サザンの翌日は、ノーザン。 #ノーザンホースパーク


サザンオールスターズの札幌公演翌日。
この日は、市内で開催されていたYOSAKOIソーランの最終日だった。全国各地からやって来た方々の迫力ある演舞を観覧するというのもこの時期でなければできないことだ。

しかし、僕の中ではこの日、どこで何をするかということが既に固まりつつあった。実は、昨年8月の北海道マラソンの際、新千歳空港に到着した直後に向かおうとしていたのが、そこだった。ところが運悪く、そこだけ集中的に雨が降るという事態に見舞われ、訪問を断念したという経緯がある。更にその3週間後のこと、北海道胆振東部地震での支援活動のため厚真町に向かうとき、毎日「社台スタリオンステーション」の前を通っていた。朝、広い牧草地に放牧されている数頭の馬の姿。いつか落ち着いたら、ゆっくりこんな光景を眺めたい、という思いが強くなっていった。

さて、改めてライブ当日に時計の針を戻そう。

数万人の観客が訪れた札幌ドーム。
22時を過ぎてもなお、行き交う人で溢れる札幌駅。
正直、これ以上の人の波に揉まれることに、嫌気が差していたのかも知れない。

「やっぱりノーザンホースパークに行こう…。」

実は、ライブ翌日の行動をどうするかは、ギリギリまで悩んだ。妻は一度ノーザンホースパークを訪れているし、本場のYOSAKOIソーランを目の当たりにしたことはない。二者択一となりつつあったが、自分の心からの願望に正直になろうと決めた。
そうと決まったら即行動。時間は限られている。8時半過ぎにバタバタとホテルをチェックアウト、8時50分発の快速エアポートに飛び乗った。新千歳空港に到着したのは9時27分。9時40分には、1時間おきに運行されるノーザンホースパークへのシャトルバスが出発する。
バス乗り場へと急ぎ、乗車。4名の乗客が既に車内にいた。9時40分に新千歳空港を出発したバスは10時過ぎ、目的地に到着。

ロッカーに荷物を預けて身軽になり、園内の散策を開始。まずは、「馬見の丘」を目指した。広々とした牧草地に佇む馬の姿を想像しただけで、ワクワクが止まらなくなった。階段を上り、馬見の丘に到達。
ドキドキしながら広い牧草地に目を向ける。

…あれ。いない。目を凝らすと、牧草を貪る1頭の馬。もっとこう、数頭の馬が戯れる光景を想像していたんだけど…。
でも、心地よい風の音だけが聞こえる高台は、我々以外に誰もいない。まさに独り占めの優越感に浸りながら改めて撮影した一枚は、このブログのバナーとして登場する。

さて、馬見の丘を離れ、厩舎に向かった。
引退した馬たちがのんびりと過ごす厩舎。

単に馬齢を重ねた訳ではない、純真無垢な瞳と、齢を重ねて深く刻まれた皺。
その馬たちの優しい目に、強く惹かれた。淡い恋心を抱きそうになるぐらい、美しい瞳。

まさに僕が渇望していた、「癒し」がそこにはあった。
かつて競走馬としてしのぎを削り、最高峰であるGIを何度も制した馬。レースに出場するも、一度も勝利することなく引退を余儀なくされた馬。

ここには色んな馬がいる。しかし、どの馬も優しさに満ちていた。
わずか2時間の滞在時間ではあったが、心の疲れを洗い流すには充分過ぎるほどだった。

パドックでは、馬術の練習なのか何かの検定なのか、若い子たちが馬に跨がり、凛とした手綱捌きを披露していた。

もう一度厩舎に戻る。いよいよお別れの時間だ。
「また来るからね。元気でね。」
格子状の網の向こうに指を伸ばし、そっと馬の額を撫でながら、心の中で呟いた。

残念ながら反応はなかったが、まるでこちらの心中を察しているかのような馬の佇まいに、最後までメロメロだった。

ノーザンホースパーク
〒059-1361 北海道苫小牧市美沢114−7
0144-58-2116
https://maps.app.goo.gl/MdCjHFuUZVHX4EmT6


サザンオールスターズ LIVE TOUR 2019 札幌公演(初日)鑑賞記


ネタバレはしていないつもりですが、もしもネタバレと感じてしまったらごめんなさい。

サザンオールスターズのライブを6年ぶりに鑑賞してきた。昨年9月、北海道胆振東部地震の支援活動で厚真町を訪れて以来、約9か月ぶりの北海道。
移動中の機内、そして車窓から北海道の風景を眺めながら、当時のことだけではなく、なぜかぼんやりと父のことを色々思い返していた。


僕にとってサザンオールスターズは、晩年の父と交わした数少ない言葉の媒体だった。無期限活動停止を発表した後の最後のライブ。雨降る日産スタジアムで観た、最初で最後のサザンオールスターズ。

「面白がったが。」「ああ、いがったよ。」

そんな短い会話のやり取りだったような気がする。しかし、ライブの余韻に浸る間もなく、2週間後に父がこの世を去った。

それから5年後、サザンオールスターズは復活を遂げた。復活ツアーのファイナルとなった宮城スタジアムで観たライブ。5年前の横浜が、僕自身にとって最初で最後のサザンではなかったと感涙に咽びながら、父が二度と戻ってこないことへの寂しさを、ひしひしと感じることとなった…。


札幌に到着したのは15時近く。開演は18時だが、ここからの移動を考えるとあまり時間がないと思い、手早く用事を済ませてホテルにチェックインした。初めて訪れる札幌ドームへは、地下鉄南北線(さっぽろ→平岸)250円と、シャトルバス(平岸→札幌ドーム)210円で移動した。

地下鉄東豊線を利用すれば、札幌ドームの最寄り駅となる福住駅まで15分もかからずに移動できると聞いていたが、混雑を鑑みれば他のルートで移動した方が良い、とのアドバイスを受けていた。結局往路は40分ぐらい、復路は30分ぐらいを要しただろうか。行きも帰りもバス(普通の路線バスの車輛)は立ち席となってしまったが、まあ、駅までの行列に苦悶し、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に揺られるよりはマシだったかな、というのが率直な感想だ。

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「走れメロスマラソン」と、濁点と。


先日、五所川原市で開催される「走れメロスマラソン」に出場するため、約1年振りに五能線に乗車した。

東能代行きの二両編成の気動車(快速だが、「リゾートしらかみ号」ではない。)は、6時46分に弘前駅を出発すると、二つ先の川部駅で進行方向を変えて五能線に入り、一路五所川原、そして日本海沿岸の鰺ヶ沢、深浦へと進んでいく。

ちなみに僕らが乗車しているうちに通過したのは弘前市、田舎館村、藤崎町、板柳町、鶴田町、五所川原市の6市町村。
それぞれ観光、産業に特色を持つ市町村を通過しながら、7時半頃に五所川原駅に到着した。

ところで、五能線には「陸奥○○」という駅名が多い。陸奥鶴田、陸奥森田、陸奥赤石、陸奥柳田、陸奥沢辺、陸奥岩崎…。他の地区にある同名駅と区別するためらしいが、なぜ「陸奥(むつ)」なのかはわからない。
そしてこの中で、ひとつ気になる駅名がある。

鶴田町にある「陸奥鶴田駅」だ。
鶴田町は、「つるた(TSURUTA)まち」なのに、駅名は陸奥鶴田。読み仮名は「むつ-つるだ(TSURUDA)」と、「た」に濁点が付いているのだ。なぜだ?

そういえば、僕が普段口にする地名にも、余計な濁点が付いていることが多いことに気づいた。濁点の付いていない地名であっても、だ。

先ほど列挙した市町村名を、ひらがなで表記しよう。
ひろさき、いなかだて、ふじさき、いたやなぎ、つるた、ごしょがわら。

これを普段の話し言葉に変換すると、こうなる。

ヒロサギ(フロサギ)、イナガダデ、フンチャギ(フズサギ)、イダヤナギ、ツルタ(ツルダ)、ゴショガヮラ
ここではあえて()内に表記したが、前述の鶴田を「ツルダ」という人は、少なくとも僕の周囲にはあまりいないし、僕も鶴田は「ツルタ」と言う。その一方で、藤崎町に関しては「フンチャギ」と、もはや最初の「ふ」しか合っていないといった状況だ。

そしてこの余計な濁音こそ、津軽の言葉が訛っていると印象づけ、そして、津軽弁がフランス語に似たものがある、と揶揄される要因になっていると勝手に思っている。津軽の言葉が訛っていること、津軽弁が他の都道府県の方々にとっては全く理解不能であること、そして僕自身が訛っていること自体は、否定する余地がないのだけれど。

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