Monthly Archives: 3月 2011

前例主義

役所というのは、とかく前例主義を踏襲する傾向が強い。中にいればわかることだが、とにかく「昨年はこうだった、以前もこうだった。」と、前例を盾にして物事を進めようとするケースがよくある。

僕の場合、今取り組んでいる仕事(特例民法法人の移行に関する業務)が、ほとんど前例のない仕事であるため、場合によってはこちらが「前例」を作り出すということもある。

言うまでもないが怖いのは、この前例が誤った方向性を導き出さないかということだ。
なので、結果としてこちら側としても審査に慎重を期することとなるし、当然国や他の都道府県の動向を見極め、どのような「前例」があるのかを探る。そして、前例の内容を一定の「指針」とすることもあるのも事実だ。ただ、現時点でその「前例」や「指針」が正しいものかどうかは、正直わからない。
ただ、少なくとも「前例」いかんに関わらず、法令に照らし適正と見なされれば、それ相応の判断が下される、ということだけは明らかだ。
今後事業の実施状況等が検証されて行くにつれて、この「前例」や「指針」が正しいかどうか、明らかになることだろう。

「前例主義」は何も役所だけに限ったことではない。例えば過去の最高裁の判例が一つのリーディングケースとなって、高裁や地裁の判断の指針となっていること一つみれば、なるほどと溜飲を下げて頂けるのではないかと思う。
民間企業でも恒常的に行われている業務というのは、結局「前例」があるから恒常的に行われているのだ、ということになるだろう。

京大のカンニング事件。結局カンニングを行った受験者が「犯人」として逮捕されて、事件は収束の方向に向かいはじめているようだ。

マスコミはこれに託けて、「犯人の素性」を暴こうと、別に知らなくてもいいような遍歴までも明らかにしている。いくら社会を騒がせたとはいえ、今回の犯人が「未成年」であることを鑑みると、ここまで暴露するのはいかがなものかと思う。むしろこちらの方が辟易するぐらい生々しい内容だ。もはやこうなると、報道の規制などあったものではない。恐らく地元では既に誰なのかが明らかにされ、そしてネット上で実名が暴露されているのだろうか。
ある意味これも過去の「前例」があってのことだろうが、こういう記事は好ましいものではない。

「目立たない生徒」「真面目」=バスケ部で地区大会優勝―入試問題投稿・山形(時事通信 3月3日(木)19時11分配信)

「目立たない生徒だった。まさかという思い」。入試問題投稿事件で逮捕された男子予備校生(19)が昨年卒業した山形県立高校の校長は3日、驚いた様子でこう話した。
県教育委員会から2日、同校にこの予備校生の受験大学を調べるよう指示があり、家族に確認したところ、京都大や早稲田大など投稿が発覚した4大学と一致した。
校長は「写真を見て思い出した。英語よりも数学が苦手だったが、3年の後半から成績が上がり始め、教諭の間でも話題になったことがある」と振り返った。ただ、「京大を受験するとは思っていなかった」と話した。現役時には早大と明治大を受験したが失敗。今年、母親から「早大に受かった」と同校に連絡があったという。
(以下詳細に渡る記述。略)

…とまぁ、こちらとしてはインタビューに答えている学校校長の素性が知りたいぐらいだ。一体何を考えてベラベラ話しているのか。これが教育者としてしかるべき対応なのか。

閑話休題。
しかしこのように「犯人」が叩かれる一方で、果たして大学側は「被害者面」していていいのだろうか、と思ってしまう。

大体、試験中の監督が一体どのように行われていたのかが全く明らかになっていない。他の大学では、事件が明らかになってから、慌てて試験監督の増員やら携帯電話の取扱やらに注意を払っているようだが、何を今更、といった感も否めない。

いろいろ原因を探っていけばキリがないし、また例のごとく最後に帰着するのは「結局のところ社会が悪い」というありがちな結論になりそうな気がするので、深く掘り下げることはしない。

ただ一つだけハッキリしたことがある。「カンニングは犯罪だ」という前例が出来上がったことである。大学の試験中にカンニングを行ったものは大学の「業務」を妨害する「犯罪者」であり、試験の監督(その「業務」)がいかに杜撰であろうとも、大学側は「被害者」だという「前例」、構図を作り上げた、ということだ。

だから、不謹慎を承知で言わせて頂くならば、カンニングを考えている人たちは心して取り組んだ方がよい。場合によっては逮捕され、自分の過去の生い立ちから素性まで、まるで死にかけた動物に群がるハイエナのようなマスコミに晒されるということを、頭の片隅に入れておくがよい。

今回の事件と「犯罪者の逮捕」を受けて、京大総長は、「監督態勢は万全だった。それをかいくぐったのであれば、新たな対応を考えていく」と述べたそうだ。

万全の中でもカンニングが行われたという事実と、どう向き合うのか、全く明らかになっていない。「起こってしまったものは仕方ない」という開き直りのようにも取れる。結局のところ、「新たな対応」を考えなければならない時点で必ずしも万全ではなかった、ということではないのか。

最後に。事件の舞台となった京大の現役学生がこのような発言をしていることに注目。

「日本中を騒がせていた人物が捕まってよかった。今後、大学はいろいろ対策をとるだろうが、もっとすごいカンニングの手口は出てくると思う」。

この発言の包含する意味を考える。暗に「大学がいくら手立てを講じても、カンニングしようと思えばいくらでもできるんだよ。」というようにも受け取れるのだが、それは考えすぎだろうか。

たかがカンニング、されどカンニング。「魔が差しましたごめんなさい。」では済まされない窮屈な世の中になってしまったということか。あ、結局社会のせいにしてるし。

大人の休日…?

連日仕事で足りない頭を酷使するため、最近の週末はホント出不精になってしまい、休みの日になると妻といかにお金を使わず過ごすことができるか、ということばかり考えています。
取りあえず朝昼晩の食さえ確保されれば別に出かけることがなくても何の問題もないわけでして、早い話がいかに食材を外から調達せず(買い物に出かけず)、我が家の冷蔵庫を始め、あちらこちらに散らばっている食材で朝昼晩を過ごすかという、このことばかりに思いを巡らせているわけです。なので多分今週末も、この余り物クッキングに知恵を働かせることになるのでしょう。
私、高校1年の頃までボーイスカウト活動をしてまして、そこで自炊のテクニックを磨きました。結果、台所に立つことには何の抵抗もないし、何より閃きだけで作った料理を誉めて貰うと、例えそれが身内であろうが、とても幸せな気分に浸れるのです。
家畜や鶏を捌くことまでは出来ませんが、魚でしたら三枚おろしぐらいなら出来ますのよ。64センチの真鯛(自分で釣り上げたもの)を約1時間半掛けで3枚におろした、なんてこともありましたのよ、オホホ。
先日のこと、そんな出不精夫婦の間で、そろそろ春も近いということで、今年は何の種を植えようかという話になりまして、従姉のリクエストのバジルはもちろん(育てたバジルをみじん切りにして、ニンニクのみじん切りと少々の塩と一緒にオリーブオイルに漬けるのです。シソの葉でも代用可。プロセスチーズに添えると美味しいよ)、カブを植えようかという話も。
あと一昨年植えたのですが、時期が遅すぎたために色んな意味で残念な結果に終わったゴーヤのリベンジにも取り組もうかな、と。こんな調子で色々イメージすると、春が待ち遠しくなってきます。
うちの裏庭はちょっとした家庭菜園をするには丁度良いスペースでして、毎年母の友人が野菜を育てています。
ただ、虫に食われた葉野菜を見た隣の人から「母さん、虫育てるの上手いな!」と笑われたとか。
その母の友人の手も借りながら、今年は何種類の野菜に手を染めてみようかな。そんなことを考えながらほくそ笑んでいましたが、今日の青森は冬に逆戻り。
でも、こんなどうでもいいことに思いを馳せながら春の到来を待ちわびるのも、なかなか楽しいですよ。
休日は外を走って、土をいじって。あとはホワイトリカーだけ購入して頂いた果物で果実酒をこしらえて。何か理想的な休日像がかなり具体的に浮かび上がって来ました。ムフフ♪

3月ですね。

3月になりました。

今日は青森県内の県立高校の卒業式でした。
卒業された皆さん、おめでとうございます。
世知辛い世の中ではありますが、自分の理想と信念をしっかりと持って進んで下さい。

ただ、ちょっと厳しいことを一つだけ。
皆さんが抱いている理想というものは簡単に手に入るものではありません。
社会に出ても、学生になっても、理想と現実とのギャップに嫌気がさす人もいるかも知れません。
しかし、ここでの苦労はやがてあなたの血となり肉となることでしょう。
理想と現実とのギャップに苛まれたからといって、安易にリセットボタンに手を伸ばすことなく、どうか我慢強い若者になって下さい。

さて、卒業式に象徴されるように、3月は別れの季節でもあります。今日はうちの職場でも県外関係の内示が発表され、僕の知っている人でも、県外の職場に異動になる人がいます。一方、4月にはその県外から戻ってくる人たちもいます。別れと出会い、再会が交錯する季節です。

それにしても月日の経つのは本当にあっという間で、今の職場に4月にやって来てから早11か月が経過しました。僕も試練と我慢の連続の11か月でした。おかげでそれなりに知識やノウハウは蓄積されつつありますが、まだまだ遠く及ばないといった感じです。

この時期は年度末の人事異動を控えているため、忙しい人は忙しい反面、僕みたいに99.9パーセント異動対象にならない人は、意外と暇な時期だったりします。

とはいえ何もすることがないのかといえばそういうことでもなく、4月以降に備えていろいろと準備しなければならないこともありますし、3月末までにケリを付けておく必要のあるものもあります。
実際机の両サイドには積み残しがわんさかと。なので、多分ホントは忙しいんだけど、今はその谷間のひとときを言い訳しながら過ごしている、といったところでしょうか。

振り返るとちょうど去年の今頃、ある方から「やはり異動になるらしい、それも今より数倍忙しいセクションに行くらしい」という情報を頂きました。蓋を開けてみると、その方から伺っていたとおりのセクションに配置換えとなり今日に至っているわけですが、今でも時々「何で俺がこの仕事を…」という疑念を抱くこともあります。

今の上司は非常に優しい方で、飲みの席上、僕の面前で「適材適所だった!」と喜色満面でしたが、本心はわかりません。まぁでも、これも勘ぐり始めればキリがないのでやめときます。
ただ、少なくとも、もうすぐ発表される内示に名前がないことはほぼ確実ですし、来年、下手をすれば再来年も危ういかも知れません。

僕は一体いつまで今の職場にいることになるのかな。

3月。あと1週間もすれば、いろんな怪情報が飛び交い、みんながそわそわし始める時期に突入です。どこに誰が変わるのかな。ウヒヒ。