
皆さん多分、同じ心境だったと思いたい。これ以上騒動を大きくして、公演中止になることだけは勘弁してくれ…と。
結局、係員の配置も間に合わないまま、早い順で座席が埋まっていったが、空席もちらほらみられる一方で、立見席を選択した人もいたようで、1階席の最後列にはパイプ椅子が持ち込まれていたようだ。
もっともこの間も、1階のロビーからは1,2度大きな声が聞こえたような気がしたが、もはや騒いだところでどうにかなる問題ではない。隣り合わせになったお客さんとお話をすると、「こうなったら席はどこでもいいんです。あとは無事にライブが開かれれば…。」とのこと。全く同感。
異様な空気に包まれる中、再びアナウンス。「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。それでは、この後ライブを開催させていただきます。」
よ、良かった…(涙)。

そして、当初の開演時間を40分過ぎて、遂にライブが始まった。【続く】

#森山直太朗 #20thアニバーサリーツアー『 #素晴らしい世界 』が素晴らしかった!

我々にとっては2度目となる森山直太朗のコンサート、しかも自宅からほど近いところにある弘前市民会館でのコンサートということで、CMを観た瞬間「行く!」と言い放った妻の一言で、すぐにチケットを入手した。

11月3日文化の日。この日の弘前市は、あいにくの雨。紅葉を濡らすというよりも、既に終焉を迎えつつある弘前公園の紅葉にとどめを刺すような、冷たい雨が降っていた。きっと明朝の岩木山は、相当白いものを山肌に纏っていることだろう。
いくら至近距離とはいえ雨に晒されたくなかったので、母にお願いして車で近くまで送り届けてもらった。会場入口の混雑はほとんどなく、17時45分に会場入り。(ところで最近、チケット半券の裏に名前と連絡先を書いてくれ、と言われるが、あれって意味あるんですか?)

約1400人収容のホールは、満員御礼となったようで、既に観客の大半が入場済。席について見渡すと、2009年に青森市で観た前回と同様、性別年齢問わず、非常に幅が広い客層だ。
開演5分前までは会場の撮影が可能ということで、迷うことなくステージの写真を撮影した。

開演10分前。ステージ上のスクリーンには、これまで積み重ねた弾き語りの模様と思われる画像がキャプチャされていた。

初めて弘前で観る森山直太朗。どんな演奏を、どんな歌声を、そしてどんなMCを展開するのだろう。新型コロナが再び感染増加の傾向にある中、不特定多数の人たちでビッシリと埋まった客席に少し狼狽しつつも、期待で胸がどきどきし始める。

18時ちょうどに客演が落ち、スクリーンには今回のツアータイトルでもある「素晴らしい世界」の文字が躍る。そして、幕が上がると、6人のバンドメンバーを従えた彼が美声を轟かせ始めた。
その声に、思わず身震いするというか、全身に電流が走るような感動を覚える。

今回のツアーは20周年の記念公演として、来年まで全国で100本を予定していて、弾き語りの前篇、ライブハウスを主会場とした中篇、そして、現在繰り広げられているフルバンド体制での後篇という構成となっている。前回観た13年前とは、全く趣の異なるコンサート。
MCでは、ツアー前篇で離島を中心にこれまで未開だった地を訪問したこと、迎える側の姿勢というのを改めて認識したといったことなどを語っていた。
また、今回タクシーで会場入りした際、弘前市民会館のある弘前公園が「世界一の」桜の名所だと聞かされ、改めてその時期に訪れたい、といった主旨のことを話していたが、かつて、彼の代名詞ともいえる「さくら」を引っ提げて、桜前線に合わせて全国を巡るといったことをやっていた記憶があるのだが、その時には弘前を訪れていなかったのかな。
もう一つ気になったのが、「岩木山」を「いわきざん」と2度も発言していたこと。どうやら、弘前市周辺の地域に対する知見はあまり持ち合わせていなかったようだ。

市民会館東側の辺り。 メンバーが1人いない。

10年以上前に青森市で観たコンサートの時も、「いつか弘前に来てほしいけど、次は八戸というオチだったりして」と綴ったら本当にその通りになってしまい、その後、全くといっていいほど音沙汰がなかった。いや、もしかしたらツアーで来県していたのかもしれないが、こちらのアンテナが低過ぎた。もっともコロナ禍で、コンサートに足を運ぶことも自重していたので…。

ツアータイトルとなっている最新アルバムの「素晴らしい世界」からの楽曲に、新旧の名曲を織り交ぜたステージ、中盤のセット切替の場面では、ショートムービーが映し出され、その後の会場の雰囲気が一気に変わるということがあったり、思考を凝らした仕掛けが用意されていた。

もう一つ驚かされたのは、脇を固めるバンドメンバーの多才ぶり。さまざまな楽器が登場した。

しかし、相変わらず歌が上手い。本当に上手い。ファルセットも多用した歌声が、スーッと心に沁み入る。その声に、50歳を超えたオッサンの琴線に触れまくり。ずーっとウルウルしながらステージを見つめていた。

今回、コンサートに足を運ぶことを決めてから、あまり予習をしなかった。新しいアルバムも、そんなに頻繁に聴いたわけではなかった。

せっかくなら生で(もう一度)聴きたいなあ、と思い浮かんだ楽曲を胸に秘めながらステージを凝視していたが、そのほとんどの楽曲を演奏してくれたのだから、それはもう大満足なワケで。

オープニングから本編最後まで、更にはアンコールまでと、心の底から音を楽しむ、そんな優雅な約2時間半だったし、聴きたいと思っていた楽曲が始まった途端、涙腺が一気に決壊したり、うちに秘めていた何か(モヤモヤとかの類)を吐き出した感じ。ある意味「癒やし」になったのかも知れない。そうだよ、「音楽」は音を楽しむんだよ。

コンサート終了後は、その日のうちに次の会場である盛岡市に向かったようだが、本当に楽しいひとときだった。

スタッフのTwitter記事を借用。へばな、の使い方も正しい。

チケットは完売しているところもあるようだが、来年まで続く長丁場のツアー(東北地方も数か所回るようだ)、都合と時間が合えば足を運んで欲しい、そうお勧めできるコンサートだった。

いやぁ、久し振りに心底感動したわー。

終わりのおわり 始まりのはじまり #東京スカパラダイスオーケストラ #tour2022 #青森公演 #bestofluck

2019年12月、波乱と激動の日常が数か月後にやってくるとはつゆ知らず、僕は独りで仙台に降り立った。目的は、東京スカパラダイスオーケストラのライブを鑑賞するため。

昼過ぎから、仙台で暮らすラン友と市内をジョグしたあと、夕方、会場の仙台サンプラザホールに向かった…というその時の記録。

東京スカパラダイスオーケストラ30周年記念ツアー『ズレたままハジキ飛ばしていこう』12/07仙台公演 #東京スカパラダイスオーケストラ #スカパラ #ツギハギカラフル

結局これが、コロナ禍となる前に観た最後のライブとなった。

その後に予定されていた竹内まりや、岡村靖幸など、足を運ぶことにしていたライブ・コンサートは一切キャンセル。

世の中には自粛が求められ、密の状態を作り出すことが「社会悪」のような風潮が生み出された。

結局2年以上にわたりライブ・コンサートから足が遠のき、久し振りのライブ鑑賞が6月19日に開催されたリンクステーション青森での東京スカパラダイスオーケストラとなった、というわけ。

個人的に極力避けていた人ごみ。とりわけライブ鑑賞などという、不特定多数の方々が集まる場面に足を運ぶことを躊躇していたのも事実。

でも、いい加減過度に自粛することを終わりにしよう、そして、少しでも楽しめる機会を作ることを始めよう、そんな気持ちを整理する場面としてはピッタリのライブだった。

2年半前のチケットと、今回のチケットの半券。

直前までチケット販売のテレビCMが流れていたので、売れ行きはあまり芳しくないんだろうな、と思って会場に向かったら、何と当日券完売の満員御礼。

開演10分前に会場に足を踏み入れてみると、様々な世代と性別を問わない、実に幅広い客層がマスク越しにはやる気持ちを抑えながら、ステージの幕が開くのを静かに待っていた。

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アナログ時代への回帰

僕にとって、音楽はなくてはならないもの。音楽を聴くことは、癒やしだったり、カンフル剤だったり、もっと突き詰めれば、服飾のようなものだ。
通勤時間はイヤフォンを欠かすことができないし、家にいる時も、ランニングに勤しむ時も、肌見離さず身につけている、そんな感じ。

朝起きて、朝食を食べて歯磨きして、シャツやネクタイの色を考えながら着替えて、いざ出発。
さて、今日は誰の音楽を聴きながら職場に向かおうかな…。
これが僕の日常だ。とにかく、僕にとっての音楽は、生活の一部ということに尽きる。

なぜか2枚ある12インチレコード。未聴。

この年齢になると何でもかんでも取りあえず聴き漁るということはなく、耳に慣れ親しんだものばかり聴くようになった。
その音楽を提供する媒体はCDであったり、ストリーミング配信であったり、サブスクリプションであったり、ダウンロード購入したデジタル音源であったりさまざまだが、いずれにも共通するのは、場所を問わず聴こうと思えばどこでも音楽を聴くことができる、ということだろうか。

いつどうやって購入したのか思い出せないレコードの一枚。

昨今のアナログ盤ブームは、ちょっと嬉しくもあり複雑な気分でもある。スピーカーをあちこちに配置して四方八方に音を鳴らす、という手法もあるのかも知れないが、レコードを聴くということは、レコードプレーヤーに乗せたレコード盤に針を落とし、じっくりと耳を傾ける、というのが正しい姿勢なのかな、と思っている。ドライブの時にレコードを聴きながら音楽を楽しむ…さすがに難しいことでしょうからねえ。

今までで一番購入するのが恥ずかしかったアルバム

ちなみに何で複雑な気分なのかというと、結構な量のレコード盤を自分の不注意ですべて毀損し、破棄に追い込まれるという大事件があったからだ。
今となれば相当なレア盤もあったはずだし、それなりに価値のある盤もあったはずなんだが…。
まあ、今となってはもう手元にないレコードのことを悔やんでも仕方がない。

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#久保田利伸 concert tour 2019-2020 “Beautiful People” 青森公演

久保田利伸。一度でいいから観てみたいと思っていたアーティスト。
これまで目まぐるしく変化を遂げてきた髪型とは裏腹に、ずっと変わらぬままなのがその歌声。その歌声に、ずっと魅了されてきた。

彼が一躍注目を浴びることとなったのが、田原俊彦に提供した「It’s BAD」という曲だった。
今でこそ日本の音楽界においてもひとつのジャンルとして確立したR&Bも、この人がその礎を築いた、といっても過言ではないだろう。日本人離れしたリズム感とその顔立ちから、当初はハーフだと勘違いされたことがあったと記憶している。

最近ではあまりテレビ番組に出演することもなく、アルバムのブランクも空いていたので、あまり動向を気にはしていなかったのだが、一度でいいからライブを観てみたいアーティストの一人、いやその筆頭だったと断言してもよい。

昨年、ひょんなことから全国ツアーを始めること、そしてその中に青森も含まれていることを知った。そういえばこれまで何度も青森に来ているはずなのに、告知をほとんど見たことがない。
裏を返せばそれだけ今も絶大な人気を誇り、そしてチケットが入手しづらいアーティストなのだろう。
何とか足を運ぶことはできないだろうか、と招聘元のウェブサイトを見たら、何と絶賛先行予約中。これはもう、今しかない。ダメ元でもいいから申し込んでみようと、衝動的に予約を申し込んだら、どうやら先着順だったらしく、数日後にチケットが送られてきた。

かくして、デビューしてから30年以上が経ち、ようやく彼のライブに初めて足を運ぶという念願がかなった、という次第。折しも11月下旬にアルバムが発売されることになっており、いわばそのお披露目ツアーということなのだろう。

(ちなみにジャケットには、全裸の久保田利伸が…)

何気にこの新作、名盤。


【以下、少しネタばらしあり。】

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